はぁ、と熱い息を吐き出せば、外気に触れて白くなる。
目に映ったそれに、今の寒さを嫌にも自覚して、ぶるりと肩を竦めた。
極寒の冬の夜、繁華街の明かりが辺りを照らす。
人々は身を縮め、普段より少し早いペースで歩みを進めていく。
勿論、エディも例外ではない。
チェンの店で「用心棒代」としてチョコレートを受け取り、夕飯の材料を購入して帰路につく。
なにやらいい事があったのか、その「用心棒代」は、いつもよりひとつ多めに入っていた。
『エディ、晩飯は何にするんだ』
「こんなに寒いし、シチューで温まりたいな」
『よし、オレも手伝う』
「……いや、気持ちだけ有難く受け取っておくよ」
いつぞやの朝食のようにめちゃくちゃにされたら後が大変だし。
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