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    ケイト

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    ケイト

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    小さい子どもの扱いに慣れてる七と尻にしかれる五のお話
    思いつきと勢いで書きました。

    #五七
    Gonana

    オトナの特権「うわ、悠仁マジで赤ちゃんになってるじゃーん!」
    ピンク色の髪をした赤ちゃんが七海に抱かれていた。
    「硝子には見せたの?」
    「それが今ほかの術師の治療中のようで。かなりの大怪我で、しばらく手が空かないそうです。」
    目の前でくるくる指を動かすと赤ちゃん悠仁はくりくりの目で追いかけて、指を掴もうと腕を伸ばしてくる。あと少しで捕まるというところで小さな手からすり抜けると、大きな目がうるうるし始めた。
    「赤ちゃん相手になにしてるんですか。」
    七海はぐずりはじめてしまった悠仁を宥めながら横抱きにしていたのを縦抱きに抱えなおすと、背中をトントンたたきながら左右にゆっくり体ごと揺らしている。
    「よしよし、泣かないで。五条さんが大人気ないからムカついちゃったんですよね。よくわかります。虎杖くんは悪くないんですよ。」
    「ねえそれ悠仁じゃなくて僕に言ってない?」
    「自意識過剰なのでは?」

    様子が落ち着いたところで、七海は悠仁をソファの上に寝かせると隣に腰を下ろした。
    「寝そう?」
    「ええ。」
    そういうと七海は悠仁の眉間を指ですーっとなでる。するとあっという間に悠仁は眠ってしまった。
    「なに今の。呪術?」
    「そんなわけないでしょう。赤ちゃんの眠りのツボなんです。」
    「ふーん。」

    しばらくして硝子の診察を受けた悠仁は、彼女の見たて通り数時間で元に戻った。

    その夜ーー
    「なーなみっ!僕のこと寝かしつけて♡」
    「遠慮します。」
    「なんで!」
    「あなたものすごく寝付きいいでしょうが。」
    「そうだけど!でもそれとこれとは別なの。悠仁がうらやましかったんだもん!僕もあかちゃんになるんだもん!」
    ベッドで仰向けになってそわそわ待っていると、はあとため息をつきながらも七海は隣に来てくれた。

    長い指が眉間から鼻筋にかけてのラインを触れるか触れないかの軽さで優しく撫で下ろしていく。くすぐったいのと気持ちいのの中間みたいな感覚に晒され続けるうちにどうしようもなくキスがしたくなってしまった。顔の横を行き来する手首を掴んで顔を近づけたら空いている手で突っぱねられた。
    「あかちゃんとはキスしません」
    「あかちゃんやめました!」
    「判断力のある人は好きですよ。そうしてくださると助かります。」
    わたし大人のあなたにキスされるの好きなので、といって触れるだけのキスが与えられる。それだけで満足できるはずもなく、逃げられないように後頭部を捕まえてから、口の中を舐めて舌に吸いついて2人分の唾液を飲み込む音を楽しんで、もうやめろと肩を小突かれるまで大人のキスをした。
    「ぷはっ、あなた加減というもの知らないんですか。」
    「知らなーい!大人のキスは知ってるんだからいいじゃん。ねえ、ほかには!?ほかに何されるのが好き?なんでもやったげる!」

    「ハグがいいです。」
    向かい合わせになって七海を膝の上に乗せて抱っこする。
    ぎゅっと両腕が首に巻きついてくる。肩に感じる完全に力が抜かれた腕の重みが愛おしい。誰にも隙を見せない七海が唯一こうして寄りかかる相手は自分だけなのだ。七海にとっての僕がそうであるように僕にとっての七海もそうであることを彼は知っているだろうか。どれだけ七海のことが大切で愛しているか本人に知ってほしいと思う一方で、心の中にうずまく呪いとも呼べるような独占欲は知られたくないとも思ってしまう。
    「ご希望のハグはいかがですか。」
    「いい感じです。」
    「それはよかった。」
    鍛えられた筋肉で覆われる背中を撫でさする。薄いTシャツ越しに感じる体温が心地よい。七海は僕の首元に顔を埋めてすんすん匂いをかいでいる。
    「あんまり嗅がないで。恥ずかしいから。」
    「いやです。あなたの匂い安心するんです。」
    そういって懐いてくるからこれ以上の触れ合いを期待したくなる。
    「他には?もうないの?」
    「では添い寝をお願いします。」
    「え〜!いまの流れで寝るつもり!?」
    「あなたが何を期待しているかは分かってるつもりですけど、わたしあした朝早いんです。」
    「そんなあ…恋人をここまでその気にさせておいてこの仕打ち、焦らしプレイかよぉ…。」
    ちょっと、いやかなり期待していたけど、恋人に腰を庇いながら呪霊を払わせるような男にはなりたくない。代わりに腕の中の身体をぎゅうぎゅう抱きしめる。
    「五条さん、わたし明日は午後からオフなんです。」
    「……!」
    「大人なら焦らしプレイも楽しめますよね?」
    基本的に夜薄暗く部屋でしかさせてくれない七海が!昼間にするお誘いを!!
    「うん!俄然燃えてきた!明日が楽しみだね♡悟がんばっちゃう!あれ、ななみ?え?寝た?うそ?」
    すうすう寝息をたてはじめた七海を寝かせる。悪戯心から鼻筋を指で撫でたらんん、とくすぐったそうにするのを眺めて癒されたところで、明日の午後以降を何がなんでもオフにするために目隠しを手に取り家を出た。
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    Replies from the creator

    ケイト

    DONE同名の曲の雰囲気が自分の思う五七すぎて書きなぐったまとまりのない完全に自己満足の短文です。
    五七は静かな激情を湛えているふたりだなと感じていて。ふたりとも大人で聡明な人物だから自分たちの状況も行く末も見えていて、その上でお互いを慈しみながら今を過ごしていたのかなって思って。でもそうやって悔いのないように過ごしてきたつもりでもやっぱりそのときが来ると苦しいだろうなあ。
    五七に狂わされる毎日です。
    三文小説海風が気持ちいい。隣を見ると以前より少しくすんだ金髪の男が、風で乱れた前髪を整えている。
    「あ〜優秀な後進をたくさん育てておいてよかったなあ。優秀な元生徒たちのおかげで心置きなく毎日ダラダラできるってもんだよ。きっと最強じゃなくなった僕のことなんかみんな忘れちゃってるね。」
    「あなたもおじさんになりましたもんね。」
    虎杖くんたちに会っても気づいてもらえないかもしれませんね、と七海が笑っている。
    「ひどーい!そんなことないでしょ!だって髪の色は生まれたときからずっと白で変わんないでしょ?イケメンなのもずっとだし?年とっても一発でGLGな五条悟だって分かるでしょ!」
    「そうでしたね。あなたはいつまでたっても子どもですもんね。きっと気づいてもらえますよ。」
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