陽炎@ポイピク ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。🍞🚄🍊🍋の沼にも浸り中時々®️®️®️🔥🌊 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 490
陽炎@ポイピク☆quiet followMOURNING【妖怪富良悌郎はヒトに恋をする】番外編というかその後の漫画の続きみたいなもの読んでも読まなくてもいい小噺です こうして始まった富良悌郎との生活。彼と暮らして気付いたのは意外と要領がいい所だ。朝餉も普通に作れるし布団の準備や風呂の用意も片腕しかないのに器用にやってくれる。「どこで炊事とか覚えたんだい?」驚くオイラに富良悌郎は左目に走る大きな傷跡へ埋め込まれた『眼』を細めた。「こいつが見せる未来は誰かの『死』の間際だ。命が尽きる瞬間まで普通に生きて普段通り過ごしてた者も多い」見ず知らずの他人とは言え死を迎える時を見せられるのがどれだけ苦痛かオイラには分からねぇ。オイラが富良悌郎の立場ならきっとすぐに気が触れちまう。富良悌郎がヒトを老化能力で殺める事を、半妖のオイラには責められる訳ねぇんだ。「でも流石に握り飯ぐれぇはオイラに作らせてくれよ」「そうだな。お前の握り飯は美味い」洗濯物を干しながら微笑む富良悌郎にどきりとする。オイラと交わってーー半妖になってから、富良悌郎は随分柔らかい表情をするようになった。出会った頃は表情も冷たくて妖怪というよりは神様めいていた。腰から下げた徳利から吐き出される煙で非業の死を遂げる者を、老衰という穏やかなる死を与えるのはある意味救済なんだろう。けれど、未来が視えてしまう限り彼自身の心が救済される事は決してねぇんだ。だからオイラは、予知の目なんてねぇけど、オレに出来る事をしようと決意したんだ。富良悌郎曰く『死』の運命に囚われた人間は、死を回避しようとも因果の力で必ず死が訪れるらしい。そして半妖になったオイラにはその因果の印が僅かに視える。そういったヒトには必ず「凶」の文字が体のどこかにぼんやりと現れるんだ。オレは自分の血で『妖』と書いた布で顔を隠した。こうするとヒトからはオイラの姿が見えなくなる。都ち近い宿場町に到着すると、ひとりの少女が道を歩いていた。あの子にも印がある。「……!」その時だ。暴れ馬がその少女に向かおうとしていたのは。オレは咄嗟に自分の髪をひとふさ伸ばした。魚の形をした『名の力』は富良悌郎に捧げちまったけれど、オレは代わりに髪を釣り糸や釣り針に変化させる能力を持った。暴れ馬の脚へ髪を巻き付け尖らせた髪の先端で靭帯を傷付ければ暴れ馬はその場へ倒れ込んだ。少女は真っ青になって地面にへたりこんでいる。あの子から因果の印が消えていったのを確認しほっと安堵の溜息を吐くとオイラは帰路を急いだ。黄昏時は逢魔が時ーー。地面に伸びる2つの影……。「っ!?」オイラが立ち止まって顔を上げると。気味の悪い笑みを浮かべた2人組が佇んでいた。「お前か?俺達の邪魔をするのは」同時に言葉を発する黄昏時と同じ金髪の男と闇のような黒髪の男。「お、オイラは、」一歩後ろへ下がる。男達は淡々とした表情に代わり冷ややかに告げた。「人を死の因果から解放した所で、ヒトが運命に抗える訳がない。いずれにせよあの子は長く生きられない。この後野盗に襲われて家族諸共殺されるだけだ」「そこまで知っておきながら、どうしてあんた達は何もしねぇんだ!」オイラの叫びに金髪の男は黒髪の男を「反留兵衛」と呼んだ。黒髪の男は金髪の男を「次衛羅亜斗」と呼んだ。「お前こそ俺達の何が分かる?どんな死に方をしようが俺達の『因果の印』から逃げる事は出来ない。それはお前もだ」2人が同時にオレへ手を翳してくる。ーー次の瞬間だった。「魚(とと)!煙を吸うなよっ!」オイラは咄嗟に妖の布で口を塞いだ。目の前で2人の男はみるみる年老いていき最後には事切れたように倒れていく。「富良悌郎……」彼らの後ろに立っていたのは彼だった。「大丈夫か、魚(とと)」周囲の風景が焼ける炎のような夕暮れから穏やかに晴れた昼間の景色へ戻っていく。「これは一体?」「こいつらがおまえに幻覚を見せていたんだよ。妖の纏う空気は嫌でも気付く」半妖になったのに、オレは妖の気配すら感じ取れなかった。がくりと膝から崩れ落ちてから、ようやくオイラは震えていた事に気付く。「おっ、オレ、」悔しさと悲しさと恐怖で泣きそうだった。涙が嫌でも溢れ出した眦を富良悌郎が手を伸ばしてそっと親指だけで拭い取ってくれる。「おまえが無事で良かった」「でもっ、オレが助けた女の子はっ!」縋るように富良悌郎を見上げると、彼は眉ひとつも動かさずに答えた。「魚(とと)。お前はオレより幻覚を見せ付けるような妖怪の言葉を信じるのか?杞憂せずとも、枯らしておいた」そんなーー。アンタは野盗に襲われて死ぬよりはマシだからって幼い少女までをも殺すのか?「老衰死させたのはあの子じゃねぇ。野盗の方だ。あの男はいずれ捕まって極刑が課せられる未来しかなかった。少なくとも、お前はあの少女を『因果』から救った」富良悌郎の優しい掌がオレの頭を撫でる。オレは堪らず富良悌郎に抱き着いた。子供っぽいとかまだまだガキだなとか呆れられねぇかなと不安だったけれど……。「オレの使命の為にお前まで苦しむ必要はねぇ。オレは未来が視えねぇお前を見ている時だけが唯一の安らぎだ」オイラよりもずっと辛い目に遭ってるのに富良悌郎は肉と骨が剥き出しの片腕でオイラの背中を引き寄せてくれる。「富良悌郎、んっ、」富良悌郎がオイラに口付ける。啄むように幾度も角度を変えては唇を重ねられ頬が熱くなってくる。「愛しいオレの魚。おまえとまた交わりたい。今度は柔らかな布団の上で」耳元で囁く声は低く掠れていた。オイラは小さく頷き返して差し出された手を握る。ああ、神様。オイラを許してくれよ。目の前で倒れてる亡骸すら眼中にならねぇまでに富良悌郎に惹かれちまっている事を。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 陽炎@ポイピクMOURNING教皇選挙ネタバレベニロレキスしてるのでワンクッション 2056 陽炎@ポイピクDOODLE現代の日本で生活するどすてぃちゃん達がご飯作って食べるだけのシリーズ筍と春雨スープドスティ花冷えの雨が朝から降っている。 肌寒さの中私は軽くストレッチをし朝食作りを始めた。 「うえぇ雨かぁ……」 ビームのぼやく声に私は顔を上げる。曇った表情のビームが恨めしそうに窓の外を見やっていた。 「送ってやりたいのはやまやまだが、これからリモートワークなんだ」 私はトースターに食パンを入れる。 駅近故に私は通勤は電車移動だ。それでも最近は通勤ラッシュの満員の列車に辟易して、パソコンさえあればどこでも仕事が出来る強みを活かしてリモートワークへ切り替えた。 勿論、ビームのバイク通勤の大変さは知っているから、車の免許だけは取った。ただビームは私に気を遣ってなのかレンタカーで送り迎えしてくれと頼んできた事はない。 分かっている、それはシェアハウスに駐車場がない事を理由に私が車を買う事を先延ばしにしているせいだ。 3032 陽炎@ポイピクDOODLE日本でご飯作って食べるだけのどすてぃちゃん達(カップリング要素なし)春の山菜ドスティ春がやって来た。 春告鳥の鳴き声で目が覚める。本当はまだ眠いが、今日は折角の休日だ。隣で寝るビームのまろい頬を少しでも堪能したい。掌で触れるともっちりとした弾力が返ってくる。 その温かさにラーマは心の中に春の陽気が差し込む気分だった。ビームを起こさないようにそっとベッドを抜け出す。 そして着替えると毎朝の習慣であるランニングの為シェアハウスを出た。 朝はまだ肌寒いが、周りの景色が季節を感じさせてくれる。 風に揺れる花、微かな梅の香り。 住宅街を抜ければ小さな公園があって、そこには桜の木が植えられており、花の開き具合を観測するのが最近のラーマの密かな日課だ。桜の花を初めて見た時はそこまで感動しなかったものだが、ある日定食屋からの帰り道ビームが桜の花に目を輝かせて以来は、綺麗な花だと思えるようになった。 3083 陽炎@ポイピクMOURNING龍捲風と陳洛軍。カップリング要素なし豆腐花この青年は本当に飯を奢り甲斐がある、と目の前の男の食べっぷりを眺める。龍捲風はいつものように叉焼飯を食べ終えた後、豆腐花と自分を交互に見遣る陳洛軍に餌を目の前に待てと言われてる犬のようだと内心呟いて苦笑を浮かべた。 「食べないのか?甘くて美味いぞ」 甘味のついた滑らかな豆腐を掬い取る。 シロップに浸された豆腐を洛軍は相変わらず不思議そうに見遣っていた。 「甘いものなのか、これは?」 「……苦手だったか?」 龍捲風は豆腐花を口に運んだ。豆腐花は龍捲風の好物で、阿七は叉焼飯の後の食後のデザートとしていつも出してくれる。 「苦手とかじゃない。――毒でなければ、何でも食べていたから」 そういえば、密航者だったか。食べ物の取り合いもあっただろうし、飢えと空腹を凌いだ日々もあっただろう。 1324 陽炎@ポイピクDOODLE二人がご飯作って食べるだけの現代AU左右なし全年齢ラーマとビーム炊き込みご飯ドスティ秋は様々な食材が旬を迎える。 ラーマは日本の秋が好きだった。暑過ぎず寒すぎず、湿度も丁度良く、近所の公園の紅葉が色付き、スーパーに行けばビームの好きな茸が並んでいるからだ。 ビームは日本に来て初めて食べたのが野菜と茸の炒め物らしい。最初はその見た目に食べられるかと危惧したそうだが、一口食べて大層気に入って、秋の間は定食屋でずっとそればかり頼んでいたようだ。 ラーマは籠の中に様々な茸を入れていく。エリンギはなるべく大きさが同じものを手に取って、私とビームみたいだなと微笑んだ。すっかり顔馴染みになった店員がにこやかに会計を済ませていく。ラーマは漸く使い方に慣れてきたエコバックに食材を詰め込んでから携帯でビームへメッセージを送った。 3265 陽炎@ポイピクDOODLEオレ自慢の針と糸ネタバレ有りオレ自慢の針と糸でプロシュートがサルーテの元からペッシを救出した後のエピソード(妄想)雛鳥「いってぇ!」 アジト内に目を覚ましたペッシの悲鳴が響く。 「口開けるんじゃねぇ。傷口開くぞ」 アルコールを染み込ませた綿をピンセットで持ってプロシュートはペッシの唇の端へ宛がった。 「こ、こんなんほっといても治りますし!」 口でこそ強がっているが、目の端には涙が溜まっていて、漸くペッシが恐怖から解放された事を物語る。 ペッシが自ら口をビーチ・ボーイの能力で接合した事に動揺したサルーテを直で枯らして留めに頭を銃で撃ち抜いた時、ペッシは半ば気を失ったようにぐったりとしていた。 鏡を持っておいて正解だった。イルーゾォのマン・イン・ザ・ミラーで安全を確保し、ワイナリーからアジトへと連れ帰ったのだ。 ペッシは無意識にスタンドを発動させたままだった。 2461