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    ケイト

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    ケイト

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    支部にあげている同じ題名のお話を自分用ネップリのために少し修正したものです。
    大筋に変更ないし細かいところを修正しただけですがもったいない精神でポイしちゃいます。

    #五七
    Gonana

    Live with me七海が眠ったまま目を覚さなくなって3日たった。他の術師を庇って受けた術式の影響によるものだ。ただ眠っているだけで時間が経てば目を覚ますから心配するなと硝子は言っていた。それでも僕はどんなに忙しくても自宅に戻って眠っている七海の顔を眺めている。六眼を通すと七海の綺麗に整った呪力の流れを邪魔するようにまとわりつく呪霊の呪力量が日に日に減っていくのが見える。だから昨日と比べてどのくらい減ったのかをこの目で確認したくてこの3日間、一瞬顔を見たら次の任務に向かわなくてはいけなくても自宅に帰っていた。
    無防備に眠り続ける七海を自宅以外の場所に置いておくという選択肢はなかった。それが七海の自宅であってもだ。自分のテリトリーに置いて起きたかったし、目覚めた七海が最初に見る顔は自分でなければ嫌だった。

    そういうわけで今日も任務の合間を縫って自宅に戻ってきた。七海にまとわりついていた忌々しい呪力はもうほとんど消えていているからいつ目を覚ましてもおかしくない。自分がよそ見している間に七海が目を覚ましてしまったら目も当てられない。椅子を持ってくる暇も惜しかったので、床に胡座をかいて座った。目隠しを外し、ベッドの上に肘をついて七海の顔を眺める。こんこんと眠る七海のゆったりとした呼吸の音を聞いていたら睡魔が襲ってくるのを感じて、ここ数日ちゃんとした睡眠を取れていないことを思い出す。そもそもベッドは七海に貸しているわけだし。ねむい、と自覚したら途端に強い眠気が襲ってきて、自然と瞼が閉じていくのに抗えなかった。

    目を覚ますと七海が僕の頭を撫でていた。マジか。やってしまった。七海が起きたら嫌ってほどおはようのチューしてほったらかしにされた分だけ全力でからかってやろうと思ってたのに。

    「起してしまいましたね、すみません。」
    「だいじょうぶ、もともと寝るつもりなかったし。」
    七海がいつも通りすぎて拍子抜けした。けどそれもそうか、こいつにとっては寝て起きただけだもんな。
    「久しぶりだねななみ。」
    会いたかった!と七海の腰に抱きついたら苦しいです離してください、ときっぱり拒否された。わあ、本物の七海だ!

    「任務がどうなったかご存知ですか。私が受けた術式は呪霊が祓われる際の断末魔のように繰り出されたものだったので大丈夫だとは思いますが……。」
    「恋人のハグを拒否ったうえで最初に聞くことがそれ!?おいおい七海ぃそれはないわぁ。3日間放置した恋人に対してその仕打ちはないわぁ。」
    「その様子だとなにも問題ないようですね。」
    七海は僕の目元をなぞりながらご心配おかけしました、と目を伏せた。
    「あなたのことだから様子を見るために無理して帰ってきていたんでしょう。隈がひどいですよ。わたしは嫌というほど休みましたから次はあなたの番です。」
    七海に引き上げてもらって僕は3日ぶりに自分のベッドに入った。

    **

    拒否されないのを良いことに、もう長いことヘッドボードに背を預けて座る七海の腰に抱きついたままでいる。おなかに顔を埋めて七海の匂いを思いっきり吸い込んでも何も言われない。休めといった手前許してくれているのかもしれない。

    「七海はさあ、これからは全部の任務ひとりで行ってよ。」
    「サポートが必要な任務にもひとりで行って死ねと?」
    「死ぬとか死んでも言わないで。僕が言いたいことわかるだろ。」
    「わかりません。」
    言ってから七海はふふっと笑った。
    「絶対わかってるだろおまえ。」
    「検討もつきませんね。」
    「……七海は僕より先に死ぬでしょ。」
    「死ぬとか言うなと最初に言ったのはあなたですが、そうですね。私が先に死ぬでしょう。」
    それならさあ、と言いながら七海のおなかに埋めていた顔をあげる。
    「僕のために死んでよ。」
    「それはできません。」
    「即答かよ。少しくらい悩んでくれてもいいじゃん。」
    「即答ですよ。私があなたのために死ぬ必要がないくらいにあなたは強い。」
    「他の術師を庇って死ぬとか許さないから。マジで。そんなことしたら僕がそいつ殺すから。七海が命がけで助けても意味ないからね。」
    「不謹慎にも程がありますよ。」
    言葉とは裏腹に七海の声は甘く優しいものだった。思わず顔を上げると嬉しそうに目を細めて笑う七海がいた。
    「なに、喜んでんの。七海も不謹慎じゃん。」
    「わたしは随分と五条さんに好かれているのだなと改めて思いまして。」
    「は?当たり前じゃん。疑ってたわけ?」
    「疑ってなんかいません。『改めて』思った、と言ったでしょう。」
    ふーん、とわかりやすく機嫌の良いことを隠さない返事をしてしまった。七海の太ももを枕にして滅多にお目にかかれない恋人の嬉しそうな顔を見上げる。

    「僕はどうなの。僕は七海に好かれてるの。」
    「好かれてますよ。」
    七海も機嫌が良いらしい。すぐに素直な返事が返ってきた。今なら答えてくれるかもしれないと続けて問いかける。
    「どれくらい?」
    「できるものなら最強でいることを代わってあげたいくらいですかね。」
    言ってから七海は手のひらで僕の両目をそっと覆った。悲しくなんてないのに泣きそうになった。
    「……なにそれ。」
    それだけ返すのにも声が震えそうなのを必死に隠さなくてはいけないほどだった。目の奥が熱い。

    「そうなったらあなたは私のために死んでくれますか?」
    僕は最強を最強たらしめる目を覆う手を掴んだ。口元まで持ってきて手のひらにくちびるを押し当てる。小さな音すらしない、僕にしてはささやかすぎる口づけだと我ながら思った。くちびるを離してから指を絡ませてその手を握る。エメラルドの瞳に視線を合わせる。
    「うん、死ぬよ。七海のために死んであげる。」

    本気だった。心からそう思った。
    でも決して現実にならないことは僕も七海もわかっている。こんなのは夢物語に過ぎない。これから先七海は何度でも僕以外の誰かを庇って戦うだろう。自分より弱い者のために、自分で自分を守れない者のために戦うだろう。そしていつか僕以外の誰かを守って死ぬのだ。でも、そうだとしても、七海は最強を代わってやりたいくらい僕のことが好きなのだ。こんな幸せなことが他にあるだろうか。そうか、僕はいま幸せすぎて泣きそうなのか。
    まあでも、あり得ないとわかっていてもいいなあと思わずにはいられない。七海のために死ねるだなんて最高だなって。僕も七海も最強じゃないパターンもアリかもしれないなあ。そしたら七海は僕を守って死んでくれるかな。

    甘い夢が五条の頭に次々と浮かんでは消えていった。消えてしまったものは戻らない。夢が現実になることもない。
    最強なのは僕で、七海が僕のために死んでくれることはない。それならせめて、

    「僕と生きてよ。」
    握った手は離さずに反対の手を伸ばして七海の頬に触れた。
    「そういうことならよろこんで」
    そう言った七海はさっきよりもっともっと嬉しそうな顔をしていて、頬を包み込む僕の手を取るとその手のひらにくちびるを押し当てた。
    その柔らかさも体温も紛れもなく現実だった。
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    ケイト

    DONE同名の曲の雰囲気が自分の思う五七すぎて書きなぐったまとまりのない完全に自己満足の短文です。
    五七は静かな激情を湛えているふたりだなと感じていて。ふたりとも大人で聡明な人物だから自分たちの状況も行く末も見えていて、その上でお互いを慈しみながら今を過ごしていたのかなって思って。でもそうやって悔いのないように過ごしてきたつもりでもやっぱりそのときが来ると苦しいだろうなあ。
    五七に狂わされる毎日です。
    三文小説海風が気持ちいい。隣を見ると以前より少しくすんだ金髪の男が、風で乱れた前髪を整えている。
    「あ〜優秀な後進をたくさん育てておいてよかったなあ。優秀な元生徒たちのおかげで心置きなく毎日ダラダラできるってもんだよ。きっと最強じゃなくなった僕のことなんかみんな忘れちゃってるね。」
    「あなたもおじさんになりましたもんね。」
    虎杖くんたちに会っても気づいてもらえないかもしれませんね、と七海が笑っている。
    「ひどーい!そんなことないでしょ!だって髪の色は生まれたときからずっと白で変わんないでしょ?イケメンなのもずっとだし?年とっても一発でGLGな五条悟だって分かるでしょ!」
    「そうでしたね。あなたはいつまでたっても子どもですもんね。きっと気づいてもらえますよ。」
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    MOURNING一ヶ月くらい前から書きかけて難航している五七。

    体調不良ネタ大好きなんだけどわたしの中の7ミンほんっと甘えてくれなくてぜんぜん進まないの……このままお蔵入りになってしまいそうなのでここに墓を建てておく。
    スマートフォンの向こうから耳に届いた声に、五条悟は眉を顰めた。

     デジタル化されていても耳に馴染む、一聴すると普段通りの抑揚の薄い声。だが他でもない五条がその変調に気がつかないわけがない。

    「ねえ、七海」

     電話の向こうで話す相手の言葉を遮って名を呼ぶ。思っていた以上に強い語気になってしまったことに、五条は自分でもやや驚きつつ言葉を続けた。

    「いまどこ」

     それまでの会話を完全に一蹴した質問に、電話の相手――七海建人が当惑する空気が伝わってくる。常ならば話を聴いていないことに対してひと言二言の諫言をするはずの七海が何も言わないのは、おそらく五条の声に孕まれる不穏な気配のせいだろう。
     普段の言動から自由奔放、傍若無人に振舞っている印象の強い五条だが、その実は無闇に負の感情を撒き散らすことはない。とりわけ七海と接するときの五条は、他の誰と対するよりも自然体且つ温和であることが多かった。

    「……帰るところですが」

     なにか不興を買うことをした自覚があるならまだしも、理由に心当たりのない七海は五条の不機嫌――とも違うかもしれないが――に、わずかながら動揺する。
     注意深く言葉を 2969

    blackberryO7I5

    DONE五条の匂いをかいで「五条さん、良い匂い……」って言いながら、しゅきしゅきぺろぺろしちゃう七海の五七を書こうと思っていたのに気がついたらまったく別の話になっていました……
    どうしてなの教えておじいさん
     とさ、と不意に肩にかかった重みに五条は首を巡らせた。

    「七海?」

     問いかけに返ってきたのは規則的な呼吸音。

     七海のやわらかな髪が五条の首筋をくすぐる。ふだんと違い起き抜けに軽く櫛を通しただけの髪が閉じた目蓋にかかる七海は、どこかあどけなさを感じさせた。
     ほぼ一方的に話していた五条に時おり相槌を返していた七海だが、どうやら眠ってしまったらしかった。七海はいつも五条の話を適当に受け流しているようできちんと聴いてくれる。こうして途中で意識を落とすのはだから、滅多にないことだ。

     ……まあ、きょうは仕方ない。

     七海の体力を削ったのは五条自身なのだから。
     つい数時間前の七海の姿を思いだして五条の口許が緩む。ふたり揃ってとれた休みに浮かれて先に羽目を外してしまったのは五条だが、七海も乗り気で。いつになく盛り上がったベッドのなかの七海はとにかく官能的であった。

     全身から色香を立ちのぼらせる恋人に五条は煽りに煽られ、欲望の赴くままにその肌を堪能した。──結果、いまは服の下に隠れている七海の身体は、当面だれかの前に晒すことができない有様だ。

     連勤明けのほぼ夜を徹した情交は、 5810