Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    aoki_log

    @aoki_log 
    一呼吸で読み終わるぐらいの短い話しかかけません。🔥🎴とぱにぐれさん書いてます。
    今はアクナイの炎博が沼

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 26

    aoki_log

    ☆quiet follow

    初夜をお誘いされた博の話(いちおう炎博♂)
    ※書いたシーンは博がちょっと女々しい(本番はない)

    今はまだ、名前などないその気になったら部屋にこい、などと。
    『その気』とはいったいなんのことだろう。
    問いかけても「さぁな」と悪い笑みだけが向けられる。
    彼の言葉の真意を知りたければ行くしかない。
    けれど、そこにあるのは本当に『答え』だろうか。
    自分は『それ』を本当に知りたいのだろうか・
    このまま、まるで悪友のような遠慮のない言葉のやりとりや空気が心地良くて、それを壊したくないと思う心がある。
    部屋に行けば、何かが変わってしまいそうで。
    けれど、もしかしたら変わらないのかもしれなくて。
    今自分が考えている迷いや、甘さすべてを見透かしていての言葉なのだろうか。
    でも、だって・・・・・・君の傍は居心地が良いんだ。
    呼吸がしやすいのだと、君の傍なら息ができるのだと。
    そう告げたらどんな顔をするだろうか。
    そんないろんな想いが混ざりに交ざったまま。
    自室へと向かうはずだった足は、気づけばオペレーターの居住区画に向かっていた。
    歩みを進めていたつま先が、ぴたりと止まる。
    『その気』とやらになったわけではないけれど、この部屋に・・・・・・彼の部屋にたどり着いてしまった。
    防御服のポケットに突っ込んでいた手で、室内の主に来訪を告げるインターフォンを押した。
    静かなエア音と共に開かれた扉から、ぬっと伸びてきた長い腕。
    それに見合う大きな掌が、細すぎる腕を掴んでその内に引き摺りこんでくる。
    抵抗などできる間もなく、気づけばその身は訪れた部屋の内。
    トンと入口脇の壁に押し付けられて身動きは、もはや取れない。

    「『その気』になったのか?」

    何時になく静かな、静かすぎる声にどう応えるべきか。
    ただ見下ろしてくる燈色の双眸があまりにも熱くて、思わず笑みが漏れてしまう。

    「・・・さぁ、どうだろうか」
    「・・・・・・なら何故」
    「わからないから、かな」
    「・・・・・・はぁ?」
    「わからないから、分からないからこそ・・・・・・知りたくなった、のかも」

    だから、教えて欲しい。
    その瞳に宿した熱の名を。


    ※ここまでーーーーーーーー






    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤❤💖💖🙏🙏🙏🙏💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    nbsk_pk

    DOODLEハロウィンにちょっと不安になる炎博の話
    ハッピーハロウィン! たとえばこの人よりもやや低い体温だとか、動作の鈍い手足だとか、何が彼の不安を煽るのかはわからないのだけれど、時おり彼の手のひらが強く私の腕に食い込むことがある。
    「エンカク」
     本人に指摘すれば途端に怒り出すだろうけれど、こういう時の彼の眼差しはひどく不安に揺れている。誰かが手の届かないところにいってしまうことなど日常茶飯事で、私たちもお互い何度も諦めかけた夜を過ごしてきた。そのためか、はたまたそれですらなのか、夜闇に輝く炎色の眼差しは常よりもいっとう輝きを深くし、捕らえられた私もろとも彼自身すら焼き尽くしてしまいそうなほどだった。
     彼の唇は真一文字に引き結ばれ、ほころぶ様子は微塵もない。けれども私は横紙破りの大好きな卑怯卑劣な指揮官であったので、掴まれた腕をそのままにちょっとだけ背伸びをする。薄いくちびるは私よりも体温が低かった。ひょっとしたらただ私が勝手に興奮していただけなのかもしれないけれど、少なくともその一点においては彼のほうが向こう側に一歩近かったので、どちらかといえば慌てなければならないのは私のほうなのだった。
    1309