大人とDKの愛抱夢×ランガくん「あんまり身長、変わらないんだね」
「…ああ、そう…だね」
ちらりとこちらを見る赤い目に、同じく赤い目で応えてやる。
彼越しに雪色の髪が揺れ、優しいまなざしが僕…じゃなくて、もうひとりの僕に向けられていた。
「俺も、同い年の愛抱夢と滑りたいな…」
「…うん?」
白いシーツの海で、互いを求めて欲を泳いだ後、微睡みながら彼は言った。
何でもジョーとチェリーからかつての僕の話を聞いたらしく、高校生当時…つまりランガくんと同じ歳の時の僕と滑りたいと思ったと。
「あと、一緒に…ハンバーガーショップ…行って、どっちが沢山たべれ…か競争したり、あと…」
重たい瞼、ぱちぱちと瞬きをするたびに色素の薄いまつ毛が光を散らす。
それを美しいと思いながら、彼の頬を指の甲で撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
「…ふふ、眠たいね。また明日聞かせてくれるかい?」
「ん…」
こくりと小さく頷いて、睡魔に誘われるまま目を閉じる。すぐに聞こえ始めた寝息に、口元が緩んだ。
…そして朝、カーテンの隙間から差し込む朝日の眩しさと、なんだか異様な窮屈さに目を覚ます。
未だ微睡む意識の中、はっきりとしない視界にもう一度眠ろうと目を閉じる。…が、しかしあまりにもベッドが窮屈に感じるので、体勢が悪いのかと腕の中で眠る彼を抱き直すと、嫌がるように身を捩られ、さらに舌打ちをされた。
驚いて目を見開くと、眼下には何やら見慣れた青…はて、ランガくんの髪はここまで青が強い色だっただろうか。
「…!」
青の向こう側、淡い水色の髪が見える。
そこでやっと覚醒した意識、僕とランガくんの間に、誰かが寝ている。
「おい!おい!!」
「…っ、る、さ…」
「?…どうしたの、あだ…む」
ベッドから立ち上がり、カーテンを乱雑に開ける。
照らす光に眩しげにするランガくんと、太陽光から逃れようとより小さく体を丸めたその男は、図々しくも毛布を頭まで被り直した。
「すまないねランガくん…おい、キミ!」
毛布を剥がし、尚のこと陽から逃れる痴れ者を無理矢理揺さぶり起こす。
「…っるさ……今日は休みだろ…しつこいぞ忠…」
手を振り払い、尚も眠りにつこうとする男、僕と彼との問答ですっかり目が覚めてしまったランガくんは、何かに気がついたようで、待って!と声を上げた。
「もしかして…高校生の愛抱夢?」