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    okeano413

    @okeano413

    別カプは別時空

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    フィ賢♂ ずっといられたらいいのに

    ##フィ賢♂

    「ずっと一緒にいられたら、たぶん俺に飽きて捨てるでしょう?」
     フィガロの冗談めかした問いに、賢者はなんでもないように吐き捨て、書き連ねていた分厚い書を閉じた。『ずっときみといられたらいいな』。いつもの冗談だ。はあそうですね、そうならいいですねと、軽い言葉で返されるたぐいの。
     今日もそうして息抜きをさせようと、朝からなにやら機嫌を損ねたらしい彼にしつこく絡んでいったのはフィガロのほうだった。夢見でも悪かったのだろうか。皆にはお優しい賢者様が、自分にだけはわかりやすく拗ねたり、不機嫌を隠さずにいてくれるのが、フィガロのちょっとした自慢であった。
     だけど、こうも強く拒絶されるとは。意外な光景に、嵐の眠る瞳をぱちぱちと開いては閉じ、閉じては開きながら、立ち去ろうと急ぐ賢者の腕を取る。
    「もしかして、俺が君を見放す夢でも見た?」
    「……どうでしょうか」
    「隠さないでよ。現実にはならないって、俺の口から伝えなきゃでしょう」
     フィガロに対しての賢者は、諦めも早い。人の真似事をする男はその実、許しを与えずとも好きにやる。いじくられないだろうという信頼を寄せてはいても、彼の良いように変えられたかも、と疑う余地を持ちたくはなかった。
     結局のところ、賢者は自身のエゴでフィガロを良き男として見ていたいのだ。
    「あなたのずっと、は、俺にとっては永遠なんです」
    「うん。俺もそのつもりで言ってみたんだけど 」
    「俺のように平凡な人間、他に、目新しいものが見つかれば捨てられるに決まっているんです」
    「俺が誰を捨てるって? 本人もわからない答えを君が持っているなら、それこそ離れないでいないとな」
     腕を好きに持たせたままで吐露し終えた賢者は、ようやく腰を下ろした。魔法舎の共有スペースに置かれたふかふかのソファ。今夜は賢者とフィガロだけの、逢瀬に指定された布の上。隣に戻った青年を、離すまいと抱き寄せる。
    「君の永遠をもらいたいって、ロマンチックだと思ったんだけどな。ごめんね、お気に召さなかった?」
     神様のずっとは、人間には重すぎる。
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