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    3iiRo27

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    ritk版深夜の60分一発勝負
    第四十回 お題:「早く会いたい」「虫刺され」
    司視点 両想い

    #類司
    Ruikasa
    #ワンドロ

    忘れるほどに、早く。ズキリズキリと、呼吸をする度に頭に痛みが走る。
    渡された氷のうの位置を移動したけれど、痛みはあまり軽減されなかった。

    気を紛らわせるように天井をじっと見つめ、自分の不甲斐なさにため息が漏れた。




    ------------------------





    思えば、今日は朝からついてなかった。


    脚本に熱中してしまい寝るのがいつもよりも遅かった。
    悪夢を見て日が昇ってすぐに目が覚めてしまった。
    二度目したら出る時間をとっくに過ぎていた。
    慌てて出たらスマホを家に置き忘れた。

    類に会いたかったのに、すれ違ってしまい姿を見ることすらできなかった。








    極めつけは、これだ。

    スマホを持ってないオレは、類に会うための連絡が取れない。
    だから類に会うために、チャイムが鳴った瞬間、直様弁当を持って、色んなとこを見て回った。

    屋上。空き教室。裏庭。全て全力で走って、見て回った。
    最後に探した場所…校庭の緑があるところに着いた頃には、お昼休みも半分近く過ぎていて。
    オレは探すのを諦め、お昼を取らざるを得なかった。

    でも、真夏の学校で全力疾走。おまけにお昼をとろうとした場所は、日陰があるとはいえ30度を超える外。


    初めは普通にご飯を食べていたが、気づいたら頭痛がするほど体調が悪くなっていて。
    ご飯を食べることすらできなくなっていた。
    咄嗟に口に含んだ飲み物は、炎天下ということも相まってすっかり冷たさを失っていた。

    そうこうしているうちに、体調は更に悪くなっていき。
    周りに迷惑をかけないうちにと、保健室に向かい。今に至る。





    ---------------------------------




    体調が悪くなったのは、完全にオレの落ち度だ。
    悪夢も相まって、類に早く会いたいと、思ってしまったから。


    ……ワンダーランズ×ショウタイムの、初演の夢だったのだ。
    ショーが中断されて。寧々が泣いて。類が怒って。
    そして、背中を向けて、去っていく。そんな夢だったのだ。


    その夢が、夢であると。現実でないと、思いたいがために。
    オレは、ただそのためだけに、類に会いたかったのだ。

    早く。早く会いたい。そんな思いだけが先行して、こんな情けないことになってしまった。





    チリ、と痒みを感じ。咄嗟にその場所を引っ掻く。
    ぷっくりと腫れているそれに、数日前に記憶が掘り起こされる。

    虫刺されの痕があるとショーの衣装を来た時に目立ってしまい、支障をきたしてしまうから。
    なるべくお昼は、外は控えよう。そう言われていたのだ。



    ああ。類の言ってたことまで、守れないなんて。
    己の情けなさで、涙が出そうになる。


    滲む視界を無視するように、腕で目を覆った。
    先ほどより軽くなった頭痛とは半比例に睡魔は強くなっていき。
    意識は、ぷっつりと途切れた。






    ---------------------------------





    ゆさゆさ、ゆさゆさ。
    起こそうとしているのかしていないのかがわからないほど、小さく身体が揺れ動かされる。

    ゆっくりと浮上した意識に合わせて目を開けると、心配そうな顔をした類がオレの顔を覗き込んでいた。


    「……るい」
    「司くん、大丈夫かい?
    ……司くんと連絡が取れないし、会いにクラスに向かったら、熱中症になって保健室で休んでるって聞いたから……。保健室の先生は用があるとかで、君の面倒を引き受けたんだ。まだつらいかい……?」

    そう声をかけられながら、背中に手を回されてゆっくりと起き上がらせてもらう。
    まだ多少頭痛はするが、大分症状は落ち着いたようだ。





    「大分、楽になった。すまん、ありがとう」
    「ううん、気にしないで」


    そう言いながら、類はオレの頭を撫でる。
    そうしているうちに、寝落ちる前のあれそれが、どんどん脳裏に蘇ってきて。
    気づいたら、オレの目からは涙がこぼれ落ちていた。


    「……!!!?ど、どうしたんだい司くん!!?」
    「え、あ……すまん。気にしないでくれ」
    「この状況で気にしないことなんてできないよ!何かあったのかい……?」

    目を擦ろうとしたオレの手を類が掴み、取り出したハンカチで抑えてくれる。



    「……謝るのは、オレのほうなんだ。すまん、類」
    「え、っと……司くん…?」
    「これは、オレの自業自得なんだ……」


    オレは、ゆっくりではあるが、全部説明した。
    スマホを忘れて、連絡が取れなかったこと。
    悪夢を見てしまったが故に、類に会いたかったこと。
    会うために、真夏の校舎を駆け回ったこと。
    ……失念していて、虫刺されができてしまったこと。

    全て、全て話した。





    話し終わり、何も言わない類に、オレは俯いたまま動けなくなってしまった。

    矢張り、呆れてしまっただろうか。
    勝手に暴走して体調を崩して、その上約束すらできてないオレに、失望しただろうか。
    無言が、ただただ怖い。

    不意に腕を掴まれ、思わずビクッと震えてしまう。
    類は苦笑しながらオレを見つめると、そのまま腕を引っ張って抱き寄せた。


    「……確かに、体調を崩したことは説教案件だね」
    「う……」
    「でもね、司くん。体調を崩してしまうくらい、一生懸命僕を探していてくれたことは、僕はとっても嬉しいんだ」

    そう言いながら抱き寄せた腕を解き、互いの額を重ねる。
    一歩間違えればキスしてしまいそうな近さに、思わず心臓が高鳴る。

    「う、る、類!近い…!」
    「体調崩した罰だよ。このまま聞いてて」

    身体を離そうとしたオレを拘束するように抱きしめてくる。
    類の心臓の音も伝わってきて、身体が熱くなるのを感じる。


    「今度からは、絶対ここっていう待ち合わせ場所を決めておこうか」
    「……ああ」
    「大丈夫。僕は絶対にそこに行くから。だから、今度は絶対に駈けずり回らないでね?」
    「ああ。……ありがとう、類」
    「どう致しまして。……ああ、あと虫刺されは僕が今度良く効く薬を持ってくるよ」
    「何から何まですまんな……」
    額をくっつけたまま、優しい声で言ってくれる類に、嬉しさで頬が緩む。


    「ふふふ。じゃあ、これは虫刺されの罰としてやらせてもらうよ」
    そういうと抱きしめたまま、虫刺されがある首筋の反対側に顔を埋める。

    「……?何を、っひ、ぁ!?」
    突然首筋を吸われ、甘い声が漏れる。
    少ししてから離れた類は、満足げな表情で見つめていた。




    「これなら、どっちかどっちだかわからないね?」

    虫刺されと同じくらい濃く付いたキスマーク。
    いつもなら見えるところに付けるなと怒るオレだったが、寧ろ嬉しさを感じてしまって。
    オレも大概だなと、撫でながら思った。
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    あらすじ▼
    類のガレージにてショーの打合せをしていた2人。
    打合せ後休憩しようとしたところに、自身で発明した🌟の中を再現したというお○ほを見つけてしまった🌟。
    自分がいるのに玩具などを使おうとしていた🎈にふつふつと嫉妬した🌟は検証と称して………

    毎度の事ながら本編8割えろいことしてます。
    サンプル内含め🎈🌟共に汚喘ぎや🎈が🌟にお○ほで攻められるといった表現なども含まれますので、いつもより🌟優位🎈よわよわ要素が強めになっております。
    苦手な方はご注意を。

    本編中は淫語もたくさんなので相変わらず何でも許せる方向けです。

    正式なお知らせ・お取り置きについてはまた開催日近づきましたら行います。

    pass
    18↑?
    yes/no

    余談
    今回体調不良もあり進捗が鈍かったのですが、無事にえちかわ🎈🌟を今回も仕上げました!!!
    色んな🌟の表情がかけてとても楽しかったです。

    大天才小粒まめさんとの合同誌、すごく恐れ多いのですがよろしくお願い致します!
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