Dear SWEET「これ、貰いものだけどさ」
ちょうど15時頃で休憩にコーヒーでも飲もうかと席を立った時、外から戻ってきた虎徹にそう言われて手渡された小袋を困った顔で受け取った。
「なんですか、これ」
「オジサン、甘いものが苦手でね。バニーちゃんにあげる」
「はぁ?」
「それ、おいしいらしいから」
それだけ言うとヒラヒラ手を振ってまた出て行ってしまった虎徹に呆れた視線を送り、かさりと紙袋を開けた。手にした時にひんやりすると思っていたのだが、中身を見てバーナビーは溜息をつく。
保冷剤が一個入った紙袋の中身はプリンだった。店の名前は聞いたことがない。小さな器にクリーム色のラッピングがされているプリンをどうしようかと思案に暮れる。
甘いものが全く駄目というわけではないが、得意でもない。せっかく虎徹がくれたものだから捨てるのも嫌だし。かといって2個あるプリンを一人で食べるのもなんとなく気が進まない。
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