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    ニトー

    @HikNit_16_

    灰禾にとう(ハイカニトー)
    シリアス厨ド腐れ字書き
    性癖と欲望に忠実🤗
    🔞高校生含む18歳⬇の閲覧( ˙꒳​˙✖️)
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    ニトー

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    リクエスト③「リクエストを受け付けていらっしゃるとのことで、恐縮ですがもしよろしければ羂索さんを是非お願いしたいです…!日常的な会話や暗躍中の一コマ等々のシチュエーションですとたいへん喜びます&助かります…!」の方。リクエストありがとうございました。

    #夏虎
    xiaHu

    形なき骸、心なき獣 小銭を入れて何を飲もうか迷う間に、後ろから伸びてきた手が勝手にココアを押した。あっという間だった。何を言う前に自販機からガコンとホットココアが吐き出される。非難めいてジロリと睨めばココアを取り出し口から拾い上げた羂索が「好きだっただろう」ほら、とプルタグを開けた。
    「いつの話してんだよ」
    「まだ君がもう少し小さくて、泣きべそをかいていた頃かな」
    「もう俺、中学生なんだけど」
    「人の子は成長が早いね。図体だけ大きくなっても、中身は子供のままじゃないか」
    「取り替えてよ、これ」
    「お子様にはそれで十分だろう」
     深夜帯とあって公園のベンチは人っ子ひとりいない。仕方なくホットココアを片手に座れば、さも当然のように羂索も隣に座った。袈裟を翻して脚を組み「一口くれる?」ニコニコと唇を撓めて笑う。
    「飲みてえなら自分で買えば」
    「生意気になったものだね。君ひとりで大きくなったとでも思ってるのかな」
    「頼んでねえよ。俺の両親が死んだのも、じいちゃんが死んだのも、どうせお前のせいだろ」
    「さあね、そう思うならそれでいいさ。でも育ててあげたのは私の慈悲だよ」
    「恩着せがましいって言うんじゃねえの、そういうの」
    「おや、外見ばかりじゃなく学も身についたんだね、嬉しいよ。いつまでもおねしょしてピーピー泣かれていたんじゃ、どうしたものかと思ったけど」
    「だから、いつの話をしてんだって」
     抗議の声を途中に、ココアが横から掻っ攫われた。何を言う前にぐびぐびと喉を鳴らして熱々だろうココアを飲み流す。甘いな、こんなものが好きだなんて、どうかしてるよ。そんな風に呟きながら半分に減ったココアが手元に返された。文句を言うくらいなら飲まなきゃいいじゃん、なんて言葉を返せば「どんなものかと思ってね」悪びれた風でもない。
     羂索の足元から呻き声が漏れた。ついさっき、数分前に襲い掛かってきた呪術師のひとりである。正当防衛だと思って返り討ちにしたのは虎杖だが、生温いよねとそう言って足元の一人以外を呪霊に食わせたのは羂索だ。
    「そこまでする必要あんの」
    「あるさ、一人は口をきける程度に生かしてやって返さないと。手足はいらないから捥いだけれど、歯と舌があれば伝達には事足りる」
    「だからさ、可哀想じゃん」
    「可愛い我が子の我儘を聞いてあげたいのは山々だけどね、こればかりはこちらにもルールがあるんだ。ここで無傷で返せば倍になって戻ってくることは容易に想像できるだろう」
    「ふうん?」
    「君に宿儺の指を与えたのは彼らだけれど、どうして与えておいて奪うのかと思わなかったかい」
    「なんで」
    「だからさ、君のご両親をどうにかしたのは私かもしれないけれど、その後、君をどうにかするためにおじいさんを手にかけたのは、もしかしたら呪術師の方かもしれないよってこと」
    「そうなん?」
    「さあね、君が信じたい方でいいよ」
     帰されたココアを呷った。さっき買ったばかりなのに寒さでもうぬるくなっている。ドロドロ底に溜まったココアの甘ったるい濁りを喉に流し込んで「約束してよ」缶を放り投げた。自販機の真横にあるゴミ箱にスコンと空き缶が入る。
    「約束?」
    「俺がその、両面宿儺の指を全部食ったら、その体、返すって」
    「ああ、そんな話もあったかな。あの双子に何か言われたの」
    「よく知らんけど、それ、死んだ人の体なんだろ。よくねえだろ」
    「聖人君主にでもなったつもりかい。今更、ご尤もな方便を垂れるじゃないか」
    「じゃあ縛りでもいいよ」
    「そう簡単に口にするものじゃないって教えたばかりだろう」
    「じゃあ、もっかい教えて。やり方も実地で」
    「懲りないなあ、本当にいつまでも成長しないよね」
     仕方ないねとそう言って羂索が脚をどけた。瀕死だった呪術師が地面から現れた呪霊にバクリと飲み込まれる。生かすんじゃなかったの。公園を出て行く羂索の背に問えば「気が変わったんだ」わざとのように額の縫い目から歯を覗かせて振り返る。
    「ついておいで、仕方ないから縛りってやつを結ぼうか」
    「いいの、俺、それよく知らんけど」
    「その代わりきっちり働いてもらうよ。指を食べるだけじゃ、割に合わない」
    「何したらいい?」
    「教えてあげよう、本当の愛ってやつを」
    「なにそれ、よくわからん」
    「ふふ、そうだろうね、私もどんなものだったか、もうすっかり忘れたよ」
     だから一緒に探してくれるかいと羂索が言った。
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    ニトー

    DONE未練タラタラ元彼夏油の話。味噌さんと交換会しよ♡っていって生まれました。漫画「やさしいミルク」のセリフに影響受けてます。続いたらどっかに収録します。
    2番までは知らない 面倒くさいことになったなと思った。嘘や隠し事がうまい方ではないから、きっとこう思っていることが顔に出てしまっているかもしれない。とは言え本音も建前もクソもなく、最高に厄介だと思っているから、そう思っていることが相手に伝わろうが構わないとも思った。
     元凶こと夏油傑は、そんな虎杖の様子を実に楽しげな様子で伺っている。虎杖の反応もこの状況も何もかもが想定内とでも言わんばかりだ。ぷかりと煙草を吹かして脚を組み替え、なんとも優雅な所作でもって夏油は「君の担当になったんだ」そう言った。嘘であってくれと願わずにはいられない。

     虎杖は呪術師だ。両面宿儺という特級呪物を抱えた特大の爆弾でもある。もちろんこうなるまでには紆余曲折があり、数多の大変なことと上層部の腐ったミカン共との闘いもそれなりにあった。障壁全てをどうにかこうにか乗り越えられたのは偏に五条や呪術高専のみんなのお陰である。宿儺の指を半数以上取り込んで尚、地下の怪しげな部屋に幽閉されることなく術師としてやっていけるのも、そういう色々を乗り越えた故だった。
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    ニトー

    DONEリクエスト➀「ド田舎村の土地神様ゆじくんに一目惚れした都会っ子の夏さん(ショタのすがた)が、必死に猛アタックし続けて、数十年かけてようやく神嫁(攻)にしてもらえる…」の方。リクエストありがとうございました。
    さらって、白昼夢 片田舎の山奥にある社はとうに朽ち果て、崩れたしめ縄と綻び続ける鳥居とで辛うじてそこが嘗ての神域であったことが察せられる。鬱蒼と生い茂る森に管理者はおらず、年老いた地主は古くからの言い伝えと村の掟とを律儀に守り、不用意に足を踏み入れる事もなかった。
     あの奥におわすは神なんぞ崇高なものではない。古くからある呪物は強固な封印をついぞ破って瘴気を撒き散らし、周辺一帯を呪霊の溜まり場にしてしまった。村人が幾人も被害にあい始めた頃、当時の長はこの呪物を祀りたて、仮の名を神とし、社を建てて事の終息を図ったのである。
     人身供養とは名ばかりの贄は両親のいない子供であった。村の為にと銘打って子供を仮小屋へ押し込め、瘴気溢れる社のその中で呪物と共に一夜を過ごさせた。子供は空腹に耐え兼ねて呪物を飲み込み、そうしてそのまま、その身は呪いの檻として社に根付いた。ひとはそれを神として崇めることで幼子への罪悪感の払拭とし、おぞましい存在による人死にがこれ以上でないことを願ったのだった。
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    MEMOこんなかんじで始まる五悠+夏虎のオメガバを書きたい
    ビッチング、素敵です
    ありがとう
    「秘匿死刑は決定事項だ」
    「だからそれを取り消せっていってんですよ」
    「宿儺の指が受肉した人間などもう人ではない」
    「さっさと祓ってしまうのが得策だ」
    「チッ、ったく……」
     五条の表情がどんどんと険しくなっていき、目に宿る光が昏くなっていく。
     マズいなと夏油は思った。
     このまま話していけば結果は目に見えている。
     なんとかこの場を収める手立てはないものだろうか。
    (せめて、猶予だけでも……ならば……)
    「反対にお聞きしたい。あそこまで制御出来ている人間を何故消そうとするのかを」
    「そんなもの決まっている。いつ暴走するかわからないではないか」
    「私たち二人が制御出来ていると言っているのに?」
     夏油の言葉に相手が言葉を詰まらせる。
    「私たちは別に死刑自体を反対しているわけでないのですよ」
    「傑っ」
     シッと夏油は五条に目配せを送り黙らせる。
    「ただ、勿体ないと言ってるだけですよ。アレだけの器はそうは生まれない」
    「何が言いたいのだ」
     クスッと嗤う。
    「全部、集めて食べさせてから祓った方が得策だと言ってるんですよ」
    「そ、それは……妙案だが……しかし」
    「私たちが、特級の二人がしっ 840

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    DONEリクエスト➀「ド田舎村の土地神様ゆじくんに一目惚れした都会っ子の夏さん(ショタのすがた)が、必死に猛アタックし続けて、数十年かけてようやく神嫁(攻)にしてもらえる…」の方。リクエストありがとうございました。
    さらって、白昼夢 片田舎の山奥にある社はとうに朽ち果て、崩れたしめ縄と綻び続ける鳥居とで辛うじてそこが嘗ての神域であったことが察せられる。鬱蒼と生い茂る森に管理者はおらず、年老いた地主は古くからの言い伝えと村の掟とを律儀に守り、不用意に足を踏み入れる事もなかった。
     あの奥におわすは神なんぞ崇高なものではない。古くからある呪物は強固な封印をついぞ破って瘴気を撒き散らし、周辺一帯を呪霊の溜まり場にしてしまった。村人が幾人も被害にあい始めた頃、当時の長はこの呪物を祀りたて、仮の名を神とし、社を建てて事の終息を図ったのである。
     人身供養とは名ばかりの贄は両親のいない子供であった。村の為にと銘打って子供を仮小屋へ押し込め、瘴気溢れる社のその中で呪物と共に一夜を過ごさせた。子供は空腹に耐え兼ねて呪物を飲み込み、そうしてそのまま、その身は呪いの檻として社に根付いた。ひとはそれを神として崇めることで幼子への罪悪感の払拭とし、おぞましい存在による人死にがこれ以上でないことを願ったのだった。
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