芸能パロ石乙(なんか……成り行きでとんでもないことになっちゃったな)
石流から渡された予備のヘルメットを受け取り、それを被ってからバイクに跨がった石流の後ろに同じように座った。「しっかり掴まってろよ」と言われて、石流の背中にぎゅっと抱きついたけれど、石流の背筋も胸筋と同じくしっかりしているが柔らかさもあった。
(まさか……龍さんの家に泊まらせてもらうことになるなんて……いや、でも、ご家族もいるだろうし、ふたりきりとかにはならないから大丈夫かな…)
むしろこんな夜中に転がり込んで本当にご迷惑じゃないんだろうか。そんなことを気にする乙骨を尻目に、バイクは走り出した。
確かに石流の言ったとおり、自宅は今日の撮影現場から近いようで、10分くらいでとあるマンションに着き、そのまま地下駐車場に入っていった。ここってかなり高級なタワマンでは?と思いつつ、バイクの駐車場で停車してエンジンを止めた。
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