兵士として生きる以上、怪我など常のこと、気にもしていられない。
顔と翼の傷は腹立たしいが、それだけだ。
そう認識しているスタースクリームだったが、今日は少々虫の居所が悪かった。
彼自慢の顔にヒビを入れられ、翼に穴を空けられて。
それだけでも腹が立つのに、基地に戻ると今度はボスに呼びつけられた。
皆が寝静まる頃、メガトロンの自室。
その仰せがただのお喋りではないことくらい分かる。
「チッ……メガトロン様、俺です」
静かにドアが開く。
その向こうに立ち上がるメガトロンの姿を認め、部屋に足を踏み入れると。
「っ…!?」
大股で近づいてきたメガトロンに腕を捕まれ、強引に引き寄せられた。
(なんなんだ…!)
舌を打ちたい気持ちを堪え、片手で顎を掴んでくるメガトロンを睨む。
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