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    わかめごはん

    @wakame_wjoy

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    わかめごはん

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    お題は「いいか、よく聞け」
    なんともしっくり来てないけど投げちゃう

    #まくだのワンドロとワンライ
    madasWandoroAndWanlai
    #マクダノ
    mcdano.
    #ステダノ
    stedano
    #H50

    地下の取調室で、スティーヴ、ダニー、そしてルーの三人が喋らない容疑者を前にして立っていた。しかしルー以外の二人は、入室するなり出入口の両脇に腕組みをして立ち、一言も口を開いてはいない。その異様な威圧感に、容疑者の男も額に汗を浮かべ始めていた。
    「おい、仲間の居場所をしゃべる気はないのか」
    「……」
    無言を貫く男に、ルーが顔を近づけた。
    「いいか、よく聞け。お前さんだってハワイの犯罪者の端くれなら、FIVE-0のスティーヴ・マクギャレットとダニー・ウィリアムズの話くらい聞いたことがあるだろう。あいつらがその二人だ」
    男の視線がルーの背後を行き来する。スティーヴとダニーは微動だにせず、冷たい視線で見下ろすばかりだ。
    「しかもあんた、最高にツイてない。今日はあいつら最高に機嫌が悪いんだ。こんなのはあれ以来かな……スティーヴが参考人の腕を折った時か、ダニーが犯人に喋らせるまでボコボコに殴り続けたときか。あんたがこのまま喋らなかったら、俺も二人を止められるかどうかわからんぞ」
    声を潜めてルーが囁けば、男の喉仏が上下した。
    刑務所へ行った者や同業者たちから、FIVE-0の噂は聞いていた。てっきり尾ひれの付いた話だと高を括っていたが、どうも甘く見ていたようだ。
    「……わかった、話すよ。でも条件がある。検事と司法取引して刑期を」
    言いかけた台詞に、スティーヴが地の底から響くような声で遮った。
    「ごちゃごちゃ言うな……! 必要なことだけ喋れ」
    「は、はい……」
    男が仲間の居場所を語り、三人はアイコンタクトをしてその部屋を後にする。
    がちゃんと扉が閉まるのと同時に、スティーヴが口を開いた。
    「ルー、助かった。あとを頼む」
    「はいよ」
    ダニーも頷いて足早に去っていく。ルーがその場から携帯でHPDへ犯人確保を依頼していると、エレベーターのほうから声が漏れ聞こえた。
    「ほんっとイライラしすぎてブチ切れるかと思った」
    「だから俺はルーに任せて帰ろうって言ったのに」
    「だって娘が病気や怪我したって言うならまだしも、発表会で早退なんてカッコつかないだろ」
    「そもそも休みなんだから来なくて良かったんだ」
    「その休みに! 朝っぱらから電話してきて! 乗せてけって言ったのはお前!」
    「無理ならいいって言った」
    「あーあー言ったよな、けど昼前に終わんなかったら先に帰っていいって言うから行ったの! まさか2台の車とカーチェイスになってこんな時間まで連れ回されるとは思わなくてね!」
    「でもルーのおかげで取り調べは早く終わったな。さすがベテラン刑事」
    「ああ。グレイスの出番が午後で良かったよ」
    そのあたりでエレベーターが来たのか、二人の声が聞こえなくなった。
    「早く終わったのはお前さんたちのおかげだよ」
    笑いながら呟くと、ルーものんびりとした歩調でエレベーターへと足を向けた。
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    わかめごはん

    DONEお題「お前に言ってなかったことがある」
    中の人のイメージから、勝手に歌が上手なダニーさんのお話。
    金曜の夜、二人の酔いも深まったマクギャレット邸で、なんとなく見ていた退屈なアクション映画は、エンドテロップが流れるばかりになっていた。カウチに沈んだダニーは、自分の隣に陣取るスティーヴを見る。その腕はカウチの背もたれの上に伸ばされていて、ダニーの肩には落ちてきていない。
    「なぁ」
    「ん? そろそろ寝るか? 泊まるだろ」
    カウチに寝るダニーのためにブランケットを取ろうと、立ち上がったスティーヴの手をダニーが掴んだ。
    「ギター」
    「なに?」
    「俺がやったギター。持ってこいよ。演奏会しよう」
    「え……今から?」
    「あぁ。嫌とは言わせないぞ、俺がやったんだからな。弾いてるか? あれ」
    「あ、いや……うん。実は、たまに」
    「一人で?」
    「だって、聞かせるやつもいないし」
    「ここにいるだろ。早く持ってこい」
    スティーヴはわずかに逡巡しながらも、二階の自室からギターケースを持って降りてきた。
    テーブルに置いて、観念したように勢いよく蓋を開ける。手にすると、わずかなチューニングで良い音が鳴った。まめに弾いているようだ。
    「何が弾ける?」
    「メジャーな曲なら。コード鳴らすだけでよければ」
    「そうだな。… 1168

    わかめごはん

    MOURNINGお題は「いいか、よく聞け」
    なんともしっくり来てないけど投げちゃう
    地下の取調室で、スティーヴ、ダニー、そしてルーの三人が喋らない容疑者を前にして立っていた。しかしルー以外の二人は、入室するなり出入口の両脇に腕組みをして立ち、一言も口を開いてはいない。その異様な威圧感に、容疑者の男も額に汗を浮かべ始めていた。
    「おい、仲間の居場所をしゃべる気はないのか」
    「……」
    無言を貫く男に、ルーが顔を近づけた。
    「いいか、よく聞け。お前さんだってハワイの犯罪者の端くれなら、FIVE-0のスティーヴ・マクギャレットとダニー・ウィリアムズの話くらい聞いたことがあるだろう。あいつらがその二人だ」
    男の視線がルーの背後を行き来する。スティーヴとダニーは微動だにせず、冷たい視線で見下ろすばかりだ。
    「しかもあんた、最高にツイてない。今日はあいつら最高に機嫌が悪いんだ。こんなのはあれ以来かな……スティーヴが参考人の腕を折った時か、ダニーが犯人に喋らせるまでボコボコに殴り続けたときか。あんたがこのまま喋らなかったら、俺も二人を止められるかどうかわからんぞ」
    声を潜めてルーが囁けば、男の喉仏が上下した。
    刑務所へ行った者や同業者たちから、FIVE-0の噂は聞いていた。てっきり尾 1186