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    れんこん

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    れんこん

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    第二回ベスティ♡ワンライ
    カプ無しベスティ小話
    お題「同級生」

    #ワンライ
    oneLai
    #ベスティ
    besty

    「はぁ……。」
    「んんん? DJどうしたの?なんだかお疲れじゃない?」

    いつもの談話室でいつも以上に気怠そうにしている色男と出会う。その装いは私服で、この深夜帯……多分つい先ほどまで遊び歩いていたんだろう。その点を揶揄うように指摘すると、自分も同じようなもんでしょ、とため息をつかれて、さすがベスティ!とお決まりのような合言葉を返す。
    今日は情報収集は少し早めに切り上げて帰ってきたつもりが、日付の変わる頃になってしまった。
    別に目の前のベスティと同じ時間帯に鉢合わせるように狙ったつもりは特に無かったけれど、こういう風にタイミングがかち合うのは実は結構昔からのこと。

    「うわ、なんだかお酒くさい?」
    「……やっぱり解る?目の前で女の子達が喧嘩しちゃって……。」
    「それでお酒ひっかけられちゃったの?災難だったネ〜。」

    本当に。迷惑だよね、なんて心底面倒そうに言う男は、実は自分がそのもっともな元凶になる行動や発言をしてしまっているというのに気づいてるのかいないのか。気怠げな風でいて、いつ見ても端正なその容姿と思わせぶりな態度はいつだって人を惹きつけてしまう。
    どうも、愚痴のようにこぼされる言葉をつなぎ合わせると、 DJの事を当たり前のように成人済みだと思ってお酒を奢ってモーションをかけてきた女の人に未成年だからと断ったら、質の悪い下手な言い訳だと思われたらしい。……たしかにこの同い年のはずの親友は自分と違って落ち着いているように見えて、色気に溢れてずっと大人びて見えるけど。
    DJを庇おうとした女の子達と修羅場が巻き起こって、面倒だからそのまま逃げてきたらしい……本当『罪な男』。

    「お酒飲めるようになったら、また更に面倒ごとが増えちゃうかもネ?」
    「アハ…、うちのメンターを見ててもあんまり良い印象無いし、俺は程々にしとくよ。」

    DJはお酒を飲んだらどうなっちゃうんだろうネ?反応を知っておきたいからその時は誘ってね⭐︎とここぞとばかりにアピールしてみると、逆にキミがお酒飲むとどうなるかの方が気になるんだけど?と少しだけ意地の悪い顔で笑いかけられる。

    「……ビリーが弱かったらちょっとオモシロイよね。」
    「HAHAHA〜♪いろんなリスクの事考えると強いに越したことはないからネ〜、もし弱かったら強くなるまで特訓しなくちゃ。」
    「特訓で強くなるモノなの……?別にそのままでいいじゃん、自然体がイチバン…♪」

    弱かったら少し可愛げが出てくるのにね、なんて、そうであれと植え付けるように楽しそうに言い続けてくるDJは、少し機嫌が良くなってきたらしい。なんだかんだ人を揶揄ったりしている時が一番楽しそうなのは、まぁそこそこの付き合いの長さで把握済み。たまにちょっと意地悪が過ぎて、もう!となる時もあるけれど。

    「……あぁ、そっか。そういえばビリーは俺より後の誕生日だから、ビリーが飲めるようになる頃には俺は少し慣れてるかもね。」
    「えぇ〜?ベスティとはじめてのカンパーイ!て一緒にしたいから、俺っちが解禁されるまで待っててヨ〜!」
    「アハ、俺が酔ったらどうなるかって情報だけ貰えればいいんじゃなかったの?」
    「それはそれ、これはこれだよベスティ♡」
    「ベスティ、ねぇ……。」

    またそんな薄っぺらなコトを言う、ってしらけた目でこちらを見てくるけれど、気にしない。
    家族でもない、恋人でもないけれど。この会話のテンポ、距離感、いろいろ取ってみてもお互い心地よくて遠慮もいらなくて、ただ2人で話してるとなんとなく元気が出て。
    それをベスティって呼ぶのはなんらおかしなコトじゃ無いでしょ?……ちょっとお金や情報は頂くコトもあるけれど⭐︎

    「……そういえばDJ知ってる?ブラッドパイセンが好きな日本とかはさ、学年が3月で切り替わるんだって。」

    家族、と思い立って彼の過剰に反応する名前を敢えて出してみると、少しご機嫌なふうだったその眉がくい、と若干釣り上がる。
    大人っぽい風貌に見えていても、こういうところは子供みたいにわかりやすいよネ。

    「それで?それがどうかしたの。」
    「もし俺っちたちが日本に生まれてたら……オイラとDJとは同級生じゃなかったかもしれないんだなぁって……。」

    すこしだけ不機嫌そうになっていたその綺麗な顔は、きょとん、というように年相応かもしくはもっと幼い顔でこちらを見てくる。何が言いたいの、とでも言いたそうに口元を少し歪めて。
    2月と7月、もしその制度ならDJは『先輩』、自分は『後輩』になっていたかもしれなかった。
    ほんの少しの違いだけでも、出会いや関わりは大きく変わる。だからさ、人生ってわりと奇跡のパズルの組み合わせじゃない?

    「……もし、さぁ。そうだったら、どうなってたんだろうネ?同級生だから一緒に授業をサボったり遊んだりしてたけどさ……。もしかしたらこんな風にふたりでお喋りすることも無かったのカナ?」
    「……。」

    きゅ、
    とその何人もの女の子を虜にしてしまえる甘く繊細な造りの瞳の中心が小さく縮こまる。
    自然体な彼のその表情はいつだって豊かで情報を周りに与えすぎる……と気付いてるのは自分だけか。いつもは何人もの女の子を甘やかに騙してしまえるくらいの手練れは持ち合わせている。
    常に周りには引き寄せられた彼を好きな人々が集まるのに、こんなたったひとりの親友ともたまにしか呼ばないような男にそんな表情をしてみせちゃう。案外繊細なのは外見だけじゃない。

    「あれ、もしかしてDJ想像して寂しくなっちゃった〜!?ダイジョーブだよベスティ♡もしものお話だから!これからもいっぱい俺っちとお喋りしよ!」
    「……別にそんなんじゃないよ。ただ。」
    「ただ?」

    精一杯の誤魔化しの言葉ではこのゴーグルは誤魔化せないヨ。……でもそういうことにしておいてあげる。持ちつ持たれつ、踏み込まず。それがキミとの親切契約。明らかに少しだけ寂しそうな顔をしてしまったいじらしい彼は悟られてない風で続ける。

    「ただちょっと……、ビリーとこんな風に知り合ってなかったら面倒ごとの処理にもう少し手間取ってたかなって思っただけ。」
    「HAHAHA〜!DJが今まで刺されてないのは俺っちのおかげかもヨ〜?」
    「アハ、そうかもね。ありがとビリー。」

    こう言う折に聞ける素直な言葉はいつだって育ちの良さを思わせる。
    こんなに自分とは釣り合わない、全然育ちも何もかも違う相手。それなのに勝手に作ったこのドライに見せかけた愉快で楽しい関係性……寂しいのはお互い様かもネ。
    すこし痛んだその視線にゴーグルの奥で笑いかけると、その口元はいつものように楽しそうに笑った。




    2020年12月7日
    お題「同級生」
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    れんこん

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    not カプ
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     ここ数日で山のように贈られたその言葉と気持ちに、珍しくちょっと流されてうわついて。

    「……。」

     なんとなく目が覚めてふわふわと浮くような腹のあたりを触る。
    むず痒いような、でも嫌じゃない感覚に、なんとなく高揚させられているのも混じっている。
     ……いろんなことがあったから、かな。

     まだ、日付の変わる手前の時間。
    LOMからの外出続き、祝われ倒しのパーティ続きでさすがに疲れ果てて、帰り着いた途端眠っていたらしい。同室のおチビちゃんはもうおねむの時間だから、隣からすやすやと気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。

     ……いつもガミガミと口うるさいのは変わらないのに、なんだかんだパーティでは生演奏を披露してくれた。パーティのための準備もみんなで考え尽くしたらしい。その時のことを思い出すとまた胃のあたりがふわりとして、ふふ、と口元につい笑みが浮かぶ。……こんな感覚は初めてかも。らしくないけど、たまにはいいよね。
     自分が上機嫌なのを客観的に感じて面白くなっていく。

     ……でも、なんとなく何か変な感じがする。
    ふわふわの中にお腹が空いたような変な感 5277

    れんこん

    DONE第16回ベスティ♡ワンドロ用
    お題「部屋」
    グレイから見たベスティのお話
    ※ビリー出てきません
     ちいさく、キラキラ光るガラス瓶。
    複雑な形にカットされたそれは、ハートの形状を形作っていて、その表面は光が反射しやすくなるようにさらに細工が入っている。
    蓋は黒くシンプルで、根本には濃いピンク色のリボンが巻かれていた。
     中に入っている液体は何色なんだろう。ガラス瓶の色なのか中身の色なのか、隣のスペースからは判別できない。

     わりとナチュラルなテイストで纏められたビリーくんの部屋には少しだけ不釣り合いに思えるような……というか、まるで女の子の持ち物のようなそれが、つい目に入ってくる。
     きっちりと本が並べられたデスクの上にちょん、と置いてあるそれの隣にはなにか小さな音楽プレーヤーみたいなもの。これも、濃いピンク色。ハッキリと存在を主張するそれになんだか動揺して、見なければいいのに目がチラチラとデスクの方に向く。……ううん、友達って……、難しい。


    「ビリー、いる?」
    「ヒィッ!?」
    「……っ!?」

     突然ぱしゅんと音がして部屋の扉が開いて、突然の訪問者にびくっと背中を震わせてしまった。
     なんとなく気になって仕事で留守にしているビリーくんの部屋を勝手に覗いていたから、そのやまし 4368

    れんこん

    DONE第14回ベスティ♡ワンドロ用
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    フェイビリ風味です
    こ難しく短い眉を寄せたり、緩く特徴的なカーブを描く唇に当てられた手袋越しの指がトントンとそこを叩いて、何かに悩むような考えてるような素振り。スマホを何度かスクロールして、なにかを見つけたのか、寄せられていた眉が緩んで、口角も緩んだ。
    同じような光景は今まで視界の隅で何度も見てきたような気がするけれど、改めてその様子をまじまじと見つめると、なるほど、ゴーグルをして謎めいてわからない印象を抱いていたけれど、案外その表情も、醸し出す空気すら、わりと豊か。

    「ふ〜……、って、なぁにDJ〜〜!?こないだからオイラの顔見過ぎじゃな〜い?……さては〜、今更俺っちに惚れちゃった!?」
    「まさか。……アハ、もしそうだったらどうするの。」
    「エ〜!?絶世のイケメンに言われちゃ考えちゃうナ〜♡」
    「はいはいっと。せめてゴーグル外してから言ったら?」
    「ンッフッフ、ゴーグルの下はベスティ♡にはトクベツ価格でご案内シマース♡」
    「……アハ。」

    ビリーは、変わった。
    今見ていたのもただただ金を巻き上げるためだけの情報でなく、誰かを喜ばせる為の下調べ。おおよそ……、前話していたジェイの子供のことだろうか。謎の胡 3408

    れんこん

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    どうも、愚痴のようにこぼされる 2767

    れんこん

    DONEビリーが居なくなってしまった話。
    未来ごりごり捏造しています。
    すっかり慣れ親しんでしまったタワー。
    最早実家よりも馴染んでしまうくらいになったそこでの生活。
    パトロールが終わって、後は眠るだけの時間。
    ……今日は夜から出掛けるのはやめよう。

    昔程は毎日のように夜遊びという無茶はしない。
    まぁ頻度がほんの少し減っただけ。特に大きくも変わらない。相変わらず女の子からの連絡は沢山くるしね、むしろ昔よりさらに増えたくらい。
    理由と言えば、少しだけ明日のヒーロー活動のために睡眠を取らなきゃいけないかな、なんて思った時だけ眠るようにしている。
    今日の理由はほんのちょっと、違うけれど。


    最早見慣れてしまった街でパトロールをしていた。
    ただいつもと変わらないその日常で、今日は背景のひとつだったキャンディショップが目に入った。綺麗にまるで花束みたいにラッピングされたロリポップが明るいオレンジ色のリボンで纏められて。恐らく誰かへのプレゼント用か、ただのディスプレイなのか。わからないけど。
    あの時渡したそれにすごく似ていたな、なんて思ったらぽっかり空いていた穴みたいなものに久しぶりに引き摺り込まれてしまったような感覚に陥った。ずっと、その気持ちにわざと知らぬフリ 4821

    れんこん

    DONEアカデミー時代ベスティ
    出会い捏造のお話です。
    『こんなことも出来ないのか?お兄さんのブラッドはー…』

    『フェイスくん、カッコいい、全部好き!』

    『…ー兄弟なら、お前も優秀なはずじゃねーの?』

    『ねぇ、私と付き合ってよ、』



    頭の中に交互に響くのは自分への否定と肯定の言葉。いろんなものがごちゃ混ぜになった地面のない世界のど真ん中に放り出されたみたいな心地がして、びくりと体を震わせて目が覚める。
    ……うたた寝ってろくな夢を見ない。
    なんとなく蒸し暑くなってきたから、校舎の隅の木陰で横になっていたけれど、失敗した。
    陰で水分を含んだ芝が制服を湿っぽくして、まるで今の俺の状態を仲間と認めて誘ってくるような。……やだな。
    でもそれでもサボっていた授業に戻ろうなんて気も起きなくて。かといって自分と違ってやる気のあるヒーロー志望の子と同室の寮に戻る気だって起きない。
    好きと嫌いの感情のマーブルチョコは今は受け付けられなくて、女の子に会って気晴らしをしようという気にもならない。
    この無駄にただイライラと……いや、しゅんと落ち込んでいくような気持ちを抱いている時間が無駄だというのはわかっている。

    ……こういう時には音楽を聴くのが良い。
    4895

    れんこん

    DONE第13回ベスティワンドロ用
    お題「祈り」「未来」
    未来捏造のベスティ(notカプ)のお話。
     まるで絵の具をこぼしたみたいな真っ青に塗り込められた雲ひとつない空に、正反対のオレンジ色が映える。
     そこそこ強い風にその髪の毛が煽られて、太陽の光を受けてきらりきらりと光った。


    「……いいの?」

     その相変わらず若干細っこい背中に声をかける。
     すると、その肩が少しだけぴくりと動いて、でもこちらを振り返らずに、ただ青い空を見つめたままだった。

    「いいの。」

     ふ、と一息ついたかと思うと、ビリーの手からぽんぽんといつもみたいに花が溢れ出る。赤、青、黄、白、紫、橙……色とりどりの花には共通点もなんにもなくて、ただ持っていた全ての花をそのまますべて出したというのが正しいのかもしれない。
     その花は強い風に吹かれて花弁になって散っていく。その様は、きれいで、そして寂しい。

     彼と出会って何年経ったろう。
    アカデミーの頃まで含めると、多分最早腐れ縁だねと言えてしまうくらいの年月。
     それなのに噂だけでしか知らなかった彼の父親の葬儀に呼ばれたのは少し意外だった。
     元々重病だったのに、余命宣告よりもずっとずっと長生きしてくれたんだヨ、とぽつりぽつりと聞いたことないトーンでビリーが喋 3822

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