再会《高校2年の春、スティーブが突然編入してくる。数年前に家の事情でブルックリンを離れ、遠くの街で静かに暮らしていたが、母の転勤をきっかけに、彼は再び生まれ育ったブルックリンの地に戻る。
転校先は、かつての親友バッキー・バーンズが通う高校だった――》
─── ただいま ───
ニューヨークの空は、少し曇っていた。
でもスティーブ・ロジャースの胸は、確かに晴れ晴れとしていた。
数年ぶりに戻ってきた故郷。
そして、今日から通うことになるマーベルアカデミー。
懐かしい町の通学路を歩きながら、彼は何度も深呼吸をした。
ここには再会するはずの人がいる。ずっと心に残っていた人。
――ジェームズ・ブキャナン・バーンズ。
校門をくぐって、まだ少しだけ頼りない足取りで廊下を歩いていた時のことだった。
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