Escort ラクと二人で買い出しに出掛けた帰りに、馴染みのカジュアルなバーに寄る。
ここなら軽食のテイクアウトもできるし、ラク達も、わざわざ年齢確認をされずに酒が飲める。
「トイレも借りとく。お前は?」
「大丈夫です」
「フライのテイクアウトセット頼んでもらえるか?」
「はい。飲み物は?」
「水で」
「わかりました」
そもそもウォノ以外の三人は母国でも若く見えるぐらいだし、ことさら若く見られる。
用を足して戻ると、ラクの両隣に客がいる。
ラクは落ち着いているが、どうやらあまり柄が良くない上、酔って絡んでいるようだ。
兄妹と親しいデフの店員が軽食の包みとミネラルウォーターのボトルをウォノに渡しながら、『警戒中。安全に』とハンドサインで伝える。
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