某妖霊召喚児童書パロ1.妖霊召喚
空気中の水分が凍っているのか、それが蝋燭の僅かな光に反射して、部屋中が細かく光っている。厚いカーテンが微かに揺らめいた。部屋を照らす小さな電灯は一段暗くなったように見えるのに、蝋燭だけは変わらず燃え続け、炎が揺れることなく、静かに蝋が垂れるばかりだ。
気づけば部屋の中央に描かれたペンタクルの中には、溢した覚えのない水滴が落ちていた。その雫は、まるで床から浸み出しているかのように体積を増す。それと同時に、カビのような臭いが部屋中に広がっていった。水滴だったものは、膨らみながら大きな水球となり、床から浮かび上がる。身悶えするように幾度も形を変えながら、やがて水球は床に再び着地した。
2.軽薄な悪魔
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