仗助億泰の全国ゥンまああ〜いっモン巡り仗助(以下仗)「来たぜ！餃子の町ッ！宇都宮！」
億泰(以下億)「駅前の雰囲気は杜王町そっくりだな～！で、仗助ェ！早速餃子食いに行くんだろ？」
仗「億泰くーん？オレ達は全国ゥンまあぁ～いモン巡りしてるんだぜ？すぐにメインの料理に行くなんて勿体ねぇ！まずは腹ごしらえとして軽いモンから行くぞドラァ！」
億「さあっすが仗助だぜッ！じゃあまず最初にどこ行くよ？」
仗「かぶと揚げだ」
億「何ィ～ッ！？かぶと揚げってアレだろ！？若鶏を丸々と揚げたやつ！！最初から飛ばし過ぎじゃねぇか！？」
仗「そうだぜ億泰……。この宇都宮市、移動だけでも一苦労だ。バイクで走ってる間に腹も減っちまう！だからこそ！最初にスタミナの付くモンを喰っておくンだよ！」
億「なァ～るほど！益々腹ぁ減ってきちまったぜ！」
仗「へへーん、そうだろ億泰？じゃあかぶと揚げと言ったらココ！みよしや本店へ向かうぜ！」
億「おう！！オラオラァ！億泰サマのお通りだァ！」
(数分後)
仗「着いたぜッ！みよしやだ！」
億「おォっ！このいかにも『孤独のグルメ』に出てきそうな古臭い建物！こういう所の飯は大抵美味い！ハズレなしってやつだァ！」
仗「地元の人達が持ち帰りで並んでるぜェ………。グレート
！予約しといて正解だったな」
億「くゥ～！店に入った途端香ばしい油の匂い！やべぇ、テンションあがってきたぜーッ！」
仗「因みにかぶと揚げの値段はその日の仕入れ価格で決まるぜ！すいませ～ん！かぶと揚げ２つ」
億「う～ん！このパチパチパチと揚げる音！出てくるのが楽しみだなァ！」
仗「おーっ！？来たぞ億泰ゥ！すげぇでけぇ！」
億「揚げたてアツアツ！見てるだけで涎が出ちまうッ！」
仗「こういうヤツはよぉ～！手掴みに限るぜぇーっ！」
億「だよなぁア！？」
(ガブッ)
仗・億「ゥンまあぁ～い！！」
億「表面はパリッとしていて中はジューシー！味付けは塩と胡椒だけのシンプルな筈なのに！鶏肉の旨みがギュッと詰まってるぜェ！」
仗「オレらガクセーだから飲めねぇけど、こりゃあビールが欲しくなっちまうなァ！」
億「仗助ェ、オレもう全部平らげちまったよぉ」
仗「早ッ！もう骨しか残ってねぇのかよ！？相当腹空かしてたんだな」
億「ちっとばっか行儀悪ィけど油の付いた指でもしゃぶっとくか」
仗「ったく。オレが食い終わったら次は遂にメインの餃子行くぞ」
億「おおっ！？待ってましたッ！！」
仗「ふ～。ご馳走様でした。そんじゃあ行きますか！」
億「はいお勘定！」
仗「そんなせっつくなよ億泰！」
(バイクで移動する事数分後)
仗「着いたぜ億泰。餃子の正嗣だッ！」
億「あれェ？宇都宮の餃子って言えば『みんみん』じゃねぇのか」
仗「チッチッチッ！通な地元っ子は『正嗣』を選ぶんだぜ億泰！コロナ禍でテイクアウト限定だから、駐車場でピクニック気分で食おうぜェ～？」
億「ここもまた老舗の店って雰囲気だなァ。でも、ジュージューと焼ける匂いと餃子の匂いが食欲を刺激するぜ」
仗「ああ、ビールもライスもねぇシンプルな焼き餃子の店だ。ほら、出来上がったみてぇだぜ億泰」
億「よっ！待ってましたァ！バイクに座って食うぜェ！」
仗「そう急がなくても餃子は逃げねぇって！」
億「仗助クンはこれだから困るぜェ。餃子は焼きたてこそが最高なんだよ！」
仗「よし……パッカァン！1人前6個入り！これが宇都宮餃子だ！――ゴクリ」
億「この絶妙な焦げの付いた焼き加減！たまんねぇぜ！」
仗・億「いただきまーす！(パクッ)」
仗・億「ゥンまあぁ～いっ！」
仗「皮はモチモチ、餡はニラとキャベツ多め！これは餃子のタレよりお酢と胡椒で食いたくなる餃子だッ！」
億「あっさり系だけど噛めば噛む程豚肉の旨みが口の中に広がって実にシンプルな焼き餃子！パンチは足りねぇが逆にそれがいいッ！それがベスト！」
仗「こりゃあバクバク食えちまうぜ！」
億「餃子の正嗣、ご馳走様でした！」
仗「おいおい億泰。ここで終わりじゃないぜ？」
億「あん？」
仗「食後のデザート！それがまだだッ！」
億「なァ～るほど！なら仗助クンお勧めのスィーツ店に連れて行って貰おうじゃねぇか！」
仗「よし、じゃあまたバイク飛ばすぞ億泰！」
億「ひゃっほぉ！」
(更に数分後)
仗「ここぞ宇都宮の隠れた名店、『菓子工房「吉野」』だ」
億「ケーキ屋さんって感じじゃねぇなぁ？」
仗「先代が元々和菓子屋さんなんだよ。夏季限定でパンも売ってるんだってよ。中の人の推しは「酒カステラ」らしいが、億泰の好きなヤツ選んでいいぜ」
億「オレは「天使のほっぺ」ってやつにするぜ。片手で食えそうだしな」
仗「オレはスティックケーキだな。差し入れに丁度よさそうだ。値段も手頃だし多めに買っとくか」
億「オレも親父へのお土産考えねぇとなぁ」
仗「本当なら早速食いてぇ所だが、折角だからオリオン通り行こうぜ。店先にテーブルと椅子があるんだぜ？」
億「行く行く！商店街でだべるのいいよなァ！」
仗「億泰ならそう言うと思ったぜ！」
(オリオン通りへ)
億「こじんまりとした商店街だなぁ」
仗「昔はもっと活気があったんだけどな。今じゃ結構シャッター降ろしてる所も多い。郊外に大型店舗が出来ちまったからな。地方都市の悲しい所よォ」
億「コロナ禍が早く収まってまた夏祭りが開催されりゃまた人が戻って来るって！それよりさっき買った『天使のほっぺ』美味いぜェ！どら焼きみてぇなふわふわの生地に程よい甘さのクリーム！確かに隠れた名店ってだけあるな！」
仗「ん、スティックケーキもしっとりしてて美味いぞ。これで宇都宮の美味いモン巡りは完了したワケだが……。億泰、土産は決めたのか？」
億「う～ん、栃木って言えば苺だろ？苺を使ってる上に日持ちするモンとかねーかな？」
仗「おっ、それなら丁度向かいにある「Y's Tea」行こうぜ」
億「えぇ～！？紅茶専門店？オレにはこんなおシャンティーな店敷居高ェぜ仗助ーッ！」
仗「ヤンキーなんだからビビってんじゃねぇぞダボっ！それにな～、実は宇都宮市は紅茶の消費量日本一なんだぜ？」
億「へェーそうなのか。うっし！いっちょ入ってみっか！」
仗「お邪魔しま～す。紅茶の茶葉がいっぱい置いてあるな」
億「オレは『ストロベリー』を選ぶぜ。香りが気に入ったぜ！」
仗「今日はもうあんま時間ねぇから併設してるカフェには寄らねぇが、美味しいスコーンも食えるから紅茶で一息つくにはぴったりかもなぁ。紅茶教室もやっててそれも楽しそうだぜ！」
億「はァ～。美味いモン食って腹一杯になったし満足満足！仗助！！帰りに『宮たこ』でたこ焼き買って帰りの新幹線で食おうぜェ！」
仗「はぁ！？あんだけ食ったのにまだ食うのかよ！？」
億「ガクセーの胃袋なめんなよ？それに仗助だってよォ～、カリカリ系のたこ焼きよりもふわふわの蛸大きめのたこ焼き好きじゃねぇか！」
仗「そう言われると食いたくなってきちまったなぁ。そもそもこの漂うソースの香り、食べて下さいって誘ってるようなもんだ」
億「だろ～？2人で半分ずっこだかんな！」
仗「へー、へー。こりゃあ帰りの新幹線、乗客が少ないグリーン席取るしかなさそうだな。ま～、いっか。また賄のあるトニオさんの所でバイトすりゃいいんだし。それに、あんなはしゃいでる億泰の姿見たら、止められる訳ねぇよなァ」
億「ほら、仗助！こっちこっち！」
仗「待てよ！今行く！」