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    SS供養

    過去に書いたSSを一部修正して再掲しています。

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    SS供養

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    マサ蘭
    腐注意、シリアスです。

    ミーティングルームには霧野と狩屋の二人だけだった。

    「どういうつもりだ狩屋」

    霧野が狩屋を睨む。

    「何がですか?」

    怯む様子もなく狩屋が笑った。

    「雷門に何をしに来た」

    「……さぁ、何でしょうね」

    挑発的な態度を見せる狩屋に霧野の機嫌はますます悪くなっていった。

    「答えろ。何が目的だ。どうしてこんなことをする」

    「霧野先輩、怖いですよ。せっかくそんなに綺麗な顔してるのに」

    その言葉を聞いた途端、霧野が狩屋の腕を強く掴んだ。

    「暴力ですか?荒々しいなぁ」

    「お前……っいい加減に、っ!?」

    しろ、と続けようとした霧野だったが狩屋が腕を強引に引っ張り、バランスを崩して床に倒れてしまった。

    「俺、雷門のサッカー部に入部したときから先輩のこと嫌いだったんですよ。たいして巧くもないくせに場を仕切ったりして」

    「……っ」

    淡々と言われ、霧野はただ狩屋を見つめることしかできなかった。

    「そういうの見てると壊したくなるんですよね」

    「壊す……だと?」

    ようやく声を出せた霧野を狩屋が上から見下ろす。

    「えぇ、そうです」

    倒れたままの霧野に狩屋が上から跨った。

    「な……っおい、狩屋!」

    「余計なことをしなければこうならなかったんですよ?」

    狩屋の瞳が鋭く光った。



    ----------------



    嫌い?違うな、多分。好きなんだきっと。
    それに気づいたと同時に報われないと悟った。

    どうせ叶わない恋なら、どうせ見向きもしてくれないなら。
    反抗的な態度をとれば少しくらい俺のことを考えてくれるかな、なんて。

    「……ばからしい」

    「え?狩屋、何か言った?」

    「……ううん、なんでもないよ」

    ほんと、ばからしい。
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