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    samuiwaks

    @samuiwaks

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    samuiwaks

    PROGRESS【司類】アンラッキーな俺の話 その1

    プロローグから第一章が完成しました。(以前中途半端なとこだけあげていたものです。その節はすみませんでした…)
    不穏な長編の導入です。
    テーマは不運。
    【司類】アンラッキーな俺の話 その1Prologue 繰り返しているよ





     これが夢であることを神代類は知っている。それでもこの夢は、幻とはとても思えない密度と温度で類に襲い掛かってくる。類は瞬きをしながら、叫びたくとも喉が引きつりただの一つも言葉を紡げない口をはくはくと金魚のように動かして、目の前の景色を青ざめた顔で呆然と眺めていた。思考は既に止まっている。しかし地面についた膝は鮮やかな赤色の液体を吸い、わなわなと震える手には生塗感触が這いずる。類の鼻腔をうずめるのは死の香りだ。遠くのほうで名も知らぬ誰かの悲鳴がぼんやりと聞こえるが、鼓膜には膜が張られたようにうまく音を拾わず、ノイズが混じって言葉になってくれない。
    「……」
    ざわざわとうるさい脳内は徐々に狂気に侵食されていく。夢だということは理解していながら、類は自分の目の前で血だまりに沈む彼の、くすんだ物言わぬ瞳から目を逸らせなかった。きらめく金髪が見る影もなく血に浸されているその人に、類は恐る恐る手を伸ばす。破壊された思考回路はこの場に適した言葉をたたき出してはくれない。しかし、どうせ言葉が浮かんだところで類の心が何を叫ぼうと、もはや息をしない彼には届かないことを、類は知っている。
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    samuiwaks

    PAST司類です。過去作ですがEND直前の顛末を(当社比)決定的に変えました。
    書き換え作業を行ってみたら私の中でいつの間にか司類の解釈だいぶ変わったんだなと感慨深く思いました。
    【司類】終点駅はまだ来ない終点駅はまだ来ない




    「君と出会うまではね、僕は365日、ずっと水底にいるみたいだったんだ」
     ふいに口を開いた類は、隣に座る司を振り返って「そういえばね」とまるで昨日食べた夕食の献立はハンバーグだったんだと伝えるかのような気軽さで、司に向かってそう言った。
    「む?」
     司が首をひねると、まもなくドアが閉まります、ご注意ください、とのアナウンスが流れ、電車のドアが音を立てて閉まる。今回の駅でも乗り込む人は一人もいない。
    「それは……ええっと、どういう意味だ?」
     下りの電車は土曜の午後だというのに静まり返っていた。車両ごとにまばらに人がいる程度で、昨今話題のソーシャルディスタンスというものを実現している。電車が揺れ、司が両脚で挟んでいる学生鞄がそこから抜け出し、司がそれを戻そうと手を伸ばして身を乗り出せば、電車はちょうど大河の上に架けられた橋に差し掛かった。深い深い青色の水面に太陽の光が反射し、きらきらと光り輝く。
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