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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
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    陽炎@ポイピク

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    『漫画家だって恋がしたい!』
    不定期連載編集者兄貴×漫画家ペッシ
    何でも許せる人だけ読んで下さい……

    「そら、タイ曲がってんぞ」
    小さな姿見の前でオレの背後から輝を回し蝶ネクタイを直す兄貴に本当に世話好きだなぁと内心呟く。
    編集者ってもっお面倒な性格だという先入観もあったけれど兄貴はオレへ弟のように接してくる。
    「兄貴ィ、やっぱり変だよぉ。オレにはちゃんとした格好ニ似合わねぇよぉ」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。これからオメーは新人賞の授賞式に行く。ダセェ服着ていく訳にはいかねぇだろ?」
    そんな事言われてもオレは未だに実感が湧かねぇ。
    オレが描き上げた新作漫画はあれよという間に連載が決まり新人賞を獲得しちまったんだ。
    「オレ、未だに夢見てるような気分だ」
    「ハン、新人賞なんてまだまだ栄光への第一歩だぜペッシ。オレ達は更に上を目指さなきゃならねぇ」
    ぽんと両肩へ手を置かれてオレは改めて身が引き締まる。
    兄貴は不思議だ。言葉だけで自分に自信のねぇ気弱なオレを鼓舞してくれるんだから。
    受賞パーティーはとあるホテルの会場だった。四畳半のボロアパートとは違って煌びやかな世界。
    オレはそんな空間に来てしまい場違い感でくらくらしそうだった。
    「おいおい、こんな所でぶっ倒れるなよ」
    さり気なく支える兄貴の手つきに慣れてる気がして少しだけ胸が痛んだけれど次々と偉い人達から握手を求められてしまいそれどころじゃなくなってしまった。
    兄貴はオレが質問の答えに窮しても代わりに話してくれたり本当に頼りになる。あっという間にパーティーは終わりオレは新人賞の賞金を手に会場を後にした。
    「やっぱり兄貴はすげぇや。あの場に居ても堂々と立ち振る舞えるなんて」
    「あ?あんなもんは慣れだ慣れ。それよりおめぇ、折角の授賞式だってのに豪華なご馳走にすら手を付けてなかっただろ」
    うっ……だってよぉ。原稿をやってる時は寝食すら忘れちまうんだ。漫画を描いてる間はそっちにばかり集中しちまうオレの為に兄貴はいつもわざわざオレのアパートへ来て食い物を作ってくれた。兄貴が居てくれなかっあらきっとカロリーメイトと栄養ゼリー生活だっただろう。
    「ひっきりなしに人がオレの所にやって来てそれ所じゃなかったんすよぉ。しょおがけぇじゃないですか」
    兄貴はくつくつと低く笑うとオレの手を取った。
    「なら
    打ち合わせっつぅ名の祝賀会やるぞ」
    兄貴に連れて行かれるまま連れて行かれたのはお洒落なダイニングバー『リトル・フィート』だった。
    「いらっしゃい……って、プロシュートじゃねぇか。珍しく今日は連れが居るんだな」
    気さくそうな坊主頭の主人に声を掛けられる。
    「こいつにチーズリゾット喰わせてやってくれ。ついでにオレの酒も頼む」
    「えっ!ここはオレが払いますぜ!兄貴がネタをくれなきゃあの作品も描けなかったしそれに、」
    言いかけたオレの唇に兄貴の人差し指が当てられた。
    「いいから、オレに奢らせろ。お代は出世払いにしといてやるからよ」
    「兄貴?プロシュートが?あっひゃひゃひゃ!そりゃ傑作だ!」
    突然笑い出した主人にオレが驚いてると兄貴はじろりと彼を睨んだ。
    「おいホルマジオ。サボってねぇで働け」
    ホルマジオと兄貴。一見正反対のタイプに見える。どういう関係なんだろう。何だか聞くのが怖くてオレは席に座ったままホルマジオの方を眺めていた。
    「おいペッシ。打ち合わせするっつったろ」
    「へ?あっ、はい!そうでした!『ザ・グレイトフル・デッド』の今後の方針でしたよね!」
    「そりゃまた、聞いた事あるタイトルだな」
    口を挟んできたのはホルマジオだった。目の前には熱々のチーズリゾットが置かれる。いい匂いでとても美味しそうだったけれど、オレはホルマジオの言葉の方が気になった。
    「聞いた事あるって?」
    「ホルマジオ、お前は余計な事喋るんじゃねぇ」
    釘を刺す兄貴に構わずホルマジオは続けた。
    「プロシュートから聞いた事なかったのか?昔漫画家目指してたって」
    初耳だった。良く考えたらオレは兄貴の事良く知らねぇ。
    栄光に拘る理由も分かっていなかった。
    兄貴は観念したように溜息を吐く。
    「……そうだよ。けどオレには絵の才能すらなかった。幼なじみのコイツにそれでも漫画に関わる仕事がしてぇ、って食い下がったら編集者を勧められたんだよ。それよりいいから冷める前に喰え」
    兄貴の意外な過去を聞いてオレは俄然早く続きを描きたいという気持ちになった。兄貴の夢をオレが代わりに叶えてやりてぇ。オレはチーズリゾットを食べながら改めて決心した。
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    recommended works

    陽炎@ポイピク

    CAN’T MAKE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    『ご都合スタンド攻撃』
    兄貴がペッシと同じ年齢になる話
    左右曖昧表現あるのでご注意下さい
    「ペッシ、ペッシ!」
    誰かの声が聞こえる。知ってるようで知らない声。
    アジトでうたた寝していたオレはうっすらと瞼を開けた。
    「よぉペッシ。お目覚めか?」
    ぼんやりとした意識のままのオレの前には金髪蒼眼の青年が立っていた。
    「……夢?」
    だってそうだろ。皆が仕事で出払ってる間留守をしていたのはオレだけだ。
    「おいペッシ!起きろ!眠そうにしてるんじゃねぇ!」
    肩を前後に揺すられオレの意識は否応なしに覚醒させられる。
    「えっ!?だっ、誰だ!?」
    背丈はオレより少し上だろうか。着ている服は袖が余ってぶかぶかだ。年齢に似合わず高級そうなヘリンボーン柄の仕立てのいいスーツ。
    ーーまさか。
    「まだ分かんねぇのか!マンモーニのペッシ!」
    顎に人差し指を突き付けてくるこの癖は。
    「あ、兄貴かい?あんた兄貴かい?」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。咄嗟にビーチ・ボーイを構えるのはいい度胸だが、オレに攻撃しようなんざ10年早いぜ」
    いつものように額に額をくっつけてくる兄貴だったけれど、オレはただ兄貴の若い姿に混乱してばかりだった。
    「もしかしてスタンド攻撃受けたんですかい!?」
    パッショーネはスタンド使 2362