心地よい空気が肌を撫でて流れていく。
澄み渡る風と鳥達が翔け抜けていく。
あちこちから特有の光が交わり調和する。
ヂュリ助はここ、風の街道が好きだった。
ここはあちこちの地方に繋がっていて利便性も良いし、光が満ちているから星の子にとって快適だ。さらに水場も草地も住居の痕跡もあるから寛ぎやすいのも大きい。
なにより吹き抜ける風が作る環状の道が好きだった。
風に乗っているだけで火種が湧き出てくるし、多少無理な姿勢でも風の補正で遊びながら飛べるし、鳥やマンタも楽しむように飛んでいく。
アクティブな出来事が大好きなヂュリ助にとって、風の街道は花鳥郷の次に便利で好む場所としてよく飛び回っていた。
しかし、各地方のエリアが交わるここは、ヂュリ助の視点から言うと『面白くて時々危ない』場所でもある。
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