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    sangatu_tt5

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    sangatu_tt5

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    鷹梟🤕🔮

    #傭占
    commissioner

    家の都合で結婚したナブとイだけど、子どもがあまりにもできないからとか、イをもっと別の人間に嫁がせたくなったとかで、イの親族がイを返せと言ってくる。
    ナブの家にまで来て、イを連れて帰ろうとする親族筋にナブが「そいつはオレの嫁だ! 帰れ!」ってイの肩抱きながら言う。
    イの親族たちは怒って、イに対して「二度と帰ってくるな!」と帰っていく。ナブが腕の中を見るとイが泣いていて、実は帰りたかったのかと思い、「すまん……帰りたかったか? それなら謝ってくるし、帰らせてもらえるように言ってくるが……」と慌てながら言う。
    ぐすっと鼻を啜ったイが「きみはわたしを一度も抱いてくれなかったし、笑いかけてもくれなかったから本当はいらないのかと思っていた。家族のもとに帰されると思っていたから嬉しいんだ」と言った。
    「いや、すまん……お前は若いから結婚なんていやだろうと思っていたし、嫁入りにまでなってしまったからまずは慣れてもらおうと思って……いや、言い訳だな……オレが緊張してたんだ……すまない」
    ナブが謝れば、イはナブの服をきゅうと掴んで、「ここにいてもいいかい?」という。
    「もちろん」
    「もっときみを知りたい」
    「たくさん話そう」
    「抱いてもくれるかい?」
    「……今日にでも」
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    kawauso_gtgt

    DOODLE探占続き。それぞれの価値観とは。それ故にか荘園には定期的にメンテナンス日が設けられる。
    イライはどうやら同世代の女性陣に捕まっているらしい。
    元来そういった性格なのか。小さなものではあれをとって欲しいだの何を探しているだの、大きな物なら代わりに試合に出てはくれまいかと。余程の事でなければイライは大抵の頼み事を請け負っていた。
    ノートンにはわからない感性だ。なんの見返りもなしに誰かに奉仕するだなんて理解ができない。正直にそう告げたとしても、きっとイライは困ったように笑うだけなのだろうが。
    今日はエマとトレイシーに捕まったようで庭の片隅にある花壇の手入れを手伝っているようだった。庭師である彼女が丹精込めて育てた花は色とりどりで、どれもが活力に満ちた鮮やかな色を纏っている。
    「……不細工な笑顔」
    窓の外。エマに腕を引かれながらイライは及び腰で彼女の跡をついていく。柔らかな日差しの中で色鮮やかな花々に囲まれるその姿はまるで一枚の絵画のようで。
    ノートンはそうした芸術には明るくないから分からないが。
    似たような絵画が館のどこかに飾ってあったのを見たことがあった気がした。
    ***
    コンコンと軽いノックの後、「ノートン、入るよ」と 1329

    kawauso_gtgt

    PROGRESSどこにも行けないセ探占ノートンの自室のベッドの上。腕の中の男は目に見えて身体を強張らせていた。手は出さない、と言ったのにな。ふうと小さく息を吐けばますます力の入った後ろ姿になんとも言えない気持ちになった。困らせている、と言う自覚はある。けれどそういう方法以外で穏やかな眠りを提供する方法など、ノートンには皆目見当もつかなかった。
    「どう、眠れそう」
    「……さあ、どうかな」
    ぐるりと腹部にかけて回された腕の中でイライが呟く。生憎背中を向けられているせいで彼が今どんな表情を浮かべているのかは窺い知ることは出来ない。
    「君って、酷い男だ」
    酷い。だなんて、どの口が言うのだろうか。
    「知らなかったの? 君が手を伸ばしたのはそういう男だよ」
    トランプでいうところのジョーカーを引き当ててしまったこの男には同情の念しか思い浮かばない。自分で言うようなことではないが、きっとこの人は最も引くべきでないカードを引き当ててしまった。しかも、普通の人であれば捨ててしまうようなそれを、お人好しを極めた男は後生大事にしてしまっている。
    「言ったでしょう、誰もがみんな、善人じゃないって」
    お人好しな貴方はとっくに忘れてしまったかもしれない 1341