夜を買う ガンガディアには金が必要だった。大学の学費を払うためだ。マトリフには有り余る金があった。苦労もせずに相続した金で、それは残りの人生で使いきれないほどだった。
それをお互いに知ったことから、この関係が始まった。
ガンガディアに抱かれながらマトリフは天井を見上げる。身体への快楽を楽しむよりも、金の計算をしていた。ガンガディアが必要としている金額と、これまで渡した額を計算して、今日渡す金額を考える。
金を渡すからセックスの相手をしてくれと提案したのはマトリフだった。本当は金だけを渡してもよかったのだが、ガンガディアは何もせずに金を貰うわけにはいかないと言い張った。雑用でもなんでもすると言われて、じゃあ夜の相手をしろと言った。流石に断ると思ったのだが、ガンガディアは逡巡してからわかったと頷いた。
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