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    rara_wcat

    SS進捗や二次短歌の下書きのスクショなどの置き場。絵は殆どないし下手絵だけです。

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    POIPOI 82

    rara_wcat

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    リハビリバミファ
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    吹雪
    https://poipiku.com/18609/7526835.html
    の続き

    ##SS

    あの子と僕/夜明け[リバミファ]――――翌朝。

    「……っ…」

     窓から差し込む朝日の眩しさに起こされた。
     どうやら吹雪はすっかり止んだようだ。

    「そうだ、ミファーは……」
    「………ん…ぅ…っ……」

     弱々しく身じろぎするミファーの頬は発見時より血色がうんと良くなっていた。懸命な介抱の結果、低体温症はすっかり治ったようだった。

    「……んんっ…あれ?…リー、バル…さん……?」

     数分遅れて、ミファーが目を覚ました。まるで花が綻ぶような彼女の美しい目覚めに一瞬目を奪われる。

    「!」

     だがそこで自分が裸であることを思い出した。

    「こっ、これは、その…っ!」

     反射的にベッドから飛びのきそうになったが、ミファーにやんわり止められた。

    「……分かってる。私を…助けてくれたんだね」
    「ま、まぁ、そうなるかな…」
    「ありがとう、リーバルさん」
    「ど、どういたしまして」

     腕の中にいるミファーを直視出来ず明後日な方向を見ながらそう濁せば、彼女はホッとしたように微笑んでまたその小さな口を開く。

    「ねぇ、もう少しだけこのままでいさせて?」
    「あ、あぁ…構わないよ」

     ミファーは心底安心したように僕に体を預けてきた。

    「あぁ、あったかい…」

     その姿は親鳥に甘える雛のようだった。

    「……えっとその、昨日は折角来てくれたのに何も返事できなくて……すまなかった」

     ミファーをゆるく抱きしめたまま、昨日の事を謝ると彼女は首を横に振った。

    「ううん、いいの。私こそ急に村に押しかけてきて迷惑だったと思うし…」
    「迷惑なもんか。ただまさか僕のことあんな風に思ってるとは思わなかったから、驚いただけなんだ」
    「本当に…?」

     不安げに首を小さく傾げるお姫様を安心させたくて、その頭をそっと撫でた。

    「ああ、誓って嘘じゃない」
    「……そっか。なら良かった」

     ミファーは少しだけ驚いた顔をしたが、すぐまた優しく微笑んでくれた。
     それだけで暖かな想いが心から溢れ出てくるようだった。

    「――それで、昨日ミファーが言ってた事についてなんだけど……その、僕はまだ君と…っ」

     そこまで言って、嘴に人差し指を押し付けられた。

    「無理に言葉にしなくていいんだよ。ここまでして私を助けてくれた事…それだけで十分気持ち、伝わってるから」

     言いながら、ミファーは僕の頬をそっと撫でる。僕を安心させたくてそうしたようだった。

    「じゃあ…その……」
    「うん。改めてこれからもよろしくね、リーバルさん」
    「こ、こちらこそ」

     静かなやり取りをしてる間に朝日が昇っていく。まるで僕らを祝福するような暖かな光だった。
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    💘💘💘💘💘❤😭😭💗💗💗
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    DONE■レオマレ■診断
    ベッタ再録
    ■片思いレオマレにしてみた。
    ↓診断結果
    もなかのれおまれさんには「終わりが見えない」で始まって、「君の名前を呼んだ」で終わる物語を書いて欲しいです。季節を感じる話だと嬉しいです。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/828102
    終わりが見えない。
    嫌われているのに、これ以上相手に嫌われるのは・・・・。
    いつからこの思いが自分の胸を甘い痛みとなって身体を蝕んでいるのかもう忘れた。
    自覚なんてしたくなかった。こんなに苦しいなら。
    諦めようと何度もひと目がつかない場所で、静かに涙を流してしまうというのに。
    「それも青春のひとつじゃ」
    リリアに相談したが、楽しそうに微笑まれて何も解決もしなかった。

    月夜が学園に振り注ぐ。
    マレウスは日課である廃墟巡りに向かうため、寮をこっそりと抜け出した。
    静寂に包まれた目的の廃墟までの道のりで、今日も一人物思いに耽る。
    今日こそは、歪み合わずに話をしようと決めていたのに駄目だった。
    どうやったら、普通に話すことが出来るのか。ほんの少しでいいから歪み合わずに話すことはできないか。
    そんな考えが頭を駆け巡り、答えがなかなか出てこない。簡単に相談出来る内容でもない。
    ひとりで考えても答えが出ないとわかっている。気軽に相談出来る友がいないのであれば、相談することも難しいだろう。
    悩んでいるマレウスを嘲笑うかのように、月の光は闇夜を照らす。
    溜息を一つ零すと、目的の廃墟まで向かっていた足が 1215