あの子と僕/失恋を覚悟した時[リバミファ]「君なんて、嫌いだよ」
正面きって、ミファーにそう告げる。
これで終わる。これで終わってしまうんだと心の中で何度も繰り返しながら。
「……」
なのに彼女はどこか不思議そうに僕を見て、儚げに微笑んだ。
「……嘘は良くないよ、リーバルさん」
優しい優しい人魚のお姫様はそんな事を僕に告げる。
「う、嘘じゃ…っ!」
「じゃあどうして貴方はこんなに悲しそうな顔をしているの?」
「!」
うかつだった。
覚悟して、ポーカーフェイスを決め込んでいた筈の顔は今にも泣き出しそうなのに今更気付く。
「嘘なんか、つかなくて良いんだよ」
そっと人魚姫の両手が頬に触れる。そのままやわやわと抱き締められた。
「…っ!」
触れた人魚の肌は冷たくて心地よくて、何もかもがよく分からなくなって…思わず涙がこぼれていた。