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    OhLaLa_13

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    魔王の三男坊(にされた)座くん×煉獄先生
    いろいろあって魔界を飛び出してきた魔尊座くんが煉獄さんに恋をして猛アタックして両思いになれたけど、うまくいかないところからはじまる(?)

    #猗窩煉

    魔尊座くん×煉獄先生「あかざ、いい。きみになら……」
     お腹いっぱいだ……と言って、そのまま寝転がって黙ってしまった杏寿郎。そんな無防備な姿にほいほいと誘われた俺は、首の後ろに手を回され、そのまま引き寄せられて──全身にカッと火がついた。
    「杏寿郎……っ」
     半開きの唇を奪い、肘を掴んで覆いかぶさる。汗ばむ腕をたどっては手のひらを重ねて、指のあわいに自分の指先を忍び込ませた。
    「ぅ……ぁ、ぁ」
     下唇を二、三度喰む。力の抜けたところで舌を出すと、ぢゅっとそれが吸われて、脳みそが眩めく。
     チカチカとまたたく視界に首の後ろで警笛が鳴っている気がしたが、烈火の如く胸から湧き立つ激情に全身は支配され、止めることなどできなかった。
    「杏寿郎……杏寿郎……っ」
     直に触れたい。
     杏寿郎のまとう薄いシャツ一枚すら邪魔だと感じた。当然自分の着ているそれもだ。身体を起こして乱暴にトップスを脱ぎ捨てる。乱れた髪を両手でざっと掻きあげると、杏寿郎の舌がちらりと覗いた。細まる目。紅潮する頬。
     ジュッ! と、沸き立つ血が蒸発してしまう──そんな感覚がした。

    「グァッ……‼︎」

     突然するどい叫び声があがり、組み敷いた体が鞭に打たれでもしたかのように跳ねた。
     手のひらには、ジュゥ、と触れたものが灼ける感覚。咄嗟に手を離すも時すでに遅い。
    「杏寿郎ッ‼︎」
     中途半端にめくられたシャツの裾。鍛えられた胸の隆起と見事に割れた腹。なめらかなはずの肌にはしかし、痛々しい紅斑がうかぶ。俺の手のかたちに。
     全身から血の気が引く、とはこういう時のことを言うのだろう。氷の浮かぶ水に身を投げたらきっとこんな風になる。息が詰まって、全身の皮膚や神経がつま先から頭の天辺までぎゅっと縮まって、心臓がガタガタと震える、そんな感覚だ。
     杏寿郎の体から飛び退いた俺は冷蔵庫に走り、氷ストッカーの中身をナイロン袋にぶちまけた。二つ作ったそれを握りしめて彼のもとに急いで戻る。
     仰向けに転がったままの杏寿郎に『冷やすぞ』と声をかけて、両手に持った袋を押し当てた。
     びくんっ、と跳ねた身体はしかし、次第に脱力してゆく。
    「ありがとう」
     首を横にふった。どうして礼を言うんだ。
    「すまない……本当に、すまない」
     俺は穏やかな顔で目を閉じる杏寿郎にひたすら謝り続けた。
     
     
     
     
     ──あぁ、俺はなんと愚かで醜いのか。
     この身に宿る青蓮業火が呪わしい。
     父が死んだのも、師父が死んだのも、一つ上の義兄があんな風になったのも……ぜんぶ俺のせいだ。俺が死ねばよかった。そもそも俺などは、生まれてこなければよかったのだ。
     おかしいよな。そんな呪われた俺が、遠く離れた異界で人を愛したからって、幸せになどなれるはずがない。俺は魔尊で、杏寿郎は人間。生きる世界が違う。どれだけ俺が彼を愛したって、優しい杏寿郎が同じ気持ちだと言って笑ってくれたからって、それを受け取っていいわけがない。
     ……所詮俺は、だれにとっても厄災でしかないのだから。






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    ■にょた百合現パロ
    匂いを言葉で言い表すのは難しい。誕生日プレゼントに、と贈られたボディクリームの蓋を開けると、贈り主の女と同じ、まろい雰囲気の、甘く、ねむたい香りが広がる。ホイップクリームのような空気をたっぷり含んだテクスチャーで、肌に乗せてもベタ付かず、それでいて保湿は申し分ない。正直に言えば気に入っていて、貰ったその日の晩から毎日使っている。きっと、底が見えたら自分で買い足しもするだろう。
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     うそだ。本当は、理科準備室の隣だから。隣の部屋に行くと、何時も先生がいる。真っ新な白衣が眩しい人だ。

     理科室を訪ねて補習を受けるようになってから、何度目かの放課後。受験を控えた二月の在りし日。
    「先生の事が好きです。」
     廊下まで練習場所を広げている吹奏楽部の演奏が漏れ聞こえてる中、衝動などではなく、しっかりと自分の意志でそう告げた。
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     初めて見 1025

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    タトゥースタジオに行く話しです。
    ファーストタトゥーは二の腕に入れた二本のラインだった。左右の腕に対象に入れた藍色の線がしっかりと定着し、痛々しく見える腫れが引くと、もうこのラインがない体を思い出せないくらいしっくりと馴染んだ。次は腹、胸、腕は二本の線から手首へ向かって縦に走るラインも追加した。
     新しいタトゥーを入れるきっかけは衝動のようなもので、ある時ふと素肌であることに違和感を覚えるというものが殆どだった。風呂上がり、鏡に写る自分の体に未だ入れてもいないラインが見えた気がする、そうするともう素肌のままでいるのが心許ないくらいの違和感があるのだ。

     体にある彫り物全てを任せているスタジオに足を運ぶ。雑居ビルの四階、初めて訪ねた時からずっとエレベーターは故障中のままだ。狭い階段を上る、二つの足音が反響する。
    「君、毎度こうやって体に傷を入れる為に階段を上っているのか。」
    「お前だってつまらない授業のために毎日階段を上っているんだろう?」
    「俺の授業は面白いと結構評判がいいんだぞ。」
     新しくタトゥーを入れようと思う、そう恋人に言うのは初めてだった。付き合い当初、衝動に任せてファーストタトゥーを入れる時も黙っていた。 2552