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    a_9matu

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    a_9matu

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    翻弄者と人形師とモグラと観測者と伝令員でUNOして欲しくて書いた。UNOはローカルルールでやってるので突っ込まないでください。

    UNOをやるだけの話とある密談の後、仕事までの暇潰しにゲームが行われていた。
    「ところでなんでUNOなんですか。トランプでも良かったでしょうに。赤です。」
    「だって、トランプはモグラがイカサマしやすいから面白くないんだもん。赤あったっと」
    「私、イカサマしませんって。赤のReverseですよ人形師」
    「げっ、また僕!?ちょっと赤ないのに……はい赤出たよ。」
    「じゃあ、赤のReverseをどうぞ」
    「ああもう!翻弄者までっ!こうなったら奥の手で隠してた赤のDraw Towカード!」
    「残念。Draw Fourカードです。観測者すみませんねぇ青で」
    「まぁ、これは分かっていたから。それにしてもこのゲーム最後の一枚はウノって言わなきゃいけないんだろ?伝令員くんには酷じゃない?はい青」
    「私の部下がそれくらいのハンデで負けると思うんですか?」
    「っん!!」
    「えっ!?同じ数字カード4枚であがり!!そんなのありなの!?」
    「流石ですね。しかも上司である僕のサポートもしっかりしてる。はいっ、赤そしてウノです。」
    「また赤…。いい加減にしてよ…あっ、Wildカードだ。黄色にして」
    「はいはい。可哀想なんでね。そのままにしてあげますよ黄色Skip」
    「あっ、こんなにカード持ってる私に出させてくれないんだ」
    「どうせ出せないの分かってたくせに白々しい。それにその余裕そうな顔。最下位じゃないならいいってことですか?」
    「そんなとこかな。常に一番に上がっても面白くないしね」
    「貴方って人は……。はいあがりです」
    「えっ、赤じゃなかったの??」
    「こういうのはブラフを混ぜないと勝てないじゃないですか。最後の色がバレる真似なんてしませんよ」
    「うぅ、じゃあ!観測者のために黄色のSkip」
    「人形技師ありがとう。とりあえずSkip3枚でもう一度私の番で、同じ数字カードで青色にしてと。はいこれで私もウノかな」
    「待って、そんなに一気にカード出せるなんて聞いてないんだけど。なんでぇ青もないよぉ〜」
    「じゃあ出るまで引くしかないですねぇ」
    「待って…モグラさイカサマしてるでしょ?おかしいでしょ僕ばっかり運が悪くない!?」
    「そもそもこのメンツでカードゲームを挑む人形師が無謀なんですよ。トランプじゃなくたってカードならいくらでもやりようがありますし。」
    「もしかして、全員イカサマしてた?」
    『僕はイカサマしてないですけど…そもそもカード切ったのがモグラさんだったので…』
    「あ〜流石伝令員その時点でバレてたか。」
    「このカードモグラにしか分からない法則で既にカードが並べられてたんだよ。早々に見破った伝令員くんがあがって。途中で気がついて翻弄者があがって。私も気づいてたけど、モグラの策に乗った方が面白そうでつい…。」
    「なにそれ!!じゃあ、もうズルじゃん!!この勝負無しにしよっ!!」
    「まぁ、まぁ最後まで分からないでしょ?楽しもうようよ人形師」
    「負けると分かって続けたって楽しくないんだけど……はい、青でたっ!」
    「さて、数字の青カードでウノです。観測者はあがりですか?」
    「そうだね。僕はこれであがりだ。」
    「はぁ〜これでまた青のない僕がカード引きまくって最下位なんでしょ?あ〜もうモグラのその顔腹立つなぁ。せめて食らえ!青と黄色のDraw Towカードで4枚」
    「残念ですね。人形師、赤のDraw Towカードです。これで僕もあがりですね」
    『数値カード以外は最後に残したら2枚追加ですよ?』
    「えっ、そんなルールあるの?」
    「ありますね。」
    「ああそういえばあるよね」
    「…早く言ってよ。はぁ〜。」
    「じゃあ、モグラにはたっぷりお返ししてあげるよ。Draw Fourカード2枚ア・ゲ・ル♡」
    「なんてカード持ってんのさ。ああ裏目にでた。何色?」
    「緑でおねがい。やった!!これでモグラに勝てそう!」
    「けど、残念だね。人形師。暇潰しはもう終わり。仕事の時間だよ」
    「人形師のおかげで退屈しのぎにはなりましたかね。じゃあ、留守はお願いしますね伝令員」
    「っん!」
    「え〜もうちょっとで勝てそうなんだってば」
    「うだうだ言ってないで、さっさと済ませに行こう」
    「モグラってば負けそうだからって、そういうこと言うんだ!」
    「そんなわけないでしょ。はい、行くよ」
    先ほどまでダラダラとUNOをやっていたとは思えないほどガラッと雰囲気の変わった面々は本来の仕事へと向かう。非戦闘員である伝令員は1人残って、皆を見送る。そして、こうやってカードゲームの勝敗をわざとつけないで仕事に向かう理由も気づいていた。戻ったら、続きをやろうという一種の願掛けのようなものだ。いつ死ぬか分からない世界で生きる彼らだけれど言葉にしないだけで誰よりも仲間を想っている。だから伝令員は信じて待つのだ。今度こそ勝敗をつけるためにカードゲームの続きをしに皆が戻ってくることを。テーブルに散らばったカードを片付けながら。
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