道満×男夢主 平安官人が道満を召喚※シリーズものとして書く予定のものを先出ししているので(その際はすけべも予定)やや尻切れ蜻蛉感があります。
突如、氏長者道長様からの呼び出しの書簡が到来し、私はびくつきながらも初訪問する事と為った。
私自身には何かを仕出かした記憶が無い。とすると父だろうか。いや、思いも寄らぬ事かもしれぬ……。書簡には内密にとの事だったので、誰にも相談できぬままである。
藤原氏の系図でも端の端にしか位置していない私の家が、氏長者の目に止まる事等、有るのだろうか。伝達に何か齟齬が有ったのではと疑いつつ、夜半、土御門殿へと牛車を着けた。
邸の者の誘導を受け、目立たぬ様にして入る。暗闇の中、かつ敷地の端からでも分かる、広大さと建物の大きさに息を飲む。行きも帰りも誘導されねば迷ってしまいそうだ。……帰りが有れば、だが。
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