イソップさんがいっぱい🔮「イソップくん何やってるのww」
⚰️「ビクターさんを監視してます。荘園バグでこの間試合に出てたメンバーの気持ちを具現化する現象が起きてしまって……見てくださいあれ」
🔮「わぉ、小さなイソップがビクターくんに群がってるね……」
⚰️「そうなんですよ。アレじゃ僕がビクターさんのこと好きなのバレるじゃないですか!?」
🔮「イソップくんあんなに分かりやすいのに気づかれてないと……あーでもビクターくんも割と鈍感なタイプだからなぁ」
ミニ⚰️「ビクターしゃん!ビクターしゃん!きれいなおはなあげます!」
ミニ⚰️「ビクターしゃんだっこしてください!」
ミニ⚰️「ビクターしゃん!のうかんしてもいいですか?」
ミニ⚰️「おてがみみせて!ウィック」
ミニ⚰️「ウィック…おてっ!」
⚰️「っち!!羨ましい!!なんですか揃いも揃って蟻みたいビクターさんに群がっって!アレじゃビクターさんが身動き取れないじゃないですか。」
🔮「舌打ちしないの。って言っても君の気持ちなんだろう?それくらいビクターくんのこと好きなら早く告白してしまえばいいのに」
⚰️「……イライさん。そんなのできたら僕の社交恐怖なんてとっくに治ってると思うんですよ。」
🔮「そんなにハードル高くないと思うけどなぁ〜たぶんビクターくん以外はみんなイソップくんがビクターくんのこと好きなの気づいてると思うよ」
⚰️「……えっ?」
🔮「イソップくん分かりやすいからね。僕じゃなくとも気づくくらいに」
⚰️「知りたくなかったですよそんな現実」
🔮「いい機会だし告白しちゃえば?」
⚰️「ビクターさんの気持ちも分からないのに一方的に気持ちを押し付けるのは迷惑でしょう」
🔮「まぁまぁ、言ってみたら案外と意識してくれるかも……ってあれ?小さいビクターくん?」
⚰️「えっ!?どこですか!!」
🔮「イソップくんの後ろにってもう居なくなってる。」
⚰️「イライさんの見間違いじゃ……あれ?手紙が置いてある…どれどれ」
🔮「小さいビクターくんから?なんて書いてあるの??」
⚰️「……イライさん。僕は小さなビクターさん探してきます。代わりに小さい僕がビクターさんに変なことしないか見張っててください」
🔮「えええ私もそんな暇じゃ……ああ行っちゃった。そういえばビクターくんも同じ試合に出てたしバグ対象か。しかもイソップくんに手紙とはね。ようやく収まるところにちゃんと収まりそうだ。バグ様様だねぇ〜」
気がついたら小さいイソップさんに包囲されていた。どうしたらいいか分からないけど身動きが取れないので何人かは苦しくないようにカバンに入れてあげて入らない分は僕が抱き抱える。ウィックも背に1人と口に1人加えて手伝ってくれた。とりあえずどうしたらいいのだろう。イソップさんのところに行ってみるか……おそらくはよくある荘園バグだと思われるのでエミリー先生の元に相談に行くか。僕はとりあえず状況を知りたいので後者を選択した。もし事情も知らないイソップさんがこの状況見たらびっくりしちゃうかもしれないし。
エミリー先生のところに行くと、今度は小さなエマさんがエミリー先生を取り囲んでいた。
「あら、ビクターくんも同じ状況なのね。荘園バグにはお互い困ったものね」
苦笑いを浮かべるエミリー先生にやっぱり原因は荘園バグなのかと理解する。しかし、いつになったら治るのだろう。正直このままだとまともに試合に行くことも困難な気がする……。
「対象者はこの間の試合に出ていたメンバーらしいの。で肝心のバグの内容だけどね、気持ちを具現化するらしいしの。えっと、つまりね…エマは私のことが好きじゃない。だから小さなエマが私の周りにたくさんいるのだけれど……」
顔を逸らしながら説明してくれるエミリー先生の言葉を聞いて僕はぶわっと顔が赤くなった。えっとつまりは、小さなイソップさんが僕の周りにいるってことはイソップさんに僕が好かれているってことになるんだよね。どうしよう。恥ずかしいけど、すごく嬉しい。僕もイソップさんのこと好きだったからこんな形だけど両想いの事実に気づけて良かった。……あれ?そういえばこの間の試合ってイソップさんとエマさんとトレイシーさんと僕だったよね。つまり、僕の気持ちを具現化した小さな僕がイソップさんのところにいっぱいいるかもしれないってことになるんじゃ!?ということは僕の気持ちもイソップさんにバレちゃうわけだけど、顔合わせるの気まずいなぁ。お互い気持ちを知って、じゃあ付き合いましょうなんてイソップさんは分からないけど僕はなんて言ったら分からないし。僕はうぅと小さく呻きながらいまだ消えそうにない小さなイソップさんたちをぎゅっと抱きしめるのだった。