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    ほーこ。

    @hoko0627

    ロドに狂う文字書き

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    ほーこ。

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    大好きなだいずさんへ。
    お誕生日おめでとうございます!

    眠る君に口付けを。「今日一緒に寝てくれる?」

    ドラルクのその一言に口に含んだ紅茶を飲み損ねた。
    噎せる俺に慌ててタオルを差し出すドラルクの手をそのままつかむ。

    「今の、って」

    タオルで垂れた紅茶を拭きつつ動揺は隠せない。
    かぁ、と耳の先を赤くしたドラルク。

    「あ、寝てってその、えっ、ちもいいんだけど、添い寝?ぎゅってして眠りにつきたいんだ」

    いい?
    俺の手を握り返しながら首を傾けるドラルクに意識が飛びそうになる。
    可愛すぎんだろ。

    「いいよ、ぎゅってしてやる。子守唄でも歌ってやろうか?」

    ドラルクを膝に横抱きに乗せて頬にキスを落とす。
    擽ったそうにしながら

    「子守唄は遠慮しておくよ」

    と断られた。

    一緒に寝るはいいが。

    「お前眠くねぇだろ」

    俺の就寝時間に合わせて寝ると言い出した。
    風呂にも入りまったりとした時間を過ごす中、舞い上がっていた俺は漸く気付く。
    膝に乗ったドラルクは

    「いいんだ」

    と答え、甘えるように鎖骨辺りに頬を擦り寄せてきた。
    猫か?…ネコだな。

    「退治人くんはどう?まだ眠くない?」

    額にちゅ、と音を立てて軽くキスをしてまだ睡魔が来ない事を伝える。

    「でも疲れてるんじゃない?ベッドで横になってお喋りしよ」

    首に回されていた手を解き、俺の頬をするりと撫でたドラルクにそれも一興だな、と同意を示す。

    「このまま抱っこしてベッドまで連れてって、って言ったら怒る?」

    少し照れたようにはにかむドラルクに理性を持っていかれそうになるが、何とか耐え

    「承知しました、お姫様」

    と揶揄しドラルクを文字通りお姫様抱っこで客室まで連れていく。
    きゃっきゃ、とはしゃぐ姿は到底200年の時を過ごした吸血鬼だとは思えない程可愛らしく見えた。
    丁寧にシーツの張られたベッドにドラルクを下ろすと自らもそこへ乗り上げる。
    向かい合って横になり俺の腕枕に頭を乗せたドラルクは嬉しそうに身をこちらへ寄せてきた。
    それを助けるように腰に回した腕で引き寄せる。

    「お泊まりは久しぶりだね」

    「そうだな」

    背中に腕が回された。

    「今日は非番だったんだっけ?」

    俺の足に寄せられるドラルクのひやりとした足。

    「夕方依頼人と打ち合わせして、あと原稿もまぁまぁ進めた」

    2人して足を擦り合わせる。

    「まぁまぁ?」

    疑いの眼差しに、うっ、と言葉が詰まる。
    はいはい、すいませんでした。

    「…ちょっと進んだ」

    ドラルクの枕になった手で肩を抱き寄せる。

    「ふふ、原稿しただけ偉い。よしよし」

    背にある腕が撫でるように摩られ、服の摺れる音が聞こえた。

    「ガキかよ」

    「私からしたら十分にね」

    くつくつと堪え切れてない笑い声。
    こんな他愛のない話をしている内に、ドラルクが埋めていた顔を上げた。
    ドラルクの赤い瞳が俺を捉える。

    「相変わらず君は美しいね」

    もう一方の手で俺の頬を撫でながらドラルクは賞賛を与えてくれた。

    「お前の可愛さには負ける」

    会う度に、見る度に思う、ドラルクの天井知らずの愛らしさ。

    「お休みのキスをしようか」

    どちらからとも無く近付いて行く唇が触れ合うのに秒も要らなかった。
    何度もリップ音を響かせ触れ合うだけのキスから、舌でドラルクの唇を割る。
    途端に抱き締めていた体に力が入るのが分かる、が、止められそうにない。

    「んっ」

    開けられた唇に遠慮なく舌をねじ込ませ、差し出された舌を絡め取り、口付けしたままドラルクの頭の下から腕を抜き取って上から覆い被さるよう身を起こす。

    「…っ、ね、寝ないの?」

    キスの合間に何とか言語を発したドラルクに口元だけで笑って見せた。

    「ん?ドラルクが寝そうになったらな」

    寝巻きの端、足に手を添えそこから腿の方へと掌を這わせれば、ドラルクの口から甘い声が溢れ出し半身の熱を呼び起こす。

    「セックスしてからでも添い寝は出来るぜ」

    「ばか」

    唇を尖らせ、頬を膨らます。
    膨れっ面しても可愛いだけなんだよ。
    思ったままを伝えればもう一度ばか、と罵られた。



    結局、コトが済んだのは夜明け近くになってからだった。
    ドラルクの体を拭いてシーツを交換する。
    その際、ドラルクはゆるゆると扉に向かって歩き出したのでどこに行くのかと問えば水を取ってくるだけだからと答えてそのまま扉の向こうへ姿を消した。
    そんなもん後で俺が取りに行くのに、と思いながらも、ドラルクが戻った際すぐに横になれるようベッドメーキングを優先した。
    シーツを張り直すのと同時に扉が開く。
    トレーにカラフェとグラスを乗せ、ドラルクが少し怒った顔で俺を見ている。
    そんな姿も愛らしく自然と笑みが零れた。

    「ほら、こっち、来いよ」

    両の腕を広げ、ゆっくりと俺の方へと歩み寄ってきたドラルクからトレーを受け取り、サイドテーブルに置く。
    もう一度手を広げれば、ドラルクが素直に腕の中に収まりに来て思わず抱き締める力加減を誤りそうになった。

    「せっかく退治人くんを早く寝かしつけようと思ったのに」

    口移しで水分を摂らせた後、再び俺の腕枕に収まったドラルクはそう言った。
    どういう事だと聞き返せば。

    「普段から君は休養が足りていない。私の所へ赴いてくれるのは嬉しい限りなのだが、無理はいけない。だから今日はゆっくりと休んで貰おうと思ったのだが、結果がこれ」

    ぴたりと体を合わせ背に腕を回される。
    ああ、だから眠気は来ないのかとか無理にでもベッドに来させたのだと納得した。

    「ありがとな、ドラルクのお陰で眠れそうだ」

    嘘ではない。
    瞼が重くなる事実を隠し切れない。
    ドラルクはそれは良かった、と笑みを浮かべ

    「子守唄でも歌おうか?」

    と言った。

    「子守唄は遠慮しておくわ」

    釣られて笑ってしまった俺。
    夜明けが近付いている。
    ちゅ、と、唇が奪われた。
    目の前には穏やかに微笑むドラルク。

    「おやすみ、ロナルドくん」

    抱き締める体は体温が低いはずなのに心は温もりを感じている。

    「良い夢を」

    お休みのキスを返してすぐ、俺は瞼を閉じた。



    (ん?)
    (おはよう)
    (はよ、起きてたのか)
    (今しがたね)
    (…?)
    (退治人くんの寝顔を堪能していた所)
    (楽しかないだろ)
    (いや、有意義な時間だったよ)
    (そうかよ)
    (!ちょ、っと)
    (何だよ)
    (あ、当たってるんだが…)
    (当ててんだよ)
    (それ巨乳のお姉さんが言う台詞)
    (いいだろ別に)
    (全く若者はお元気な事で)
    (なぁ)
    (んっ)
    (鎮めて?)
    (…全く、若者はお盛んな事で)
    (ちゅ)
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