ネズミがチュー「あのですねぇお兄さん、僕だって暇じゃないんですよ」
呼んだら来るだろ、と思ったら本当に来た。
両手いっぱいの手土産を持ちながらやれやれとため息をつきながら現れたその男は、もはや腐れ縁である詐欺師のサンポだ。
「はいこれ、食べます?」
と押し付けられた紙袋の中に入っていたのは随分と可愛らしい缶だった。
おおよそ中身はチョコレートやクッキーの類だろう。
「嫌だなぁ、爆発なんてしませんよ。した方が面白かったですか?生憎急に呼び出されたものでサプライズなんて仕掛ける暇もなかったんです」
と言うので、目の前で缶を開けて中身を確認したところ本当にただのクッキー缶だった。
食べたら腹を壊すだろうか、それとも声がワントーン高くなったりするだろうか?
2564