本気⑥五条の部屋
傑に捕まり、箱根での出来事を問う詰められた。
全て話すと、傑は親指で眉間を押さえ、深いため息を付くばかり。
「はぁ〜〜。悟。君がそんな奴だとは、思っていたが…後輩にまで手を出すだなんて…」
「はあ?そんな奴ってなんだよ」
「しかも、好きになったとか訳がわからない。急に襲って来た奴に、これたま急に好きだと言われて信じられるわけはないだろう。悠仁も怖かっただろうに」
「・・・」
何も言い返せない。
何度もため息を吐かれ、イライラが募っていくが、それと同時に焦りも募る。
悠仁には、嫌われたかもしれない。
枕に顔を埋めれば、気持ちも共に深く沈む感じがした。
「おや。落ち込んでいるのか?これは珍しいものを見たな」
椅子に座っている傑は、項垂れる俺をクスクスと笑ってくる。
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