k_kirou☆quiet followDOODLE六スマすけべ。FSG51新刊の世界が終わった世界の六スマ本(全年齢)の世界線。建物は崩壊して人類が殆どいない。 Age verification Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow k_kirouDOODLE六スマ恋ああ、これが恋だ。 彼と、六と話していて唐突にそんなことに気が付いた。 「何だ余所見して。面白いモンでもあったか?」 「いいや、何にも」 彼が笑った時に満足を覚える心があった。 僕は名前の通りいつも笑っていて、大概の他人はそれで笑ってくれるのだけど別に僕に思う所はない。単なる処世術で笑いかけているに過ぎない。 けれど彼には笑って、しまう。 案外この人は厳しくて、僕の只で貼り付けている顔には少しも色を返さないのに、ちゃんと笑うと彼も普通に笑う。 そんな顔をするんだ、と思った。 彼は眉間に皺を寄せた険しくてこわーい人なのだと見繕っていた。でもそれは僕の無表情が見抜かれていたに過ぎなかった。なんてことだ。 僕が笑うと彼も笑う。同じ顔をする。同じ顔をさせられる。 684 k_kirouPROGRESS再録リライト本に収録予定のスマユリ詰め(2008~20011→2023加筆修正)■テレビスターの喜劇 「あ、」 また、だ。 久しぶりの新曲を出してからというものDeuilはあちこちのメディアで大きく扱われている。雑誌やラジオは勿論のこと、テレビにも僕らの姿が映し出され、人々の口端に上る。 僕たちは気まぐれ故の不安定な活動ペースでいつもファンを待たせてきた。今回もしばらく息をひそめた末の発表だったから随分と注目されているようだ。 今もまた今日何度目になるか分からないCMが流れた。十五秒ほどの短い時間でMVから切り出したサビの演奏と共に音源の発売日とツアーが告知される。 「ユーリ、君がいるよ。格好いいね」 「毎日見ている癖に何を言う」 「現実の君と画面の中の君とは別だよ」 何度も見てきた。曲がどこから始まるかで三十秒尺とどちらが流れるかが分かる。そっちでは彼が長く映っていて、曲の世界観に合わせた過剰な装飾を纏いながら歌うユーリをよく見ることが出来る。その口から紡がれるしなやかで強い歌声は少しの時間で聞く者をたちまち魅了してしまう。 4736 k_kirouPROGRESS兵部×フェザー 学園編。 渡り鳥が空を行く。 柔らかな太陽の光とどこまでも続く水平線の眩しさに目を細めてフェザーは眼下に広がる甲板の様子に目を落とした。大人、子供、モモンガ。パンドラを構成する超能力者たちがめいめいに与えられた仕事や休暇を過ごす、騒がしくも穏やかな光景が広がっている。 ESPで実体を作る事に慣れてから、こんな風に晴れた日には操舵室の上がフェザーの定位置となっていた。ここからでもその気になれば彼女は船全体の様子を知ることが出来る。到底聞こえないはずの甲板上の会話も耳を澄ませばこの通り。 「えー、マジで! それ本当?」 「本当よぉ。あの人ったら……」 興味深い話題にフェザーの直感が働いた。考えるよりも先に身体が動く。 8669 k_kirouPROGRESS9月新刊予定、兵部×フェザー残留IF/冒頭 静かに彼女は目を覚ました。 カタストロフィ号最深部、ESP制御中枢を担う伊‐八号の脳が接続された機械室の暗がりを彼女自身が光源となって仄かに照らす。壁面と床を這うケーブル。最先端と旧世代の遺物が接続された機材。環境音のみが反響する空間。人生に類する長い時間を静かに守られてきたもの。 彼女は考える。 自分がここにいる理由。自分がここへ来た理由。そして、この世界に生まれて、生きている理由。それはたったひとつの願いのためだった。そのひとつは果たされた。それから――。 ――私、は……。 意識がはっきりとしない。姿形もどうなっているか、否、どうあるべきかが定まらない。果てしなく大きくなってしまったようで、限りなく小さくなってしまったようで、元の形など存在せず偽りだったことだけを知っている。多くのことを知っている。ひとりでは到底叶えられない願いを、祈りを、失ったものを得るために翼を広げてありったけを掴んで持ってきた。しかし今はもっと別のことを知っている。知らされている。知ることが出来る。 2000 k_kirouMOURNING没プロット薫←悠で兵+悠幸せについて、薫と話す悠理。 悠理の気持ちに気付きつつ、答えられないことを明確にしつつある薫。 「好きな人が幸せなことが幸せだよ」 「あたしも同じ気持ちだよ。だから悠理ちゃんも幸せになって欲しい」 「うん」 それだけで嬉しくて、今が十分幸せだと思える悠理。 * しかし薫は安心してくれない。 薫を納得させるために兵部に相談に行く悠理。 「どうして僕?」 「少佐と私、二人がかりのヒュプノなら薫ちゃんにも効果があると思うんです」 過去に一人でやろうとして失敗した。 その時の反省を踏まえ、兵部も巻き込んで薫が望むものを見せれば行けるのではないか。 気乗りしない兵部。しかし成り行きで悠理の希望通りやってみることに……。 薫が望むような、薫の想像しやすい悠理の幸せとは何か。 1493 k_kirouMOURNING最終巻の書下ろしカットネタの没プロット兵不二薫の結婚式。 招待され、今日ばかりは休戦ということにした兵部と不二子。 薫と皆本からそれぞれ二人で来てと言われ、不審に思いながら待ち合わせて来たら親戚…にあたる席次に二人の席が用意されていた。新郎新婦、いずれかの友人でも職場関係者でもなく。 結婚式の後。 兵部を抱きしめる不二子。 「弟を大事に思わない姉なんていないわ」 ずっとこうしたかった。今日は休戦なので。 兵部の犯した罪は許せない。それはバベルの蕾見不二子として。 けれど姉として、この子が誰も頼らずにどんなに頑張ってきたか知っている。間違ったことをしたとしても、それは、褒めてあげたい。 いつかと同じような状況で抱きしめられ、はっとする兵部。 まったく、こんなのはいつぶりだか。 872