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    rabimomo

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    rabimomo

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    タイトルまんまです
    めちゃくちゃ出来る男な月を書いてみたくてこうなりました
    在宅ワークした日に休憩時間と夜に一気書きしたのでちょっと文章とっ散らかってますので大目に見て下さる方のみ!
    直接の描写はないですが、肉体関係になることには触れてますので、そこもご了承の上でお願いします

    2/12
    ②をアップしてます

    #月鯉
    Tsukishima/Koito

    ①エリートリーマン月×大学生鯉「正直に言うと、私はあなたのことが好きです」

     ホテルの最上階にあるバーの、窓の外には色とりどりの光が広がっていた。都会の空には星は見えないが、眠らぬ街に灯された明かりは美しく、輝いている。その美しい夜景を眼下に、オーダーもののスーツを纏いハイブランドのビジネス鞄を携えた男は、目元を染めながらうっそりと囁いた。
     ずっと憧れていた。厳つい見た目とは裏腹に、彼の振る舞いは常にスマートだった。成熟した、上質な男の匂いを常に纏っていた。さぞかし女性にもモテるだろうとは想像に容易く、子供で、しかも男である己など彼の隣に入り込む余地はないだろうと、半ば諦めていた。それでも無邪気な子供を装って、連絡を絶やせずにいた。万に一つも望みはないだろうと知りながら、高校を卒業しやがて飲酒出来る年齢になろうとも、仕事帰りの平日だろうと付き合ってくれる男の優しさに甘えていた。
     彼と飲食する際には、いつでも良い店に連れて行かれ、鯉登が財布を取り出す間さえも与えずにカード一枚で精算を済ませてしまう。裕福な家庭に育ち年の離れた兄を持つ鯉登は、券面からそのカードのステータス性まで察してしまい、心が躍るよりもむしろ憂鬱さすら覚えていた。
     洗練されているのだ、全てが。
     ビジネス上の付き合いでしかないであろう、面倒な子供を相手にする時でさえもこうなのだ、この男は。まして気に入った女性を誘う折には、完璧なエスコートを行うに違いない。華やかな美形という顔立ちではないが、激務の傍らジム通いを欠かさぬという言葉どおりにその身体は鍛え抜かれており、短かく整えられた髪やこざっぱりとした顎髭と共に、清潔感がありハイブランドやプラチナカードが嫌味に見えない。絵に描いたような美形を好む女もいるだろうが、このたくましい体に惹かれる女性も少なくないのだと知る。ましてこの男のステータスも振る舞いも完璧で、これで落とせぬ女はいないのだと確信させるに充分だった。
    「私もお前のことが好きだぞ、月島?」
     だから鯉登は、首を傾げながら咄嗟にそう言い切った。深い含みを持たせずとも、好きと口にすれば頬に朱が乗る。いや、月島の方には顔見知りの子供に対する好意以上の意味がなかろうとも、鯉登にとってはそうではない。好きと口に出してしまえば、鼓動が激しさを増した。
    「いえ、そういう意味ではなく――一人の男として、あなたのことが好きなんですよ」
     けれど月島は、カウンターの上で交差させた指先を小さく重ね合わせ、困ったように眉尻を下げる。何気ない仕草さえも様になっており、目が眩みそうになる。何より、言われた言葉を咀嚼した――その瞬間に息が止まりそうになった。
    「あ、オイも……私も、その、月島んこっが……」
     舌がもつれそうになる。顔が熱い。思わず下を向けば、大きなてのひらが頬に触れた。柔らかな笑みを湛えた月島と視線が交わった。その瞬間、鯉登音之進は天にも昇るような心地であった。


     月島基は、かつて鯉登音之進の家庭教師をしていた男だった。
     父親である鯉登平二の取引先で、家族ぐるみの付き合いがあり鯉登も憧れていた鶴見からの紹介とはいえ、さして気乗りはしなかった。故郷の鹿児島を離れ、小学校から都内の私立校に通い、大学もそのまま内部進学を予定している。月島という男は、旧帝と呼ばれる国立大学から誰もが知るような大企業に就職した、いわば絵に描いたようなエリートのようだが、鯉登に求められるものは難関大学の合格を勝ち取るような受験勉強ではなく、父親から受け継いだものをより高めていくため、見識や人脈を築きながら自分の役割を学んでいくことだ。大学受験のテクニックが必要なわけではないのだ。
     それでも、忙しい中でも息子を気にかけ伝手を辿ってくれた父親の愛情や、優秀な部下を紹介してくれた鶴見の好意を無碍にするわけにはならない。人の上に立つ者は、人から与えられた真心を蔑ろにしてはならないと、それは鯉登なりに両親や兄から学んだことであった。将来は父や兄のように社の重役となるのならば、その心がけは必要なことだろう。
     外部受験は考えていないとはいえ、それでも高校生である鯉登は成績を維持することが必要である。定期テストや内部進学者向けの試験の成績は、進学にも大きく影響を与えている。鯉登の成績ならば現状でも医学系以外の学部は全て安全圏内とはいえ、油断し成績を落とすことになっては父母に心配をかけてしまうに違いない。難関大学の受験を勝ち抜いたような相手ならば、少しはアドバイスを貰っておくのも有効なのかも知れないと――気持ちを切り替え、紹介された男と週一のペースで顔を合わせることにしたのだった。
     初めて月島が鯉登の家を訪れた際には、着崩しの一切ないスーツ姿だった。服飾への関心が高く、目の肥えている鯉登にはそれが上質なオーダー物だと即座に理解出来た。体格のせいで既製品はしっくりこなくて、と、男は苦笑したが、相応のものを身につけている彼はまさに大人の男なのだなと、それが月島に対する第一印象だった。
     もっとラフな格好で良いと伝えたら、次からは基本的には私服で訪れるようになった。いくつかは鯉登もよく知るブランドの衣服で、好きなのかと問いかけてみたが、服のことはあまり詳しくもなければそれほど興味があるわけではないのだと返された。
     全体的な雰囲気や着心地そして店舗のスタッフとの相性で、気に入った店をいくつかリピートし、定期的に見繕って貰ったものをそのまま購入しているだけなのだと。
    「私は鯉登さんのようにおしゃれではないですし、おじさんですので。こざっぱりしていれば、さほどこだわりはないのですよ」
     そう言って柔らかく笑った月島は、その言葉とは裏腹にスーツも私服も洗練されており、ひと月も経たないうちに鯉登は恋に転がり落ちていた。
     何も見た目、主に筋肉質な身体とスマートな着こなしにばかり惹かれたわけではない。月島との会話も楽しかったのだ。
     月島は大人で、月島と話していると高校生同士での会話では得られぬような方面からの見識を持つことが出来た。父母世代のお仕着せとも違う。自然な態度で、視野を、世界を広げてくれるのだった。勉学よりも、月島との雑談の中で提示される知識や問題に対して思考する力、それから月島の仕事に向き合う姿勢などは、振り返れば高校生の鯉登へ少なからず影響を与えていた。なるほど、父親は単なる定期テストや受験対策のために月島を付けたのではないのだろうと、気づかされた。試験勉強ならば、現役の大学生をつけた方が合理的だろう。学業からは離れて久しい、忙しいサラリーマンをわざわざ家庭教師として招いたのは、社会勉強の方も兼ねていたのだと知った。いずれ鯉登は、月島のような優秀な人材の上に立つ立場となる。今のうちに、月島の立場の者から教わり学ぶことは有意義なことなのだと知った。
     そもそも父親は、鯉登の就職先として、月島と鶴見の勤める企業を最有力候補と考えていたらしいのだとは、大学生活も半ばを過ぎて就職活動を意識し始めた頃に知った。だからこそ、月島から学んで欲しかったのだろうが――しかし鯉登は、月島とのやり取りの中で自分の興味関心を見つめ直し、将来について真摯に考えるようになっていた。
     鯉登は、アパレル産業に興味がある。
     服を着ることも、選ぶことも好きだ。父親の事業の後継としては兄もいるのだ、鯉登はメインの事業ではなくアパレル関係の事業に携わってもいいのではないか。そのためには、大学卒業後の就職は、企業ではなく百貨店のアパレルブランドの店舗をと考えている。若いうちに顧客の反応を間近で見ておくのは、勉強になるだろう。挑戦するならば、大学を卒業してまもなくの時期が適しているのではないか。
     彼らの思惑からは道を逸らしてしまったにもかかわらず、両親も月島も誰もが鯉登の考えに異を唱えることはなかった。成長を喜ばれ、手放しで応援して貰ったのだった。
     鯉登は、月島のことが好きだった。月島と同じ職場で働く夢も甘美だったが、己の道を見つけ歩くことの大切さは、月島に教わった。月島に恥じるような生き方はしたくなかった。
     鯉登にとって、月島は人生を照らし出す道標のような存在となっていたのだ。
     誰よりも大切で、信頼出来る人。優しくて、頼りになる人。
     だからこそ、手の届かない人だと、そう思っていたはずが。


     月島は好いていると告げた日の次の約束で、手を差し出してきた。その次のデートでは、沿岸部のレジャースポットへと出かけた。大都会とはいえ、高層ビルだけではなく、整備された公園などの散歩するにも相応しい場所もある。もちろん、大型の商業施設での買い物や食事も楽しい。都心の小洒落た店で落ち合うのも楽しいが、こうした賑やかな場所を二人で歩き回るのも楽しかった。すっかり日が落ち街に明かりが灯り始めた頃、月島から観覧車に乗ってみましょうと誘われた。
    「楽しそうで、つい。乗ってみたくなりました」
     そう言って少し恥ずかしそうに笑う月島の見せた、無邪気な一面を意外だと思ったのだった。案外可愛いところがあって、そんなところも好きだな、とも。
     しかし都会の大観覧車から見下ろす夜景は、見事なばかりだった。子供の頃の遊園地での楽しかった記憶とはかけ離れて、ただただ眼下に広がる色とりどりの光に見惚れていた。月島はもう、子供のような顔はしていない。窓の外に広がる景色を眺める鯉登を、穏やかな目つきで見つめていたが――やがて頬に月島のてのひらがそっと触れた。反射的に月島の方を向いた、その途端に柔らかく唇が重なった。
     触れ合うばかりの、高校生のようなキスだった。けれど鯉登たちを乗せたゴンドラはほとんど頂点の位置にあり、一番高くから街を見下ろせるタイミングだった。優しい恋人と二人きりの空間で、窓の外にはきらきらときれいな街明かりが揺れる。その中で、初めてのキス。中学までは恋もしたことがなく、高校生の頃から月島だけを想い続けた鯉登にとっては、それは文字通りのファーストキスだった。あまりにも出来すぎていて、観覧車を降りても地に足がついていないような心地でさえあった。
     その次のデートは、月島から好きだと言われたあのバーに寄って行こうと誘われた。その日は土曜日で、もう少し月島と過ごしたいと願っていた鯉登は月島の誘いに飛びつき、あの時と同じようにカウンターで肩を並べ月島と過ごす時間を楽しんだ。
    「鯉登さん、私はあなたを抱きたいと思っています」
     数杯を飲み交わしたそのあとで、鯉登の耳元に唇を寄せた月島が、低く囁く。その内容に、飛び上がりそうになってしまった。顔に熱が集中し、心臓が早鐘のように打ち付けられるような心地だった。恐る恐る盗み見た月島の頬も、ほのかに赤みを帯びている。月島も少しは緊張しているのかと思えば、愛おしいと思ったのだった。
     無言のまま頷き、カウンターの木目に視線を落とした――ところで、月島は何かをポケットから取り出した。手の甲を上に、てのひらの中に何かを仕舞い込んだままカウンターの上に手を滑らせ、不意にぱっと手を離す。カウンターの上に残されたのは、プラスチックのカードだった。
    「がっついていて、恥ずかしいのですが。部屋、取ってるんですよ。泊まりが無理でしたら、終電までかタクシーで帰って下さっても大丈夫です。今日するのは嫌でしたら、何もしないようにします。そもそも今日は最後までしませんので」
     いつになく口早く紡がれる言葉に、月島はきっと大事にしてくようとしているのだろうと思った。優しくて、何もかもを先回りに用意してくれて、けれど逃げ道は封じないでいてくれて。大人の余裕で導かれ、愛され――月島と過ごす時間は、夢のようなことの連続だった。
     その日は結局、月島と初めて一夜を共にした。セックスまではしていないが、裸で抱き合い隅々まで触れ合った。月島は荷物の中にパウチのローションを忍ばせており、指だけとはいえ鯉登は生まれて初めて体内へ他人の侵入を許したのだった。
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