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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
    🍞🚄🍊🍋の沼にも浸り中
    時々®️®️®️🔥🌊

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    陽炎@ポイピク

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    ジョナサンとスピードワゴンの盟友コンビの話ですが2人は付き合ってません
    ファントムブラッド未履修の為色々設定曖昧です

    ロンドンの空は霧がかり今日も灰色に染まってやがる。
    産業革命真っ只中の街は工場からの煙が充満していて、道行く馬車は雨が降る前に目的地へたどり着こうと先を急いでいた。
    俺はというとジョースターさんの買い出しに付き合っている。
    わざわざこんな天気の悪い日に行く事ねぇのにとも思ったがジョースターさんの事だから考えがあっての事だろう。
    こうやってジョースターさんに付き合う俺もとんだお節介焼きだ。
    それにしても、だ。
    ジョースターさんが居るのは父の代から世話になっている店らしく何やら店主と長い事話し込んでいる。
    いや、そんな事はどうだっていいぜ。
    「ジョジョ、エリナさんとは上手くやってるのかい?」
    親しい者だからこそ呼べる愛称に壁の花になっていた俺の胸はずきりと傷んだ。
    「待たせたねスピードワゴン。帰ろうか」
    「ジョースターさん、荷物なら持ちますぜッ!」
    ひったくるようにジョースターさんから買い物袋を奪い取る。危なかった。帽子に隠れてなきゃあジョースターさんに嫉妬していた事に気付かれちまう所だったぜ!
    「スピードワゴン、今日は付き合わせて悪かったよ」
    「俺ぁ別に怒ってる訳じゃねぇ」
    ジョースターさんの方を振り返りもせず俺は石畳の上を歩いた。ジョースターさんがあの店主に向けていた人懐っこい笑みを俺だけに向けてくれたらなんて、邪な気持ちが過ぎってしまった自分自身が恥ずかしい。
    分かってる、俺とジョースターさんは生まれも育ちも違う。
    ジョースターさんが誰にでも紳士なのは俺が一番良く知ってる。俺が独占していい訳ねぇんだ。
    「じゃあ君を待たせてしまってごめん」
    俺が押し黙っちまったのが耐えられねぇのかジョースターさんの声が背後からする。
    「……俺ぁ待て位平気でさぁ」
    「――ふふっ。スピードワゴン、君は犬じゃないだろ?」
    犬。もし俺が犬なら。ロバートって呼んで貰えたんだろうか。ああでも犬だったらジョースターさんと友達にゃあなれねぇ。ジョースターさんは俺を家族のように扱っちゃくれるが、家族と友達ってのはスコーンとフィッシュアンドチップスみてぇに違うもんだ。
    ああでも。あの声でロバートと呼んでくれたら。
    ジョースターさんには自分の生涯をかけてでも付いていくつもりだが、あんたが死んだ後もずっと尽くしてやれそうな気がしちまうんだ。
    「駄目だ駄目だジョースターさんにそんな風に呼んで欲しいだなんて俺はとんだ烏滸がましい野郎だ、この人はとんだ甘ちゃんだし頼めば呼んでくれるかも知れねぇがそうじゃねぇだろッ!」
    ついつい心の声が口から漏れちまってたらしい。
    「スピードワゴン、さっきからひとりで苦悩してるみたいだけど大丈夫かい?」
    大股歩きで追い付かれ俺は覗き込んできたジョースターさんと目が合ってしまった。ロンドンの空には似つかわしくない瑠璃色の美しい瞳。人ったらしなこの瞳が……。
    「だぁーーっ!?」
    俺が買い物袋を落としそうになると。
    「スピードワゴン!」
    慌てたジョースターさんに荷物ごと抱き留められた。
    こいつぁやべぇ紳士の高貴ないい匂いがプンプンするぜ――、そうじゃなくて!
    「す、すいやせん!ジョースターさんの買ったモンを落とすなんて俺ぁ最低だ、こんなんじゃジョースターさんの友人失格じゃあねぇかっ、」
    「中身よりも君の方が大事だよ。割れたカップとソーサーを拾おうとして怪我でもしていたらどうするんだい?」
    あやす様に背中を撫でられ俺は固まっちまった。
    カップとソーサー?
    「何ィーーーーーーーーっ!?ジョースターさんまさかこれ、エリナさんへの贈り物だったのかよッ!?」
    「スピードワゴン!声が大きいよ!」
    唇に人差し指を当てて空いた手で口を塞がれちまった。
    「お、俺、そんな大事なモンを割っちまう所だったなんて、」
    俺は全身の血が引くのを感じて眩暈でよろけそうになった。
    「いいんだよスピードワゴン。僕はただエリナをお茶に誘う為の口実が欲しかっただけなんだ。今日は君に付き合って貰って良かった。あの店主はお喋り好きなのはいいけれど色々薦めてくる人でさ。君のお陰で連れを退屈させるのは紳士じゃないって言って捕まりそうになったのを上手く躱せたよ」
    ジョースターさんが茶目っ気たっぷりに微笑んで俺から荷物をしっかり持ち直しながら取り上げてしまう。
    「ジョースターさん、あんたも中々のワルだなぁ」
    「君を利用するのは中々気が引けたよ。本当ならスピードワゴンに選んで貰いたかったけれど、君の事だから遠慮してしまうと思ったんだ」
    はは……、ジョースターさんには俺の考える事なんかお見通しって訳か。
    「――お茶会、ジョースターさんなら上手くいきますよ」
    手持ち無沙汰になった俺は帽子を目深に被った。
    「そうだ!折角だからスピードワゴンも参加してくれ!その方が話も弾むし!」
    ジョースターさん、あんたも相当なお節介焼きでさぁ。
    やっぱりこの人をジョジョなんて軽々しく呼んでいい訳ねぇんだ。
    俺はジョースターさんとエリナさんの恋路の出汁になれってんなら喜んでやりますぜ?でもそんなつもりもねぇ、天性の善意に俺は苦笑を返すしかねぇじゃねぇか。
    「ジョースターさん。そういう誘いなら断らせて頂くぜ」
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    recommended works

    陽炎@ポイピク

    DONE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    『大丈夫』
    敵対組織への潜入任務。情報を入手するだけの仕事で、ペッシのビーチ・ボーイの本領発揮の場所になる筈だった。
    「追え!スタンド使いだ!」
    ところが連中の中にスタンド使いがいやがった。パッショーネから金で引き抜かれたクズ野郎なんだろう。向こうの雇われスタンド使いなんざ想定外で、能力を把握しねぇまままともに戦うのはまずい。
    「逃げんぞペッシ!!」
    パニックになりそうな程気が動転してるペッシを先導させる。背後から聞こえる銃弾にオレは肩口を撃たれた。
    「兄貴ッ!?」
    「いいから行くぞ!もしもの時のために保険掛けといただろうがッ!」
    痛みに耐えてペッシに激を飛ばす。
    ペッシはオレの言葉に落ち着きを取り戻し記憶を頼りにある場所へ向かった。
    「イルーゾォ!」
    鏡の前でペッシが叫ぶ。鏡の中からぬっと腕が伸びてそのまま中へ引きずり込まれた。
    「ざまぁねぇな、プロシュート。ペッシに銃弾が当たらないようにしたのはいいが、おめぇそんなんじゃ命が幾つあっても足りねぇぜ」
    オレの肩口に開けられた風穴にイルーゾォは呆れた声を上げてペッシがはっと我に返った。
    「兄貴ッ!大丈夫ですか!」
    鮮血でスーツは台無しだ。けどオレは 840