空に誓い3 狼族、五条悟の朝は早い。早すぎるほど早い。
日照時間により変動はあるらしいが、まだ寒さの残る冬の終わりに六時前に起きるのだから、これから春夏と季節が進むと、もっと早起きになるのかもしれない。はじめの頃は悟と一緒に起きようとしていた乙骨憂太も、今は目覚ましが鳴るまでベッドの中で眠るようになった。
そうさせてくれたのは、悟だ。
無理に起きようとすると、ベッドの中で抱きしめられ、もう一度眠るまでずっと頭を撫でられる。そんな風に甘やかされるから、もう無理するのもやめた。
獣族は愛情を求めるなんていうが、どう考えても自分の方が愛情を注がれていると思う。
そんなことを考えながら布団の中で微睡んでいると、ほんの僅かに冷たい風が布団の中に入ってきた。そしてすぐに、温かくて大きな腕に抱きしめられる。
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