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    pororimaru

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    pororimaru

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    宇宙からの視点に集中してる最中に襲っちゃえば、実質目隠しプレイでは!?

    ##テスデイ

    宙を漂う視線と神の気まぐれカルデアでの何気ない日常の営み。いつもの戯れの延長に、軽口の応酬。
    口が減らない相棒に、実力行使で応じるテスカトリポカ。
    その手から逃げ回り、押しやられたベットの上で転がったまま、力尽きたデイビット。
    上がってしまった呼吸を落ち着かせようと、胸は上下運動を繰り返す。
    抑え切れなかった微かな笑い声が、独りでに口から零れる。
    散々撫で回されたデイビットの髪はくしゃりと乱れたまま、その背中をさすっていた手は、そのまま梳かすように毛先に優しく触れた。
    無意識にその手に頬を擦り付けてしまう。久しく覚えていない穏やかな心持ちだった。

    そんな時、ちらりとデイビットの視界に映った、宇宙からの視点。
    それは何かを抱えた藤丸達が、こちらに向かってやって来る姿を捉えていた。
    おそらく手にしているのは明日から調査へと向かう異聞帯の資料、それについてデイビットのアドバイスを貰いに、ここを訪ねるのだろう。
    時間にして3分もかからない内に彼らがこの部屋に辿り着くことを、デイビットの頭は瞬時に計算した。
    「今日はここまでだ」と、デイビットはテスカトリポカに離れるように促した。

    途端に遠ざかる人間性。たった今までひと時のじゃれ合いを楽しんでいた、年相応の感情を隠し切れていなかったその顔は、いつもの無表情に戻る。
    微かに染まった頬はそのままに、あらぬ方向に向けたまま思案に沈むその横顔からは、こっちの存在などすっかり失念したようで思い返す気も感じられない。
    こちらにやって来る人影を捉えたままのその紫瞳は、いつもの冷静さを取り戻し始めていた。

    だが、それら全てが気に入らないと。そう思えば気まぐれに、好き勝手にするのが“テスカトリポカ”という、デイビットの神さまなのだ。

    その間にも、一刻と迫って来ている藤丸達の姿が見えているデイビットは、その場からまったく動こうとしないテスカトリポカの様子に、段々と焦りを覚え始めていた。
    テスカトリポカは何も言わずに、デイビットをじっと真顔で見据えている。
    なにか嫌な予感がする。
    彼はこういう直感を外した試しがなかった。
    そんなテスカトリポカは、いつだって冷静さを忘れないデイビットの、その珍しく狼狽えた姿を黙って見ている。
    その目は、デイビットには理解出来ない、まざまざとした熱を孕んでいた。

    目はギラギラとした光を放ちながら、テスカトリポカはその長い指をデイビットの顔にそっと這わせた。
    そのまま優しく撫でたかと思えば、頬を鷲掴んだ。つい驚き、わずかに開けたその唇にテスカトリポカは噛みつくように口付けた。
    デイビットの抗議の呻き声は、そのまま口の中に飲み込まれた。
    お互いの唾液は混ざり合い、ぬるりとした熱い舌が絡み付く感触に、肌が一気に粟立つ。
    顔に熱が集まり、体の奥底が疼くような感覚に全身が支配され始める。

    その間にも、たわいもない会話をしながら一歩一歩この部屋に近付いて来る藤丸達の姿が、デイビット目には鮮明に映っていた。
    視界の情報と身体に起きていることの隔離。
    デイビットにとってそれら全てが未知の経験で、今起こっているこの状況の異常さも相まって、どんどんと思考が奪われていくようだった。
    息が上手に吸えない。正気を持っていかれる。
    そんな気もそぞろなデイビットの状態に気付いたテスカトリポカは、こちらに集中しろといわんばかりに強く舌を吸い上げる。
    なんとかデイビットが逃れようと必死にシーツを蹴ろうにも、邪魔だと言わんばかりに体重をかけられ、抑えるようにのしかかられるだけだった。
    溢れて来た唾液が口から顎を伝い、その感触に知らず知らずテスカトリポカの腕に縋りついてしまう。
    「ヒっ!?」
    デイビットは思わず間の抜けた声をあげてしまった。
    いつの間にか乱された襟元をテスカトリポカの唇が辿り、仰け反り晒されていた喉元に噛みついたのだ。

    そして不意に、ドアの向こう側から声が聞こえた気がした。

    ーーいつの間にか部屋の前まで辿り着いていた藤丸達が、扉を開けようとしている。

    その突然の展開に驚き、デイビットは思わず目の前にあるテスカトリポカの体に全身でしがみ付いてしまう。
    混乱が襲い体が硬直して震え出す。
    そんな中で、あぐあぐと甘噛みするテスカトリポカの歯の感触が襲う。
    「~~~っっ!!!」
    身じろぎを止められず、必死に横顔を枕に押し付けて声を噛み殺した。
    扉一枚隔てた向こう側に人がいるのに。
    こんな状態ではまともに会話なんて出来る筈がない、こんな顔も見せられない。どうしたら。

    その瞬間。
    まるで今までが嘘のように、テスカトリポカはデイビットの体を解放し、遠ざかった。
    「あッ、ん――?」
    一瞬何が起きたか分からず、デイビットは呆然とテスカトリポカを見上げながら、肩で大きく呼吸を繰り返した。
    はくはくと口を開けながら、体の奥に残ったままの熱を持て余す。
    テスカトリポカはそんな状態のデイビットを見下ろしながら、飄々とした様子で手を伸ばし、こちらの身支度を整えてきた。
    そしてさながら何事もなかったかのようにベッドから降り立ち、扉に向かって歩み出すテスカトリポカ。
    やがて本来の目的を思い出したデイビットは、慌てて身を起こした。
    信じられないというような目で唖然とした視線を寄越すデイビットを見て、テスカトリポカはさも愉しそうに笑うのだった。




    →力尽きた🫠
    →その後ちゃんと取り繕って対応したけど、熱に浮かされた顔と首元の噛みつかれた痕をバッチリと目撃されるデイさんの姿が。
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