ワンライお題【破壊神】
転生パロ
宿伏ともに記憶あり
破壊神といえば…
そう問われてすぐに出てくるのは独特な笑い声をあげて、己の快、不快で物事を決め、容赦なく破壊、殺戮、傍若無人までに悪行を行う呪いの王
両面宿儺一択だと、彼を知っている人物は声を上げるだろう。
前世というものを信じるならば、俺は昔呪術師として生きており、その呪いの王に気に入られ一生を共にした記憶、これは確かなものなのだろう。
その王が、前世で借宿として受肉していた虎杖悠仁…
なんの因果か双子の兄弟として生を受けて、西の虎杖兄弟として不良から恐れられている状況に辟易する。
今世でも、宿儺の性格は変わらず…。
そんな男が…だ
「ッ、あ、は…ぅ」
こんなに優しい訳がない。
するすると背中を撫でられ首元に擦りつく宿儺の髪の毛が頬をくすぐってくる。
晩飯を作ってやる、という宿儺の誘いに乗って兄弟の住むマンションに上がり込み、勧められるままソファに座った俺を俺よりも体格のいい身体で抱き締めいろんなところを撫でてくること十数分
記憶を持って産まれたと言うことは、前世で宿儺とあれやこれした記憶があると言うことで、慣れない今の身体でも奥が疼くのが分かる。
それでも俺の存在を確かめるような、何かを確認するような手付きの宿儺の好きにさせていれば首筋にキスされて肩が跳ねる。
「んっ、っ、痕付けるなよ」
「見えない所ならいいのだろう」
俺は自分の死に際の記憶が無い。
ただ、俺を確かめるように触る宿儺や、初めて会った時の虎杖の泣きそうな顔をみてロクな死に方はしなかったんだなとなんとなく察した。
「惜しいなぁ…昔であればお前の心臓を抉り出して、上手く調理して食えたんだがな…今じゃそうもいかんからなぁ」
気付いたらシャツの前が開かれするすると唇が心臓の上に降りてきて心底残念そうな声を出すものだから苦笑する。
昔であったとしても全力で拒否してるだろうよ。
「俺が死んでから…食ったのか?」
「……さぁ、どうだったかな」
数千年前は虐殺の後、女子供の肉を食べたと言っていたことを思い出して、ふと気になったことを聞いてみた。
ぴたりと動きを止め、少しの沈黙の後鼻で小さく笑った宿儺が胸元を食むようにキスを落としてくる。
機嫌の降下してしまった宿儺に何か突いてはいけないものを突いてしまったのかと自分の選択に内心舌打ちしてみれば、ガリッといきなり乳首の周りに痛みが走る。
「っ?!い、たぁッ…おいっ、宿儺」
痛みに慌てて引き離すように宿儺の髪の毛を握り、頭を後ろに引き胸から離す。
嗜めるように噛み付いた恋人の名前を呼べばちらりと紅い瞳が俺を見上げてくる。
「お前が意地の悪いことを聞くからだぞ」
少し不満げな、憂いを帯びた声にぐっと言葉に詰まる。
珍しい表情と声に目を丸めて宿儺を見下ろしてみれば、俺に視線を向けた後、また飽きもせず胸元に吸い付いてくるので詰まった息を吐く。
乳首の周りに歯形が残ったのか、それをなぞるように舐め、ベルトに手が回ってくる。
宿儺と虎杖に会ったのは奇しくも6月
下校中、川沿いを歩いて帰っている途中に河川敷の高架下から怒号と悲鳴が聞こえて来てチラリと覗いたのが運の尽きだった。
土手の上から見えたのは、見覚えのある桃色の髪の毛…が2つ。
その時点で嫌な予感がして、スッと目線を逸らした。
2人の周りに死屍累々…
きっといちゃもんをつけたのであろう馬鹿たちが倒れていて、関わりを持つ前に早く帰ろうと足を進めた時、強い視線を感じて恐る恐る振り返った。
目が合ったのは宿儺とだった。
そして俺は目が合った瞬間走っていた。
何故だか逃げないといけないと思った。
反射的に逃げてしまってからしまったなと思ったけれど手遅れで、後ろから虎杖の声が聞こえてきて目頭が熱くなった。
人間は声から忘れていく…
生まれ変わっても虎杖の運動神経は相変わらずなのか、足音が徐々に近付いてくる。
「ッ、ふしぐろ!!」
ああ、こいつも記憶があるのか
名前を呼ばれた瞬間、確かに嬉しかった。
そのまま腕を掴まれ逃げられないように抱き寄せられたかと思えば、バランスを崩して土手を転げ落ちた。
「危ないだろうが虎杖ッ!」
声を上げてからハッとする。
俺の声を聞いた瞬間の虎杖の顔がぐしゃりと歪みまた、強く抱き締められる。
ゆったりと歩いて来た宿儺に見据えられて「覚えてるんだろう、伏黒恵」そう言われて、その言葉に口を紡ぐことしか出来なかった。
「ッ、あ!」
乳首が吸い上げられびりっと快感が走り思わず声が上がる。
ち゛ゅぱっ
と音がして、乳首から口を離した快感の元凶に目を向ければ下からじっとあの時と同じような瞳で見据えられる。
「随分と余裕そうだな?」
面白くなさそなうに鼻に皺を寄せた宿儺に肩を押されてソファーに押し倒される。
夕暮れ時だといってもまだ外は明るく、リビングの電気は付いている。
いつ虎杖が帰ってくるかもわからない状況で進めるわけにも行かず、覆い被さってこようとする宿儺の肩を押して抵抗して見せる。
「っ、おい」
「あいつは帰ってこんぞ」
「はぁ!?」
「帰ってくるなと言ってある。…まさか本当に晩飯を食いに来ただけじゃないだろう?」
俺の言いたい事を汲み取ったのか、既に手は打ってあるという様にさらっと言ってのける宿儺に羞恥心で顔が赤くなるのが分かる。
言ってあるって、そんな、絶対に分かるじゃねぇか!
セックスするから帰ってくるなって言ってる様なものだ。
最悪だ…
恥ずかし過ぎる。
するっと宿儺の手が頬を撫でて両手で顔を包まれる。
少し馬鹿にする様な声でまさかな?と首を傾げる男は、俺の抵抗虚しく唇に噛み付いてくる。
「ッん、ぅ、ンン」
じゅっと下唇を吸われて、熱い舌が唇を舐め上げてくる。口を引き結んでそれに抵抗していれば頬を包んでいた片手が離れて胸元を撫でられ、流れる様に下半身に伸ばされた宿儺の手がスラックスの上から既に反応し始めているペニスを撫で上げてくる。
「は、ッぁ、んぅ…う」
ビクつく腰に小さく息が漏れて、このままリビングで始め出しそうな宿儺の腕に手を伸ばす。
腕を掴んだところで全く止まらない宿儺に内心舌打ちしながら、続くキスに息も苦しくなって来る。
「ふ、ぁ、ンッ、ぅ、んんッぁ」
キスへの抵抗も弱りずるりと入り込んできた宿儺の舌が歯をなぞる様に滑る。
口の中を柔らかな舌が動き回り、弱い部分をくすぐられ、ゾクゾクとした擽ったさと小さな快感に顔が逃げを打つ。
それを逃がさないという様に顎を掴まれ続く快感に耐えられず宿儺の肩をもう一度押す。
「ッは、ぁ…はぁ、は」
ちゅっと音を立てて唇が離れ、ぺろりと舌舐めずりする宿儺を睨み付け息が荒れているのを整えながら口元を拭う。
息苦しさに涙で滲んだ目を瞬かせ、宿儺から距離を取るため少し上にずり上がる。
「ここでするのは嫌か?」
「当たり前だろっ」
「俺は別に此処でもいいがな?」
すぅっと細めた目が意地悪く俺を見つめてきて、奥歯を噛む。人の嫌がる事を楽しむ趣向は未だに変わってない。
全くもって性格が悪い。
続きをしようと俺のベルトに手を掛ける宿儺の手を掴む。
「お前は相変わらず敏感で愛らしいなあ」
「ッ、や、めろ」
形を確かめる様に柔らかく揉まれた性器が、それだけで反応する。
「っ、くそ…、ここは嫌だ。お前の部屋に、連れてけ、よ」
「けひッ、手の掛かるやつだな」
まるで自分から抱かれるのを強請っている様なセリフに宿儺の腕を掴んでいる手に力を込めてできる限りの八つ当たりをする。
言葉とは裏腹に楽しそうに笑う宿儺の手が離れ、頭を撫でられたかと思えば額にキスが落とされる。
それからグッと身体が持ち上がり、浮遊感に慌てて宿儺の服を握る。
「っ、」
横抱きにされているのが分かって、文句を言いそうになり留まる。
俺の反抗を楽しんでいる節のある宿儺に、今更抱き方を変えろだなんだと言ったところで無駄だ。
ただ喜ばせるだけになる。
そう思って口を閉じ、じっと羞恥心に耐える。
少し歩き足蹴に扉を開けた宿儺がベッドに俺を下ろす。
ボスっと柔らかな布団から空気が抜けて、同時に宿儺の匂いに包まれ、身体がカッと熱くなる。
「なんだ、今日は大人しいな?」
上から見下ろしてくる宿儺が額に掛かった俺の髪の毛を後ろへ撫で付けまた額にキスをしてくる。
少しつまらなさそうな恋人の声
「別に…嫌だとは、言ってないだろ」
大きな手が頭を撫で耳を擽り、首筋をツーっと撫でる。その流れに吐息が漏れてじわじわと赤くなる顔を自覚しながらも宿儺に手を伸ばし挑発的に笑って見せ、俺にだって性欲があるのだと伝えてやる。
「…はッ、全くお前は」
ゆっくりと上がる宿儺の口端を見て、少し後悔する。
「ッあ!ん、んぅ、ぅ」
「随分と気持ち良さそうだな」
ぐちゅぐちゅとローションと空気の混じる音が響き、内壁を擦られる快感に声が漏れる。
優しい快感に素直に感じ上がる声に、満足げな宿儺が指を増やす。
3本目
2本で充分解れているそこへ押し当てられ縁が捲れ、圧迫感とともに強く押される内壁への快感に口が塞がらない。
「はッ、く、ぁ、んっ、ん、も、早く挿れろっ」
「なんだ、痛いのが好きか?」
焦ったさに奥が疼き、楽しそうに内壁を攻め立てる宿儺を諌める。
口では痛くしてやろうだとか、苦痛を与えようだとかなんだとか言うくせに、実際に乱暴な扱いを受けた事なんてない。
…いや、少年院ではズタボロにされたけれど、あれはノーカンだろ。
あの、呪いの王が…だ。
全てを破壊し尽くす力を持っている男が、その手が、俺の肌を触る時、柔らかく傷つけない様にしているのが分かる。
傷だって、昔は反転術式でなかったものとされた。
今だってそうだ、過保護なんじゃないかと思うほどに優しい。
「お前に触られると、全部気持ちいい」
痛い事なんてない。
怖いくらいに愛されているのが分かる。
「…あまり煽ってくれるな、壊したくなるだろ」
「お前になら良いかもな」
脅しの言葉を鼻で笑ってやる。
昔なら抵抗していたかもしれないけれど…今はそう思える。
俺の言葉にぴたりと止まった宿儺の手を掬いとって俺の心臓の位置まで持っていき押し当てる。
昔はこの手がどう動くのか、俺を触るだけでビクビクとして怯えていたけれど今は恐怖ではなく興奮でどくどくと早く脈打つ。
奪っていくだけの力だと思っていた。
力の抜けた宿儺の手を握って口元まで持ってくれば宿儺の手の甲にキスをする。
煽るだけ煽って後はなる様になるだろう。
手の甲にキスした後は指に…
軽く音を立てながらキスをして、チラリと宿儺の様子を伺う。
真顔…
なんだ、それはどう言う表情だ。
ただ紅く染まる瞳は爛々としていてごくりと喉が鳴る。
「宿儺」
「もういい、口を閉じろ」
最後に一押し
そう思って口を開き名前を呼べば、普段よりも低い、掠れた声で止められ、ばっくりと口を食われる。
「ッ、ぅ、ふ、んぁ、っ」
ずるりと入り込んできた分厚い舌が俺の舌を絡めとり擦り付いてくる。
気持ちいいキスにずくずくと身体が疼き、腰が揺れる。
唾液が音を立てて、繋いだ手をベッドに押し付けられたかと思った瞬間、胎内で今まで大人しかった宿儺の指がぐりっと前立腺を抉る。
「ッ!!、ぁっ、はんッ」
衝撃で仰反り口が離れたと思ったら、快感に声が上がる前にまた塞がれる。
「ッ!ぅ、んんっ!ふ、ん、ッ!」
ぐぢゅじぢゅと音を立てながら指が抜き差しされたかと思えば、指が前立腺を捕まえ執拗に引っ掻いてくる。
いきなり与えられる強い快感にすぐに限界が来て脳が痺れる感覚と息苦しさに宿儺の肩を強く叩く。
「ッは、ッ!あ、あッ!」
「イけ」
握っていた手が離され、ガクガクと震える内股をするりと撫でられる。
そのまま快感に閉じそうになる足を内側から押し開かれぐるりと内壁を指で掻き回され前立腺を摘み上げられる。
「くッぅ、ンッあっ!」
摘み上げられた快感に耐えられず身体を仰け反らせて絶頂する。
ぎゅうっと宿儺の指を締め付けその動きですら快感に繋がってしまい絶頂の余韻を発散させたくてシーツを乱す。
「は、、はッあ、ん、」
「随分と派手にイッたな」
ずるりと指を抜いた宿儺が顔を覗き込んできて、未だに射精出来ず勃ち上がっている俺の性器を撫でる。
「ッ、ん…ぁ、さわんなッ宿儺っ」
絶頂した後の余韻が凄くて敏感なそこに触られるだけで腰が跳ねる。
それを知っているにも関わらず、根本からペニスを包み込みゆっくりと擦り上げてくる宿儺を睨み付ける。
「ッ、ぁっ、ひ、んゥ」
「まだ出すなよ」
ずりっと裏筋を擦り上げ、手のひらで亀頭を包む様に撫でらればちばちと目の前に光が飛び足先に力が入る。
限界まで競り上がってきた性液を堰き止める様に根元を握られ歯を食いしばる。
「ッ、くそ、も、早く挿れろってっ」
「そう急くな、お前が壊れない程度に愛でてやるからな」
「ッぁ!は、ぅ、、んンッ、あっあ!」
上機嫌に笑った宿儺の言葉通り
未だに手で快感を与えられ続けて思考が鈍る。
舌で乳首を弄られ、先走りを溢れさせるペニスを擦り上げられ、指は内壁をこそぎ前立腺を押し潰す。
ベッドの上でシーツを乱しながら快感に声を上げる俺を、宿儺がじっと見つめていて余裕そうなその顔が悔しい。
「す、くなッ」
「ん?」
「ひ、ぃッ、あ!や、だ、も、イくッ」
またくるッ
強すぎる快感に涙が溢れて中を締め付け指先に力が入りシーツを引っ掻く。
ばちっと言う音が聞こえて目の前が真っ白になる。
息が詰まり、絶頂する快感に声すら出ない。
「ッ ———♡!!」
ビクッと足が跳ね上がりぷしゃっと潮を噴く。
腹が濡れる感触と押し出される液体が尿道を通る感覚にさえ腰が跳ね、快感の抜けきらない余韻が苦しくて縋り付く先を探す。
「めぐみ」
ガリガリとシーツを引っ掻く腕を掬い取られて宿儺の首に回される。
熱の篭った声で名前を呼ばれてどきりとする。
欲情の見られるそれに、涙でぼやけるなか宿儺の目を見つめるとちゅっと目元に吸い付かれ涙を舐め取られる。
「もっと乱れてみせろ」
少しすっきりとした目線の先で宿儺の紅い瞳に吸い寄せられる様に首元へ擦り付く。
ぴたりと押し当てられる熱に腰が引けてそれを咎める様に腰を掴まれ引き寄せられる。
「ばかやろう…」
「何度目だそれは…」
あの後散々抱かれ、意識を何度か飛ばした。
目が覚めた頃には声はガサガサで宿儺の手が優しく頭を撫でていた。
散々抱かれた身体は節々に痛みを訴えて夕食どころでは無い。
所々歯が立てられたのかひりつく痛みに枕に顔を埋める。
「生姜焼きならいくらでも作ってやる」
「…今日楽しみにしてたんだよ」
呆れた様なため息をついて頭を撫で続ける宿儺にこの気持ちは分かるまいと思いながらも不満を言う。
そうか…
なんて小さくボソリと呟いた宿儺が苦笑しながらも大きな手が腰に周り抱き寄せられ背中にじんわりと温もりを感じる。
「コーヒー…ブラック」
「わかった」
すりすりと頬を撫でたかと思えば大人しく言うことをきく宿儺がベッドをぎしりと鳴らして身体を起こす。
その背中に赤く線が走っていて小さく声が上がる。
「…っ、あ」
「なんだ、この俺に傷をつけられるのはお前だけだぞ?」
背中に走る赤い線とは別にいつ噛みついたのか、肩に歯形も残っていて見ていられなくなって顔を伏せる。
俺の様子をクスリと笑った宿儺が頭をぐしゃぐしゃと掻き混ぜ、ベッドから降りてリビングへいく。
…恥ずかしすぎる
自分がどれだけ乱れたのかまざまざと見せつけられ、なんだかムカついてきて、宿儺の枕をぼすりと殴りつける。
優しいなんて思った俺、今すぐ撤回しろ…
end