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    31huji_tou

    @31huji_tou

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    龍嫁DR用 / 29000
    作家🌰くん、カフェの🍯さん 進捗5
    配達にきた

    「その、もしかして、いつもこうかな?」
    「………、」
     バッグの中には、サンドイッチの入っている箱がひとつと、タンブラーが二つ、並んでいる。店のカウンターで見たのはたしかに一つずつだったと思うのだが、光忠が見ていないうちに宗三が入れていたのだろう。なら、もしかしたらいつも二杯分入っているのかもしれないと大倶利伽羅を見て、光忠は肩を揺らした。
     どうやら違うらしい。大倶利伽羅も怪訝そうな顔をしている。
     と、なにかが震える音がした。電話だろうか。思わずスマホをしまっているポケットを探るが、自分のものじゃなかった。大倶利伽羅もゆっくりと顔を上げて、ついさっきまで立っていた障子のほうを見ている。それから、無言で立ち上がって行ってしまった。
     大倶利伽羅が障子を開けたところで、ぶぶぶ、と響く音が大きくなる。小さなメロディも鳴っていた。しばらくすればどちらの音も止んで、代わりに大倶利伽羅の声が聞こえてくる。
    「……もしもし、…あぁ。………、…………わかった。いや、ちょうどいい」
     会話の片方が耳に入ってしまうのに、光忠はそわりと視線を庭に戻した。聞き耳を立てているわけではないが、近いせいで聞かずにいるほうが難しい。それでもどうにか意識を逸らそうとしていたら、声が近くなった。
    「国永…? …知らん、切るぞ」
     思わず振り返った先、障子の隙間から足が見える。すぐに大倶利伽羅が出てきた。手に持ったスマホを操作しながら、その目が光忠を見る。
    「…宗三だ」
    「!」
     てっきり仕事か何かの電話だと思っていた。意外な名前に驚けば、大倶利伽羅の肩が竦められる。光忠の隣に戻り、溜め息の混じったような声で教えてくれた。
    「それはあんたの分らしい」
    「…僕の?」
    「……あまり休憩らしい休憩を取らない。だから、俺の昼食に付き合わせてほしい、と。そうなのか」
    「……え、っと。そう、なのかな、…?」
     置いていかれたような思考で首をかしげ、手元のバッグを見た。一つ多いミルクティは光忠のもので、それは宗三の用意で、大倶利伽羅のところで休憩を取れと、大倶利伽羅に電話が入って、
    「……………、」
     どうしよう、と思ってしまったのが伝わったのか、すこしの間を置いて大倶利伽羅が笑うように息を吐いた。ふ、と落ちた空気は丸くて柔らかい。そんなふうに笑うのを初めて見せられて、光忠のほうは息が止まってしまった。
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    31huji_tou

    MEMO壁打ちをちょっとととのえたやつ
     ・

    となりのカレー一人ぐらし大倶利伽羅くんが簡単なご飯済ませて休憩がてら本読んでたらめっちゃカレーの匂いしてきて思わず窓のほう眺めて目すがめて閉めるか…って立ち上がるんだけど、窓に近寄ったらスパイスのきいた香りがもっとしてくるのにぐううって眉寄せて、……この匂いでメシが食べれそうだな、て思ってしまってふと我に返っておかしくなるし、
    まあいいか、て窓は開けたまま過ごした翌朝、仕事行くのにマンションのエレベーター乗ったところで廊下の向こうのドアが開いて、顔を出した男があっ!て反応したのがわかったから溜め息吐いて開ボタン押して待つんだけど、よくよく見れば奥から二つ目のそれは自分の部屋の隣で、そうと気づいたら昨日のカレーの匂い思い出してしまって顔顰めてたらエレベーターに乗り込んできた長身の男が、すみません、待ってくれてありがとうございますって謝ってきたのに手を振って返し、べつに、って答える大倶利伽羅くん。でもうっかり頭の中がカレーの匂いでいっぱいだったので、「カレーが、」て口にしてしまうし「えっ」て驚いた男がじっとこっち見るのに面倒なことをしたかと大倶利伽羅くんが目逸らす直前に、「あっ、えっ、カレーのにおい、するかい??」って大きな声で続けた男がぱたぱた手であおぐようにするのに大倶利伽羅くんもちょっとびっくりするし、
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