さなか
REHABILI一日遅れの露天風呂の日で石乙※存在しない記憶
石乙散文 冷たい空気から逃げるように、ぷちゃんとお湯の中に入る。少し熱いくらいのお湯は、冷めた身体をじんわりと温めて、ふぅとひとつ息を吐いた。
その直後、後ろから「さむっ」という声が聞こえたかと思えば、すぐ隣でざぶんとお湯が盛大に跳ねた。それは見事に自分の顔にもお湯を浴びせてきて、思わず垂れた前髪を掻き上げた。
「……石流さん」
「はぁ~~~やっぱり風呂はいつの時代でも最高だなぁ~~」
こちらの声掛けに、しかし相手はそんな声を漏らすだけで「もう……」と思いながら顔を逸らした。
すると隣に飛び込んできた彼、石流が「ん?」と何かに気付いたようにこちらを見てきた。
「なんだ?なんか言ったか乙骨?」
「ナンデモナイデス」
2464その直後、後ろから「さむっ」という声が聞こえたかと思えば、すぐ隣でざぶんとお湯が盛大に跳ねた。それは見事に自分の顔にもお湯を浴びせてきて、思わず垂れた前髪を掻き上げた。
「……石流さん」
「はぁ~~~やっぱり風呂はいつの時代でも最高だなぁ~~」
こちらの声掛けに、しかし相手はそんな声を漏らすだけで「もう……」と思いながら顔を逸らした。
すると隣に飛び込んできた彼、石流が「ん?」と何かに気付いたようにこちらを見てきた。
「なんだ?なんか言ったか乙骨?」
「ナンデモナイデス」
さなか
MEMO芸能パロ石乙の、ふたりのファンスレネタその2。※某掲示板ネタ注意。ただ、一応作中ではナマモノ扱いのため鍵が掛かったスレッドでの書き込みという設定のため、ある程度言葉の語尾は抑えられているイメージで書いてます。
※今回はドラマで共演した役のカップリングの話が多めなのでその辺もご注意下さい。
石乙芸能パロ 某掲示板ネタ※ここはisgrryさんとotktytくんをそういう視点で見ている人用のスレです。検索避け済、施錠済。晒し、パスの流出禁止。正式名称の明記禁止。
※マナーを守って楽しく語りましょう。
1: 祝2スレ目\(^o^)/
2: ≫1 ありがとうございます!いやー2スレ目行くとは……
3: ≫1 あざーっす!!話題は引き続き前スレ最後に出てきた話でいいですよね??
4: ≫2 私も行くとは思わなかった。供給という名の燃料に感謝ですね。 ≫3 引き続きお願いシャス!!!
5: >前スレ最後の話題 祝!!!!某刑事ドラマのスピンオフ作成、ytくん主演抜擢!!!!
6: ≫5 ワアアアアアア!!!!!!!!!!
7: ≫5 嬉しい……特撮以来の主演じゃん
4939※マナーを守って楽しく語りましょう。
1: 祝2スレ目\(^o^)/
2: ≫1 ありがとうございます!いやー2スレ目行くとは……
3: ≫1 あざーっす!!話題は引き続き前スレ最後に出てきた話でいいですよね??
4: ≫2 私も行くとは思わなかった。供給という名の燃料に感謝ですね。 ≫3 引き続きお願いシャス!!!
5: >前スレ最後の話題 祝!!!!某刑事ドラマのスピンオフ作成、ytくん主演抜擢!!!!
6: ≫5 ワアアアアアア!!!!!!!!!!
7: ≫5 嬉しい……特撮以来の主演じゃん
さなか
REHABILI教師×生徒の学パロ石乙の続き学パロ石乙 ベランダの手すりに肘をついた状態で、石流は咥えていた煙草から口を離し、ふぅと息を吐いた。
口から吐き出された紫煙が目の前に広がったと思えば、他の空気に紛れて霧散していく。先程まで自分がしていたことも、こんな風に見えなくなってしまえたらいいんだが、と一瞬思ってしまったが、それはさすがに無責任すぎるか、と頭をガクリと下に落とした。
そのまま石流は後ろに振り返る。ベランダに面した窓の向こうは寝室で、カーテンの隙間からベッドが見えた。そして、そのベッドの上には1人の少年が肩を露出した状態で眠っていた。何だかんだ最後までしてしまったのだから仕方ないと思ったし、何だかんだ最後までしちまったなぁ~~と思って石流は更に項垂れた。
2346口から吐き出された紫煙が目の前に広がったと思えば、他の空気に紛れて霧散していく。先程まで自分がしていたことも、こんな風に見えなくなってしまえたらいいんだが、と一瞬思ってしまったが、それはさすがに無責任すぎるか、と頭をガクリと下に落とした。
そのまま石流は後ろに振り返る。ベランダに面した窓の向こうは寝室で、カーテンの隙間からベッドが見えた。そして、そのベッドの上には1人の少年が肩を露出した状態で眠っていた。何だかんだ最後までしてしまったのだから仕方ないと思ったし、何だかんだ最後までしちまったなぁ~~と思って石流は更に項垂れた。
さなか
REHABILI教師×生徒の学パロ石乙学パロ石乙 頬にそよそよと当たる風に、石流が目を開けば、白い天井が目の前にあった。
「……あ?」
同時に側頭部にズキリと痛みを感じて、顔を顰めたところで「…気がつきました?」なんて声が聞こえた。
石流が軽く身体を浮かせて声のする方を見れば、石流が寝ているベッドの脇に一人の生徒がちょこんと座ってこちらの様子を見ていた。黒髪に垂れ目、そして学校指定のジャージを着ている彼は、自分が受け持つ選択授業を受けている生徒のひとりだ。
「……乙骨」
「授業中に飛んできたボールが先生の頭に直撃したんですよ、覚えてます?」
言われて石流は「あー」と思った。確かに、今日の授業は球技で、準備体操を終えてから軽くキャッチボールをするように指示したのだが、途中で「危ない!」と言う声が聞こえたと思ったら意識が飛んだのだ。
3844「……あ?」
同時に側頭部にズキリと痛みを感じて、顔を顰めたところで「…気がつきました?」なんて声が聞こえた。
石流が軽く身体を浮かせて声のする方を見れば、石流が寝ているベッドの脇に一人の生徒がちょこんと座ってこちらの様子を見ていた。黒髪に垂れ目、そして学校指定のジャージを着ている彼は、自分が受け持つ選択授業を受けている生徒のひとりだ。
「……乙骨」
「授業中に飛んできたボールが先生の頭に直撃したんですよ、覚えてます?」
言われて石流は「あー」と思った。確かに、今日の授業は球技で、準備体操を終えてから軽くキャッチボールをするように指示したのだが、途中で「危ない!」と言う声が聞こえたと思ったら意識が飛んだのだ。
さなか
MEMO芸能パロ石乙の、ふたりのファンスレネタ。※某掲示板ネタ注意。ただ、一応作中ではナマモノ扱いのため鍵が掛かったスレッドでの書き込みという設定のため、ある程度言葉の語尾は抑えられているイメージで書いてます。
芸能パロ石乙 某掲示板ネタ※ここはisgrryさんとotktytくんをそういう視点で見ている人用のスレです。検索避け済、施錠済。晒し、パスの流出禁止。正式名称の明記禁止。
※マナーを守って楽しく語りましょう。
1: こんなんでよろしいでしょうか。とりあえずryさんとytくんがヤバすぎて語る場所が早急に必要になったので立てました。
2: ≫1 ありがとうございます。私もままならなかったので助かります。いやまじなんなんですかね、あのふたり…。
3: ≫1 あざます!!お仕事早い!!本当に、前々から怪しいとは思ってたんですが、これはさすがにガチなのでは……
4: 元カレのyjくん公認というのが強すぎる……
5: ≫4 それ。昨日のスタライでyjくんが急にryさんの話を振ったと思ったらytくんの慌てよう……これは何かありましたね…。
5191※マナーを守って楽しく語りましょう。
1: こんなんでよろしいでしょうか。とりあえずryさんとytくんがヤバすぎて語る場所が早急に必要になったので立てました。
2: ≫1 ありがとうございます。私もままならなかったので助かります。いやまじなんなんですかね、あのふたり…。
3: ≫1 あざます!!お仕事早い!!本当に、前々から怪しいとは思ってたんですが、これはさすがにガチなのでは……
4: 元カレのyjくん公認というのが強すぎる……
5: ≫4 それ。昨日のスタライでyjくんが急にryさんの話を振ったと思ったらytくんの慌てよう……これは何かありましたね…。
さなか
REHABILI石乙オメガバース(β×α)石乙散文 ギシリとベッドが軋む。
その音に動きを止めれば、自分の腕の下で喘いでいた少年も、荒い息のままこちらを見てきた。
「…いし、ごおり、さん…?」
「……あー、気にするな、あんまりがっつくと、ベッドが壊れちまいそうだと思っただけだ」
石流は苦笑してそう言い、ゆっくりと腰をグラインドさせる。それに少年も眉を寄せながら、それでも気持ちよさそうな声を漏らした。
(……アルファでも、後ろで気持ち良くなれんだな…)
そんなことを今更ながらに思いながらも、石流は先程よりは控え目に、腰の動きを再開させた。
石流が乙骨と、身体を交えるようになったのは、1ヶ月ほど前からだった。石流が乙骨に好きだと気持ちを伝え、乙骨も戸惑いながらその気持ちを受け入れてくれた。両想いになって、キスは何度もしたしスキンシップも増えてきた。身体の関係まで持ち込んでもいいだろうと考えたところで、石流はふと考えた。
5173その音に動きを止めれば、自分の腕の下で喘いでいた少年も、荒い息のままこちらを見てきた。
「…いし、ごおり、さん…?」
「……あー、気にするな、あんまりがっつくと、ベッドが壊れちまいそうだと思っただけだ」
石流は苦笑してそう言い、ゆっくりと腰をグラインドさせる。それに少年も眉を寄せながら、それでも気持ちよさそうな声を漏らした。
(……アルファでも、後ろで気持ち良くなれんだな…)
そんなことを今更ながらに思いながらも、石流は先程よりは控え目に、腰の動きを再開させた。
石流が乙骨と、身体を交えるようになったのは、1ヶ月ほど前からだった。石流が乙骨に好きだと気持ちを伝え、乙骨も戸惑いながらその気持ちを受け入れてくれた。両想いになって、キスは何度もしたしスキンシップも増えてきた。身体の関係まで持ち込んでもいいだろうと考えたところで、石流はふと考えた。
さなか
REHABILI石乙。石流に対して、好きになってはいけない人、と認識しているけど思い通りにならない乙骨くんの話。
石乙散文 乙骨が呪術師をするのは、自分に出来ることをしたいという意識が半分、これまで自分が傷つけてきてしまった人たちへの罪滅ぼしの気持ちが半分、という理由だった。恩師や同級生は、そんな乙骨の気持ちを知っているから頼ってくれたり任されたりもする。乙骨自身はそれが嬉しかったし、もっと頑張りたいという気持ちもあった。
それなのに。
「おい、ちゃんと飯食ったか?」
任務から戻った乙骨の顔を見るなり、そんなことを言ってくる人がいる。こちらが曖昧に返せば、やっぱり食ってないのかって、食堂で作ってもらったおにぎりやらサンドイッチやらを押し付けてくるのだ。しかも、乙骨がそれをちゃんと食べ切るまで見張っている、そんなに暇なのかと突っ込みたくなるが、そんなことを言えるはずもなく、大人しく押し付けられたものを食べる。その様子をよしよしなんて顔で眺めている。
2217それなのに。
「おい、ちゃんと飯食ったか?」
任務から戻った乙骨の顔を見るなり、そんなことを言ってくる人がいる。こちらが曖昧に返せば、やっぱり食ってないのかって、食堂で作ってもらったおにぎりやらサンドイッチやらを押し付けてくるのだ。しかも、乙骨がそれをちゃんと食べ切るまで見張っている、そんなに暇なのかと突っ込みたくなるが、そんなことを言えるはずもなく、大人しく押し付けられたものを食べる。その様子をよしよしなんて顔で眺めている。
さなか
MEMO芸能パロ石乙の短編。乙骨くんが写真集を出したそうです。
芸能パロ石乙 その日、乙骨は一つの紙袋を抱えて、石流の家に向かった。袋の中身は先日出した自分の写真集で、石流にも一冊渡そうと思ったのだ。
出来上がった写真集を知り合いに配るのはよくあることだ、身内だったり共演者だったりお世話になった知り合いだったり。撮影場所は乙骨の生まれ故郷である仙台で、いい写真をいっぱい撮ってもらったから、石流にも見てもらいたいと思っていた。
石流には今日家に行くことは伝えてある。だからオートロックのエントランスを抜けて、エレベータで目的階まで昇り、持っていた合鍵で部屋の扉を開けた。
「龍さーん、来たよー!」
乙骨がそう声を掛ければ、部屋の何処かからか「おー」という声が聞こえた。
「今、シャワー浴びてっから、適当に入っててくれ」
2998出来上がった写真集を知り合いに配るのはよくあることだ、身内だったり共演者だったりお世話になった知り合いだったり。撮影場所は乙骨の生まれ故郷である仙台で、いい写真をいっぱい撮ってもらったから、石流にも見てもらいたいと思っていた。
石流には今日家に行くことは伝えてある。だからオートロックのエントランスを抜けて、エレベータで目的階まで昇り、持っていた合鍵で部屋の扉を開けた。
「龍さーん、来たよー!」
乙骨がそう声を掛ければ、部屋の何処かからか「おー」という声が聞こえた。
「今、シャワー浴びてっから、適当に入っててくれ」
さなか
MEMO芸能パロ石乙の短編。乙骨くんが石流さんに大事な話があるようです。
芸能パロ石乙「龍さん、大事な話があります」
そんな乙骨の声に、石流が顔を向ければ、石流が座っているリビングのソファの隣で、乙骨が何故か正座で座っていた。
例えば何か謝罪をするために正座をするとしたら、恐らく床にするものだろう、いや、そうしろというワケではなく、乙骨が嫌に仰々しく正座なんてしているが、ソファの上でしているのでその雰囲気が完全に台無しになっていることに、乙骨本人が気付いていないのだ。
だから石流も目をパチクリとさせたまま乙骨に「…どうした?」と問い返していた。
乙骨は正座をしたまま両膝に手を置き、ひとつ息を吐いてから視線をあげて石流を見た。
「……いろいろ考えたんですけど、龍さんは僕と、付き合わない方がいいと思います」
2336そんな乙骨の声に、石流が顔を向ければ、石流が座っているリビングのソファの隣で、乙骨が何故か正座で座っていた。
例えば何か謝罪をするために正座をするとしたら、恐らく床にするものだろう、いや、そうしろというワケではなく、乙骨が嫌に仰々しく正座なんてしているが、ソファの上でしているのでその雰囲気が完全に台無しになっていることに、乙骨本人が気付いていないのだ。
だから石流も目をパチクリとさせたまま乙骨に「…どうした?」と問い返していた。
乙骨は正座をしたまま両膝に手を置き、ひとつ息を吐いてから視線をあげて石流を見た。
「……いろいろ考えたんですけど、龍さんは僕と、付き合わない方がいいと思います」
さなか
MEMO芸能パロ石乙の短編。前に書いたのと逆バージョン
芸能パロ石乙 部屋の明かりを少し落として、目の前の画面に集中する。その画面に流れている映像は、侍たちが刀を持ち斬り合う時代劇ドラマだ。その映像の中心にいる男が、向かい来る他の侍たちをバッタバッタと斬り倒していく。それを食い入るように見ていれば、その男の視線がこちらに向けられたような気がしてドキリと胸が高鳴った。
直後。
「ああ?それ、いつのやつだよ?」
「ほぁっ!!??」
座っていた背後の耳元でそう声を掛けられ、テレビに集中していた乙骨は思わずそんな声をあげていた。慌てて振り返れば、今日は帰りが遅いと聞いていたこの部屋の主が立っていた。
「え、龍さん…!?もう、帰ってきて…!?んですか…!?」
「ああ、思ったより撮影がスムーズに済んでな」
2671直後。
「ああ?それ、いつのやつだよ?」
「ほぁっ!!??」
座っていた背後の耳元でそう声を掛けられ、テレビに集中していた乙骨は思わずそんな声をあげていた。慌てて振り返れば、今日は帰りが遅いと聞いていたこの部屋の主が立っていた。
「え、龍さん…!?もう、帰ってきて…!?んですか…!?」
「ああ、思ったより撮影がスムーズに済んでな」
さなか
MEMO芸能パロ石乙の短編。イチャイチャしてるだけ。芸能パロ石乙 とある日の朝、石流は朝食の準備をしながら何気なくカレンダーを見て「お」と思った。
「今日は木曜か……つーことは、ゆうが出てるドラマが昨日だったんだな」
それなら飯を食いながら録画を見るかと思って、焼いていた魚を皿に盛った。
盆に乗せた朝食をリビングのテーブルに運び、リモコンを操作しながら昨日の録画を選択した。みそ汁を啜りつつ、再生されたドラマを見る。見ながら先週の内容を思い出し、そういやこんな内容だったなと思った。
今期のドラマで乙骨が出ているのはサスペンスものだ。とある事件に巻き込まれた主人公が、事件を調べる刑事と対立しながら少しずつ全容が明らかになっていく。乙骨は犯人として疑われた主人公の弟役で、解離性同一症、いわゆる二重人格障害を抱えた難しい役どころだった。
2558「今日は木曜か……つーことは、ゆうが出てるドラマが昨日だったんだな」
それなら飯を食いながら録画を見るかと思って、焼いていた魚を皿に盛った。
盆に乗せた朝食をリビングのテーブルに運び、リモコンを操作しながら昨日の録画を選択した。みそ汁を啜りつつ、再生されたドラマを見る。見ながら先週の内容を思い出し、そういやこんな内容だったなと思った。
今期のドラマで乙骨が出ているのはサスペンスものだ。とある事件に巻き込まれた主人公が、事件を調べる刑事と対立しながら少しずつ全容が明らかになっていく。乙骨は犯人として疑われた主人公の弟役で、解離性同一症、いわゆる二重人格障害を抱えた難しい役どころだった。
さなか
MEMO芸能パロ石乙の短編。電話ネタ。※乙骨の元相方の虎杖(石乙の関係は知ってる)が出てきますがそこのカプ要素はありません
芸能パロ石乙 久しぶりに休みが重なった前日に、乙骨は石流の家に訪れていた。そんな条件が揃っていれば食事を終えてお風呂も済んだ後は、寝室で当然そういう流になると思った。
だが、乙骨が石流のいるベッドに向かおうとしたタイミングで持っていたスマホがバイブした。画面を確認すれば、『虎杖悠仁』と出ていて、そういえば来週インスタライブでコラボをしようと話していてその詳細を今日の夜に決めようと話していたんだった。
(やばっ…!!)
乙骨はベッドにいる石流に慌てて言った。
「すみません、少しだけ電話させて下さい」
「ん?ああ…」
石流が頷いたので、乙骨は応答のボタンをタップしてその電話に出た。
「もしもし?」
『お、憂太?今度のコラボスタライの件だけどさぁ』
2212だが、乙骨が石流のいるベッドに向かおうとしたタイミングで持っていたスマホがバイブした。画面を確認すれば、『虎杖悠仁』と出ていて、そういえば来週インスタライブでコラボをしようと話していてその詳細を今日の夜に決めようと話していたんだった。
(やばっ…!!)
乙骨はベッドにいる石流に慌てて言った。
「すみません、少しだけ電話させて下さい」
「ん?ああ…」
石流が頷いたので、乙骨は応答のボタンをタップしてその電話に出た。
「もしもし?」
『お、憂太?今度のコラボスタライの件だけどさぁ』
さなか
MEMO芸能パロ石乙で、AFネタ。芸能パロ石乙 その日、乙骨が目を覚ましたのは石流の部屋だった。昨日が金曜日だったから仕事帰りに寄ってそのまま泊まったのだ。
付き合っている相手の家に泊まったのだから昨晩はもちろんお楽しみだったので、乙骨は気怠い身体をもそもそ動かしながらベッドから起き上がった。
「……龍さん?」
呼び掛けても石流の声は返ってこなかった。今日も朝から仕事だと言っていたからもう既に出かけたのかもしれない。少し寂しいなぁと思いつつ、乙骨は自身のスマホ画面を見て──それから眉を寄せた。
「……ナニコレ」
乙骨のスマホには大量のメッセージ通知が来ていて、しかも特定の相手ではなく、あらゆる方面の人からメッセージが届いていた上に、インスタの通知も凄まじい数が来ていた。
3044付き合っている相手の家に泊まったのだから昨晩はもちろんお楽しみだったので、乙骨は気怠い身体をもそもそ動かしながらベッドから起き上がった。
「……龍さん?」
呼び掛けても石流の声は返ってこなかった。今日も朝から仕事だと言っていたからもう既に出かけたのかもしれない。少し寂しいなぁと思いつつ、乙骨は自身のスマホ画面を見て──それから眉を寄せた。
「……ナニコレ」
乙骨のスマホには大量のメッセージ通知が来ていて、しかも特定の相手ではなく、あらゆる方面の人からメッセージが届いていた上に、インスタの通知も凄まじい数が来ていた。
さなか
MEMO芸能パロ石乙の短編。雨の日の話。※物凄くしれっと乙骨くんが祓本五条と同居している設定が出てきますが、そこのカプ要素はないです。
芸能パロ石乙 その日の仕事を終えて、石流がスタジオを出ようとすると、外はしとしとと雨が降っていた。
(そーーいや、誰かスタッフが傘持ってるかって聞いてきたっけ。小雨だったら適当に帰ろうと思ったんだが)
雨は土砂降りではなかったが、それでも傘が無ければ数分もしないうちに全身が濡れてしまいそうなほど降ってはいた。戻って誰かに傘を借りるか、売店にでも行って買ってくるか──石流がそんなことを考えていると。
「龍さん?」
不意に呼ばれて振り返れば、乙骨が傘を片手に立っていた。その姿に瞬きをしていれば、乙骨が石流の方に近づいてくる。
「もしかして、傘ないんですか?」
「ああ、まぁ…」
これはもしかして「僕の傘に入ります?」という流れだろうかと石流は期待したのだが、乙骨はあっさりと持っていた傘を石流に差し出した。
2109(そーーいや、誰かスタッフが傘持ってるかって聞いてきたっけ。小雨だったら適当に帰ろうと思ったんだが)
雨は土砂降りではなかったが、それでも傘が無ければ数分もしないうちに全身が濡れてしまいそうなほど降ってはいた。戻って誰かに傘を借りるか、売店にでも行って買ってくるか──石流がそんなことを考えていると。
「龍さん?」
不意に呼ばれて振り返れば、乙骨が傘を片手に立っていた。その姿に瞬きをしていれば、乙骨が石流の方に近づいてくる。
「もしかして、傘ないんですか?」
「ああ、まぁ…」
これはもしかして「僕の傘に入ります?」という流れだろうかと石流は期待したのだが、乙骨はあっさりと持っていた傘を石流に差し出した。
さなか
REHABILIオンとオフの話(石乙)石乙散文「…石流さんって、髪を下ろすとイメージ変わりますよね」
「あ?」
顔を突き合わせて何度かキスをした後、おもむろに乙骨がそんなことを言った。「そーかぁ?」と言って髪を掻き上げれば、「…そういうところですよ」と乙骨がポツリと言った。
その頬がほんのり赤いことに気付いて、石流はニヤリと笑みを浮かべた。
「なんだ、髪を下ろした俺に見惚れてたってことか?」
「…だって本当に、イメージが違いすぎるんですって」
言いながら、乙骨が石流の首に腕を回してくる。
「髪をあげてる時は、すごいはしゃいでて、精神年齢低いイメージ強いんですよね」
「そりゃー、髪型をキメてる時は戦闘中だしな、テンションあがるに決まってんだろ」
それが精神年齢が低くなるのとイコールになるのかというのは別として。
1124「あ?」
顔を突き合わせて何度かキスをした後、おもむろに乙骨がそんなことを言った。「そーかぁ?」と言って髪を掻き上げれば、「…そういうところですよ」と乙骨がポツリと言った。
その頬がほんのり赤いことに気付いて、石流はニヤリと笑みを浮かべた。
「なんだ、髪を下ろした俺に見惚れてたってことか?」
「…だって本当に、イメージが違いすぎるんですって」
言いながら、乙骨が石流の首に腕を回してくる。
「髪をあげてる時は、すごいはしゃいでて、精神年齢低いイメージ強いんですよね」
「そりゃー、髪型をキメてる時は戦闘中だしな、テンションあがるに決まってんだろ」
それが精神年齢が低くなるのとイコールになるのかというのは別として。
さなか
REHABILI石→乙っぽい話。石乙散文#噛みたい指
嫌われるより、無関心でいられる方が余程つらい。そんな風に考えるのは女々しいだろうか、あいつの姿を目で追いながらそんなことをぼんやりと思った。
そもそも相手から好かれることはあっても、自分から好きになることなんて今までなかった。当たり前のように向けられる好意に気紛れに応えることはあったが、自分が一方的に好意を向けることなんて。
好きにしてやるなんて感情もイマイチ湧かない、あいつならそうなるよな、なんて自分に対して無関心である相手のことすら受け入れてしまう。
そもそも同性である彼に、今まで異性に向けていた感情を抱いている時点で、自分の方がおかしいと感じてしまう。彼に向ける自分の好意に1番戸惑っているのは自分自身だ。
1531嫌われるより、無関心でいられる方が余程つらい。そんな風に考えるのは女々しいだろうか、あいつの姿を目で追いながらそんなことをぼんやりと思った。
そもそも相手から好かれることはあっても、自分から好きになることなんて今までなかった。当たり前のように向けられる好意に気紛れに応えることはあったが、自分が一方的に好意を向けることなんて。
好きにしてやるなんて感情もイマイチ湧かない、あいつならそうなるよな、なんて自分に対して無関心である相手のことすら受け入れてしまう。
そもそも同性である彼に、今まで異性に向けていた感情を抱いている時点で、自分の方がおかしいと感じてしまう。彼に向ける自分の好意に1番戸惑っているのは自分自身だ。
さなか
MEMO呪専教師石流設定の石乙石乙散文 何度目か分からない、呪力の高出力指向放出の撃ち合いで、乙骨は相手の呪力出力を上回ることが出来ずに吹っ飛ばされた。
「う、ぐ…!」
「ほらほら、まだまだ足んねぇぞ」
地面に這いつくばる乙骨に、相手はそう言って近づいてくる。乙骨はなんとか身体を起こし、顔をあげて相手を見た。
特徴的なリーゼントとポンパドールの髪型をしたその男は、乙骨が所属する呪術高専の非常勤教師である石流──呪術師の等級と単純な呪力量については乙骨の方が上回るが、呪力出力については右に出るものはいない。
そんな石流は、任務続きで高専の授業に出れない乙骨へ補講と称して野外での訓練をつけてくれていたのだが、乙骨が唯一敵わない呪力出力で撃ち合うだけなんてあまりに一方的ではないかと思っていた。
1505「う、ぐ…!」
「ほらほら、まだまだ足んねぇぞ」
地面に這いつくばる乙骨に、相手はそう言って近づいてくる。乙骨はなんとか身体を起こし、顔をあげて相手を見た。
特徴的なリーゼントとポンパドールの髪型をしたその男は、乙骨が所属する呪術高専の非常勤教師である石流──呪術師の等級と単純な呪力量については乙骨の方が上回るが、呪力出力については右に出るものはいない。
そんな石流は、任務続きで高専の授業に出れない乙骨へ補講と称して野外での訓練をつけてくれていたのだが、乙骨が唯一敵わない呪力出力で撃ち合うだけなんてあまりに一方的ではないかと思っていた。
さなか
REHABILI逃げようとしたら逃げ場を失った乙骨くんの石乙 完結編石乙散文 石流が監視対象の受肉体から、1人の呪術師として呪術上層部から認定されてから数日、乙骨は石流に自分の気持ちを伝えるべく、その機会を伺っていた。
だが、任務では一緒になるものの、それ以外の時間ではなかなか二人きりになれることがなく、今までは乙骨が付きっ切りであったのだが、最近は他の呪術師と一緒にいたり同じ元受肉体の呪術師と交流する機会も増えているようだった。
(どうしよう…まさか任務中に好きです、なんて言えないし……何処かで二人きりになれたりしないかな…)
少し思案して、夜になれば各々の寮の部屋に戻る、そのタイミングで乙骨の部屋か石流の部屋で落ち合えば話が出来るのでは、と浮かんでふと石流に言われたことを思い出した。
4337だが、任務では一緒になるものの、それ以外の時間ではなかなか二人きりになれることがなく、今までは乙骨が付きっ切りであったのだが、最近は他の呪術師と一緒にいたり同じ元受肉体の呪術師と交流する機会も増えているようだった。
(どうしよう…まさか任務中に好きです、なんて言えないし……何処かで二人きりになれたりしないかな…)
少し思案して、夜になれば各々の寮の部屋に戻る、そのタイミングで乙骨の部屋か石流の部屋で落ち合えば話が出来るのでは、と浮かんでふと石流に言われたことを思い出した。
さなか
REHABILI逃げようとしたら逃げ場を失った乙骨くんの石乙 つづき石乙散文 恩師である五条からの呼び出しは石流の扱いに関する話だけであったそうで、「朝早くにごめんね~憂太には早く教えてあげたかったからさ」とさらりと言われた。
その気遣いはとても嬉しかったのだが、別の問題が乙骨の中では発生していた。
(どうしよう……石流さんには好きって言われたし、僕も石流さんが好きだし……つまり両想いってことなんだよね……)
どうしてもほんとに??と疑問符が浮かんでしまうが、事実だけを並べるとそういうことになる。
(好きって……気持ち返した方がいいのかな……そんなことして、いいのかな…)
そんな風に考えながら、とりあえず朝ご飯でも食べに行こうと食堂の方に向かった。すると。
「お、乙骨」
向かう途中であろうことか石流と鉢合わせてしまい、乙骨はドキーンと口から心臓が出そうになった。
2859その気遣いはとても嬉しかったのだが、別の問題が乙骨の中では発生していた。
(どうしよう……石流さんには好きって言われたし、僕も石流さんが好きだし……つまり両想いってことなんだよね……)
どうしてもほんとに??と疑問符が浮かんでしまうが、事実だけを並べるとそういうことになる。
(好きって……気持ち返した方がいいのかな……そんなことして、いいのかな…)
そんな風に考えながら、とりあえず朝ご飯でも食べに行こうと食堂の方に向かった。すると。
「お、乙骨」
向かう途中であろうことか石流と鉢合わせてしまい、乙骨はドキーンと口から心臓が出そうになった。
さなか
REHABILI逃げようとしたら逃げ場を失った乙骨くんの石乙石乙散文「オマエのことが好きだ」
そう言われて抱き締められて、身体が竦んだ。
その言葉の意味を理解し、飲み込む前に唇を奪われて、お誂え向きに背後にあったベッドに押し倒された。
そこでやっと言われた言葉の意味を理解した。それでも信じられない気持ちが勝っていたけれど。
「…っ、なん、で……」
なんで、僕なんかのことを。
苦しげに顔を歪めたけれど、再び降ってきた唇に言葉を塞がれた。
その後はもう、雪崩のようにあっという間に崩れていった。
(ヤバい……石流さんとセックスしちゃった……)
翌朝、乙骨はパンツ一丁でベッドの端に腰掛けて頭を抱えていた。身体中に残る痕跡だとか、お尻の奥に残る生々しい感覚だとか、それらすべてが昨晩の出来事が夢でなかったことを物語っている。
2097そう言われて抱き締められて、身体が竦んだ。
その言葉の意味を理解し、飲み込む前に唇を奪われて、お誂え向きに背後にあったベッドに押し倒された。
そこでやっと言われた言葉の意味を理解した。それでも信じられない気持ちが勝っていたけれど。
「…っ、なん、で……」
なんで、僕なんかのことを。
苦しげに顔を歪めたけれど、再び降ってきた唇に言葉を塞がれた。
その後はもう、雪崩のようにあっという間に崩れていった。
(ヤバい……石流さんとセックスしちゃった……)
翌朝、乙骨はパンツ一丁でベッドの端に腰掛けて頭を抱えていた。身体中に残る痕跡だとか、お尻の奥に残る生々しい感覚だとか、それらすべてが昨晩の出来事が夢でなかったことを物語っている。
さなか
REHABILIバレンタインネタの石乙。正確にはバレンタイン前日ネタです。
石乙散文 その調理場にはプーンと甘い香りが漂っている。部屋の片隅に座っていた石流は、目の前の調理場でせっせとチョコレートを溶かしている乙骨をぼんやりと眺めていた。
今日は2月13日、つまりバレンタインデーの前日である。現代の日本において、バレンタインデーがどんな意味を持つかは石流も受肉した肉体の記憶を通して知っていた。女が好きな男にチョコレートをプレゼントする日、らしい。
乙骨は男だし、女ではないけれど、その慣習通り、好きなやつに渡すチョコレートを作っているのだろう。
(……そんで、その味見を頼まれた俺は、その乙骨がチョコレートを渡したい、好きなやつ、ではないわけだ)
そう考えたら思わずムッとしてしまうのは仕方ないだろう。
3353今日は2月13日、つまりバレンタインデーの前日である。現代の日本において、バレンタインデーがどんな意味を持つかは石流も受肉した肉体の記憶を通して知っていた。女が好きな男にチョコレートをプレゼントする日、らしい。
乙骨は男だし、女ではないけれど、その慣習通り、好きなやつに渡すチョコレートを作っているのだろう。
(……そんで、その味見を頼まれた俺は、その乙骨がチョコレートを渡したい、好きなやつ、ではないわけだ)
そう考えたら思わずムッとしてしまうのは仕方ないだろう。
さなか
REHABILI風呂の日に書きたかった石乙石乙散文 身体を洗った後、ちゃぷりと湯船に足を入れる。熱すぎないその温度にホッと息を吐き、そのまま両足から肩までお湯に浸かった。両手でお湯を掬って顔も洗う。そこで湯船の縁に背中を預けながら、ふぅーっと息を吐いた。
「おい、乙骨、なにじーさんみたいなことしてんだ」
そんな乙骨に対して、広い湯船をすいすいと泳いでいるのは、乙骨の同行者であり監視対象の受肉体である石流だ。その様子をぼんやりと見つめながら、乙骨はポツリと口を開いた。
「……公共のお風呂で泳がないで下さいよ」
「別にいーだろー、今は俺たちしかいねぇんだし」
「それはそうですけど」
チラリと、浴場と脱衣所を繋ぐ扉の方を見るが、誰かが入ってくる気配はない。完全に自分たちの貸し切り状態だ。
2503「おい、乙骨、なにじーさんみたいなことしてんだ」
そんな乙骨に対して、広い湯船をすいすいと泳いでいるのは、乙骨の同行者であり監視対象の受肉体である石流だ。その様子をぼんやりと見つめながら、乙骨はポツリと口を開いた。
「……公共のお風呂で泳がないで下さいよ」
「別にいーだろー、今は俺たちしかいねぇんだし」
「それはそうですけど」
チラリと、浴場と脱衣所を繋ぐ扉の方を見るが、誰かが入ってくる気配はない。完全に自分たちの貸し切り状態だ。
さなか
REHABILI初夜失敗する石乙石乙散文 ふたりきりの部屋で、ベッドに腰掛けた状態で唇を重ねた。その唇を割り開き、舌で口内を撫で、更に身を乗り出したところで、ポスリと相手の身体がベッドの上に倒れ込んだ。
その拍子に唇が離れて、目の前にはぁはぁと荒い息の──乙骨がいる。頬は僅かに赤く染まり、風呂上がりのしっとりと濡れた髪に、ラフなシャツの内側では赤く火照った身体が見えた。
そんな乙骨にのし掛かった状態で、石流はごくりと喉を鳴らした。
「……いいん、だよな…?」
言いながら、布越しに乙骨の身体に触れた。胸元から脇腹に指を這わせて、シャツの裾からそっと手を内側に忍ばせれば、乙骨が「ん…」と声を漏らした。
石流はとっくに乙骨へ気持ちを伝えているし、乙骨も先日、辿々しくも同じ気持ちを返してくれた。抱き締め合って、キスだって何度もした。そろそろ次のステップに進んでもいいだろうと思っていた。
3119その拍子に唇が離れて、目の前にはぁはぁと荒い息の──乙骨がいる。頬は僅かに赤く染まり、風呂上がりのしっとりと濡れた髪に、ラフなシャツの内側では赤く火照った身体が見えた。
そんな乙骨にのし掛かった状態で、石流はごくりと喉を鳴らした。
「……いいん、だよな…?」
言いながら、布越しに乙骨の身体に触れた。胸元から脇腹に指を這わせて、シャツの裾からそっと手を内側に忍ばせれば、乙骨が「ん…」と声を漏らした。
石流はとっくに乙骨へ気持ちを伝えているし、乙骨も先日、辿々しくも同じ気持ちを返してくれた。抱き締め合って、キスだって何度もした。そろそろ次のステップに進んでもいいだろうと思っていた。
さなか
REHABILIえっちなことせずに一緒に寝ている石乙石乙散文 乙骨の眠りは浅い。だから、同じ部屋だが別の場所で寝ている石流が部屋を抜け出したのを何となく気配で察した。恐らくトイレにでも行ったのだろう。そのまま微睡んでいれば、すぐに部屋に誰かが入ってくる気配がして、ああ戻ったのかと思っていれば。
(ん……?)
別の寝床で寝ているはずの石流が、何故か乙骨のいるベッドに入り込んできて、乙骨の身体をぎゅっと抱き締めてきた。乙骨は入口に背を向けた状態で寝ていたから、背中から抱き込まれた状態だった。
石流の腕は乙骨の身体に絡まっているが、その手で身体をもぞもぞ触ってくるワケでもなく、本当に抱き締めてきているだけで、乙骨が後ろを向くように首を回せば、夜目にすやすやと寝ている石流の顔が見えた。
1589(ん……?)
別の寝床で寝ているはずの石流が、何故か乙骨のいるベッドに入り込んできて、乙骨の身体をぎゅっと抱き締めてきた。乙骨は入口に背を向けた状態で寝ていたから、背中から抱き込まれた状態だった。
石流の腕は乙骨の身体に絡まっているが、その手で身体をもぞもぞ触ってくるワケでもなく、本当に抱き締めてきているだけで、乙骨が後ろを向くように首を回せば、夜目にすやすやと寝ている石流の顔が見えた。
さなか
REHABILI髪型とキスの話(石乙)石乙散文「……乙骨」
そう呼ばれて、振り返って、石流さんの顔を見て、あ、これはキスされるって気付くときがたまにある。
部屋にふたりきりでいるときもそうだけれど、任務で呪霊を討伐した後、という時もたまにある。その時、その目は獣みたいに鋭くて、熱くこちらを求めてきていて、とても背筋がゾクゾクしてしまう。
求められたり、必要とされるのは嬉しい。それが自分の好きな人なら尚更。
それでもそういう時の石流さんは、キスして来ても触れるだけのもので済ませることが多い。もちろんその後、寮の部屋に戻ってから、呼吸を奪われるくらいのキスをされるし、身体も求められるけれど。
外だから?という気もするが、石流さんがそこまでTPOを気にするタイプとも思わないし、寮の部屋に戻った直後はやはり触れるだけのもので、がっつり深くシツコク求められるのは、一旦シャワーを浴びてからだ。たまに我慢出来なかったのか、身体をまさぐられることはあるけれど、そういう時はキスをしない──なんでだろう、ってちょっと思った。
1234そう呼ばれて、振り返って、石流さんの顔を見て、あ、これはキスされるって気付くときがたまにある。
部屋にふたりきりでいるときもそうだけれど、任務で呪霊を討伐した後、という時もたまにある。その時、その目は獣みたいに鋭くて、熱くこちらを求めてきていて、とても背筋がゾクゾクしてしまう。
求められたり、必要とされるのは嬉しい。それが自分の好きな人なら尚更。
それでもそういう時の石流さんは、キスして来ても触れるだけのもので済ませることが多い。もちろんその後、寮の部屋に戻ってから、呼吸を奪われるくらいのキスをされるし、身体も求められるけれど。
外だから?という気もするが、石流さんがそこまでTPOを気にするタイプとも思わないし、寮の部屋に戻った直後はやはり触れるだけのもので、がっつり深くシツコク求められるのは、一旦シャワーを浴びてからだ。たまに我慢出来なかったのか、身体をまさぐられることはあるけれど、そういう時はキスをしない──なんでだろう、ってちょっと思った。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙石流って死にやすい役やりそうだなって思ったところから書きたくなった話
芸能パロ石乙 仕事から帰ってきて、ひとっ風呂浴びて、風呂上がりのビールでも飲むかぁってリビングに入ってすぐ。
ソファでテレビを見ていた乙骨に抱きつかれて、何事かと思った。
「……ゆう?」
「龍さんが……死んじゃった」
そしてそんなことを言い出すものだから、なに言ってんだと思って付けたままのテレビに視線を向ければ、ドラマのエンドロールが流れていて、しかもそのドラマは石流が出演していたものだった。
乙骨と共演した刑事ドラマを切欠に、石流は時代劇以外のドラマにも出演するようになった。ただ、件の刑事ドラマでヤクザ役で話題になったこともあり、どうしてもそういう裏社会の人間、という役になりがちだった。
そして今、エンドロールが流れているドラマもチンピラ役として出演していたのだが、そうか、このドラマってこの時間に放送してたのか、なんて今更ながらに気付いた。
1451ソファでテレビを見ていた乙骨に抱きつかれて、何事かと思った。
「……ゆう?」
「龍さんが……死んじゃった」
そしてそんなことを言い出すものだから、なに言ってんだと思って付けたままのテレビに視線を向ければ、ドラマのエンドロールが流れていて、しかもそのドラマは石流が出演していたものだった。
乙骨と共演した刑事ドラマを切欠に、石流は時代劇以外のドラマにも出演するようになった。ただ、件の刑事ドラマでヤクザ役で話題になったこともあり、どうしてもそういう裏社会の人間、という役になりがちだった。
そして今、エンドロールが流れているドラマもチンピラ役として出演していたのだが、そうか、このドラマってこの時間に放送してたのか、なんて今更ながらに気付いた。
さなか
MEMO芸能パロ石乙の年越し番外短編その2短編なのに続いてしまった……1つ前の続きです。
一緒に年越しする(した)話 頭がガンガンするほど痛い。
痛みに呻きながら乙骨が目を開けば、目の前に石流の顔があって、思わずブッと噴き出しそうになった。
(…っ、は!?え、なんで、龍さんが…!?)
しかもスコーと寝ている。薄暗い室内に視線を巡らせれば、そこは石流の寝室だった。そのベッドの上で、石流に抱き締められた状態で横になっていたのだ。
(え……まって、龍さんの、家に、泊まったってこと…?えっと、確かに、大晦日の仕事が終わった後に、龍さんの家に、行く約束はしてた、けど…ぼく、いつ来たっけ…?)
真面目に何も記憶がない。でも徐々に仕事終わりに飲みに誘われたような気がしてきて、もうなんていうか、やらかしたとしか思えない。
(僕また飲み過ぎて記憶トンだ…?え、でも、どうやって龍さんの家に来たんだろ…)
4126痛みに呻きながら乙骨が目を開けば、目の前に石流の顔があって、思わずブッと噴き出しそうになった。
(…っ、は!?え、なんで、龍さんが…!?)
しかもスコーと寝ている。薄暗い室内に視線を巡らせれば、そこは石流の寝室だった。そのベッドの上で、石流に抱き締められた状態で横になっていたのだ。
(え……まって、龍さんの、家に、泊まったってこと…?えっと、確かに、大晦日の仕事が終わった後に、龍さんの家に、行く約束はしてた、けど…ぼく、いつ来たっけ…?)
真面目に何も記憶がない。でも徐々に仕事終わりに飲みに誘われたような気がしてきて、もうなんていうか、やらかしたとしか思えない。
(僕また飲み過ぎて記憶トンだ…?え、でも、どうやって龍さんの家に来たんだろ…)
さなか
MEMO芸能パロ石乙の年越し番外短編一緒に年越しする(予定)話 年の瀬も近づいてきたところで、乙骨に年末年始の予定を聞いてみたら、乙骨も大晦日まで仕事らしい。
「え、龍さんも大晦日仕事があるんですか?」
「ああ、年始の番組の撮影でな」
「……年始の番組のために大晦日まで仕事するって元も子もないですよね…」
ははは、と苦笑しながらそういう乙骨に、オマエも似たようなもんだろ、と思う。
「じゃあ、正月に実家に帰省とかはしねぇのか?」
「そうですね。一日は休みなんですが、二日から仕事なので…あ、もちろん1月半ばにまとまった休みはもらえるんですけど!」
乙骨がわたわたとそう言ってきて、石流は「フーン」と思った。
「だったら年越しはうちに来ねぇか?」
「え?」
「一緒に正月すごさねぇかって言ってんだよ」
3499「え、龍さんも大晦日仕事があるんですか?」
「ああ、年始の番組の撮影でな」
「……年始の番組のために大晦日まで仕事するって元も子もないですよね…」
ははは、と苦笑しながらそういう乙骨に、オマエも似たようなもんだろ、と思う。
「じゃあ、正月に実家に帰省とかはしねぇのか?」
「そうですね。一日は休みなんですが、二日から仕事なので…あ、もちろん1月半ばにまとまった休みはもらえるんですけど!」
乙骨がわたわたとそう言ってきて、石流は「フーン」と思った。
「だったら年越しはうちに来ねぇか?」
「え?」
「一緒に正月すごさねぇかって言ってんだよ」
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙以前投稿したものと同設定の続編。
続いているので前の投稿を先に読んでからご覧下さい。
芸能パロ石乙 所謂BL営業をしていたのは、単にファンの子が喜んでくれるから、という気持ちからだった。男同士で絡むことに嫌だとは思わなかったし、相方の虎杖が明るくてファンサービスが上手かったから、それに同調できるならちょうど良かった。
確かに一部の人からは変とか気持ち悪いとか言われたこともあったけれど、そんなことに悩む暇もないくらい、その頃は毎日どうやったらみんなに楽しんでもらえるかなって考えるので精一杯だった。
その時の経験もあって、俳優として本格的に活動するようになっても、共演者と写真を撮るときはそういう要素を意識するようになった。異性に触ったり近すぎると、今はいろいろ言われてしまうけれど、同性だったら特に言われないし、些細な要素であれば、相手に気付かれることもない。
3090確かに一部の人からは変とか気持ち悪いとか言われたこともあったけれど、そんなことに悩む暇もないくらい、その頃は毎日どうやったらみんなに楽しんでもらえるかなって考えるので精一杯だった。
その時の経験もあって、俳優として本格的に活動するようになっても、共演者と写真を撮るときはそういう要素を意識するようになった。異性に触ったり近すぎると、今はいろいろ言われてしまうけれど、同性だったら特に言われないし、些細な要素であれば、相手に気付かれることもない。
さなか
REHABILI石乙。乙骨くんが石流に告られて流されて付き合ってる、みたいなやつの石流視点。石乙散文 気持ちが溢れてうっかり「好きだ」と言っちまったのが一週間前。その翌日に「僕も好きです」と返されて付き合うようになった。返事をもらってその日のうちにキスもセックスもした。勿論、同意を取った上でだ、食い気味だった自覚はあるが。
初めてあいつの身体に触れたとき、あまりに手垢だらけで驚いた。慣れてる風には見えなかったが、自然とこちらがやりやすいように呼吸を刻んだり体勢を変えたりするのは明らかに経験がある証拠だ。初めてじゃねぇのか、なんて野暮なことは聞かずに、慣れてるなら慣れてるなりに、自分の色に染めちまえばいいと思った。だから、あいつが嫌がらない限り、毎日のようにその身体を抱いた。抱きながら何度も好きだって囁いたし、あいつも気持ちよさそうに達していたから、問題ねぇだろと思っていた。
2089初めてあいつの身体に触れたとき、あまりに手垢だらけで驚いた。慣れてる風には見えなかったが、自然とこちらがやりやすいように呼吸を刻んだり体勢を変えたりするのは明らかに経験がある証拠だ。初めてじゃねぇのか、なんて野暮なことは聞かずに、慣れてるなら慣れてるなりに、自分の色に染めちまえばいいと思った。だから、あいつが嫌がらない限り、毎日のようにその身体を抱いた。抱きながら何度も好きだって囁いたし、あいつも気持ちよさそうに達していたから、問題ねぇだろと思っていた。
さなか
REHABILIサンタ石流の石乙恋人はサンタクロース ザンッと突き立てた刀から呪力を飛ばし、それで呪霊はザフリと消滅した。
そしてそれが最後の一体だったのか、帳が解除されて、乙骨はふぅと息を吐いた。
「お疲れさまです、乙骨術師」
乙骨が帳が張られて居た場所より外に出れば、補助監督が待ち構えていて、そう声を掛けてきた。その人に乙骨はすかさず問いかけた。
「次の現場は?」
次はどこへ向かいどんな呪霊を祓えばいい?
そんな意図を籠めて、乙骨はそう言った。
今日はクリスマスイブだ。恋人や友人、家族と共に過ごす楽しい行事ではあるのだが、それと同時に呪霊も多数発生するXデーでもある。だから乙骨も朝から罰祓の任務に追われていた。もうかれこれ五件目である。
それでも乙骨は特級呪術師であるし、一箇所でも多くの現場を巡り、呪霊を祓わなければならないと思っていた。他の呪術師で手に負えない現場があるのなら、すぐに行きたいと思っていた。
3724そしてそれが最後の一体だったのか、帳が解除されて、乙骨はふぅと息を吐いた。
「お疲れさまです、乙骨術師」
乙骨が帳が張られて居た場所より外に出れば、補助監督が待ち構えていて、そう声を掛けてきた。その人に乙骨はすかさず問いかけた。
「次の現場は?」
次はどこへ向かいどんな呪霊を祓えばいい?
そんな意図を籠めて、乙骨はそう言った。
今日はクリスマスイブだ。恋人や友人、家族と共に過ごす楽しい行事ではあるのだが、それと同時に呪霊も多数発生するXデーでもある。だから乙骨も朝から罰祓の任務に追われていた。もうかれこれ五件目である。
それでも乙骨は特級呪術師であるし、一箇所でも多くの現場を巡り、呪霊を祓わなければならないと思っていた。他の呪術師で手に負えない現場があるのなら、すぐに行きたいと思っていた。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものと同設定の続編。
続きものなので前の話を読んでからご覧下さい。
※公式で絡みのないキャラのやり取りとか適当に捏造しているのでご注意ください。
芸能パロ石乙 乙骨がかつての相方と仕事場で遭遇したその日、石流も仕事でとある撮影所に来ていた。
その日の撮影を終えて、帰宅前に一服しようと喫煙所に向かうと、そこで見知った顔に遭遇した。
「……家入さん」
「ああ、石流くん、久しぶり」
長い黒髪の女性が紫煙を吐き出しながらそう言ってきた。彼女は女優の家入硝子、時代劇にもちょいちょい出演しているので、石流とは見知った仲だった。年齢を考えたら石流の方が年上なのだが、劇中では家入の方が立場が上だったり尻に敷かれることも度々あるので、普段もその辺が微妙に逆転していた。
「今日は撮影?」
「ああ、今日の分は終わった帰りだ」
「へぇ~~例の刑事ドラマをきっかけに時代劇以外の仕事も増えているみたいだし、よかったね」
3444その日の撮影を終えて、帰宅前に一服しようと喫煙所に向かうと、そこで見知った顔に遭遇した。
「……家入さん」
「ああ、石流くん、久しぶり」
長い黒髪の女性が紫煙を吐き出しながらそう言ってきた。彼女は女優の家入硝子、時代劇にもちょいちょい出演しているので、石流とは見知った仲だった。年齢を考えたら石流の方が年上なのだが、劇中では家入の方が立場が上だったり尻に敷かれることも度々あるので、普段もその辺が微妙に逆転していた。
「今日は撮影?」
「ああ、今日の分は終わった帰りだ」
「へぇ~~例の刑事ドラマをきっかけに時代劇以外の仕事も増えているみたいだし、よかったね」
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものと同設定の話。
※乙骨にBL営業経験がある設定が出てくるのでご注意下さい。一応そこの二人はあくまで営業で恋愛感情はない前提です。
芸能パロ石乙 その日、乙骨は取材の仕事を終えて「お疲れさまでした~!」と挨拶して現場を出た後、自身のスマホを確認した。するとメッセージが来ていることに気付いてアプリを開いた後、その内容にほんのりと笑った。
ふんふんと鼻歌交じりに乙骨が向かった方向は、自宅に向かうのとは別の路線への駅だった。
乙骨が向かったのは都内のとある高級タワーマンションの一室で、何度来ても慣れないなぁと思いつつ、インターホンを鳴らした。すると目の前の扉が開き、一人の男が出迎えてくれる。
「よう」
「…こんばんは」
髪を下ろし、シャツとスウェットなんていうラフな格好で現れた彼に内心ドキリとしながらも、乙骨はペコリと頭をさげてそう言った。それから「お邪魔しまーす」と言って部屋に入ろうとすれば。
4754ふんふんと鼻歌交じりに乙骨が向かった方向は、自宅に向かうのとは別の路線への駅だった。
乙骨が向かったのは都内のとある高級タワーマンションの一室で、何度来ても慣れないなぁと思いつつ、インターホンを鳴らした。すると目の前の扉が開き、一人の男が出迎えてくれる。
「よう」
「…こんばんは」
髪を下ろし、シャツとスウェットなんていうラフな格好で現れた彼に内心ドキリとしながらも、乙骨はペコリと頭をさげてそう言った。それから「お邪魔しまーす」と言って部屋に入ろうとすれば。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものと同設定の続き。
くっついたあとの後日談詰め。
※石乙以外の他の公式キャラも出てきますが設定の都合で呼び方とかが違うので気にする方はご注意下さい。
芸能パロ石乙#マーキング
お互いの気持ちを確認して唇を合わせた、その後。
「んっ……」
触れるだけのキスだったそれは、いつの間にか唇を開き、舌を絡め合うものに変わっていた。
「はぁ、ン……ふぁ、はぁ、あ……」
しかも石流が徐々に身体を乗り出してきて、必然的に乙骨は身体を後ろに傾かせて、そのままポスリとソファの上に倒れ込んでしまった。
「っ、りゅう、さ……」
そんな乙骨に石流が覆い被さってきて、更に口付けてくる。
「……憂太」
そして耳元でそう名前を呼ばれて、ゾクリと身体が震えた。普段はあだ名みたいに「ゆう」って呼ぶのに、急にその呼び方はあまりに卑怯だ。
耳朶をペロリと舐められ、そのまま頬から顎に唇を這わされて、首筋にも吸い付かれた。
4184お互いの気持ちを確認して唇を合わせた、その後。
「んっ……」
触れるだけのキスだったそれは、いつの間にか唇を開き、舌を絡め合うものに変わっていた。
「はぁ、ン……ふぁ、はぁ、あ……」
しかも石流が徐々に身体を乗り出してきて、必然的に乙骨は身体を後ろに傾かせて、そのままポスリとソファの上に倒れ込んでしまった。
「っ、りゅう、さ……」
そんな乙骨に石流が覆い被さってきて、更に口付けてくる。
「……憂太」
そして耳元でそう名前を呼ばれて、ゾクリと身体が震えた。普段はあだ名みたいに「ゆう」って呼ぶのに、急にその呼び方はあまりに卑怯だ。
耳朶をペロリと舐められ、そのまま頬から顎に唇を這わされて、首筋にも吸い付かれた。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものの同設定の続き
芸能パロ石乙(なんか……成り行きでとんでもないことになっちゃったな)
石流から渡された予備のヘルメットを受け取り、それを被ってからバイクに跨がった石流の後ろに同じように座った。「しっかり掴まってろよ」と言われて、石流の背中にぎゅっと抱きついたけれど、石流の背筋も胸筋と同じくしっかりしているが柔らかさもあった。
(まさか……龍さんの家に泊まらせてもらうことになるなんて……いや、でも、ご家族もいるだろうし、ふたりきりとかにはならないから大丈夫かな…)
むしろこんな夜中に転がり込んで本当にご迷惑じゃないんだろうか。そんなことを気にする乙骨を尻目に、バイクは走り出した。
確かに石流の言ったとおり、自宅は今日の撮影現場から近いようで、10分くらいでとあるマンションに着き、そのまま地下駐車場に入っていった。ここってかなり高級なタワマンでは?と思いつつ、バイクの駐車場で停車してエンジンを止めた。
4774石流から渡された予備のヘルメットを受け取り、それを被ってからバイクに跨がった石流の後ろに同じように座った。「しっかり掴まってろよ」と言われて、石流の背中にぎゅっと抱きついたけれど、石流の背筋も胸筋と同じくしっかりしているが柔らかさもあった。
(まさか……龍さんの家に泊まらせてもらうことになるなんて……いや、でも、ご家族もいるだろうし、ふたりきりとかにはならないから大丈夫かな…)
むしろこんな夜中に転がり込んで本当にご迷惑じゃないんだろうか。そんなことを気にする乙骨を尻目に、バイクは走り出した。
確かに石流の言ったとおり、自宅は今日の撮影現場から近いようで、10分くらいでとあるマンションに着き、そのまま地下駐車場に入っていった。ここってかなり高級なタワマンでは?と思いつつ、バイクの駐車場で停車してエンジンを止めた。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものと同設定の続き。
芸能パロ石乙 薄暗い廃ビルの中、抉れて鉄骨が露出した壁に配管が壊れたのか水の滴る床──という、現場のセット。
目の前には頭と肩から血を流し、荒い息をしているスーツの青年──という、演技をしている乙骨。
その彼に向かって、自分は深刻な表情で、決められた台詞を口にする。
『てめぇ……どうして俺のことなんか庇った?』
乙骨に屈み込んで様子を伺えば、乙骨はハッと笑って台詞を返してきた。
『…っ、当然、でしょう…?あんただって、俺にとっては、護るべき……市民なんだ、から……』
『……バカヤロウ』
その言葉を受けて、石流がクシャリと表情を歪めてそう返す。それから少し見つめ合ったところで、監督から「カット!」の声が掛かった。
石流が張っていた気を緩めれば、乙骨も少し無理な体勢だったので、よっと身体を起こした。監督やスタッフの方を見れば、モニターで先程撮影した映像を確認しているようで、少ししてから「よし、OK!」と声が掛かった。
3240目の前には頭と肩から血を流し、荒い息をしているスーツの青年──という、演技をしている乙骨。
その彼に向かって、自分は深刻な表情で、決められた台詞を口にする。
『てめぇ……どうして俺のことなんか庇った?』
乙骨に屈み込んで様子を伺えば、乙骨はハッと笑って台詞を返してきた。
『…っ、当然、でしょう…?あんただって、俺にとっては、護るべき……市民なんだ、から……』
『……バカヤロウ』
その言葉を受けて、石流がクシャリと表情を歪めてそう返す。それから少し見つめ合ったところで、監督から「カット!」の声が掛かった。
石流が張っていた気を緩めれば、乙骨も少し無理な体勢だったので、よっと身体を起こした。監督やスタッフの方を見れば、モニターで先程撮影した映像を確認しているようで、少ししてから「よし、OK!」と声が掛かった。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものと同設定の続き。
芸能パロ石乙 出演させてもらったドラマの打ち上げに参加した乙骨は、気がついたら自宅のベッドにいて「あれ?」となった。自分はいつどうやって帰宅したのかまったく覚えていない、昨日はドラマの関係者に挨拶ついでにしこたまお酒を飲んでしまい、打ち上げの途中から記憶が完全に途切れていた。内心こわすぎる……と思いつつ、マネージャーに連絡を取ったら、どうやらマネージャーが車で自宅まで送ってくれたらしい。
『あと、石流さんも』
「え、龍さんも一緒だったんですか!?」
『というか、憂太くんが石流さんから離れてくれなくて……ちゃんと後でお礼言って下さいね』
マネージャーにそう言われ、背中にだらだら汗を掻きながらも「はい……」と乙骨は頷いた。
3108『あと、石流さんも』
「え、龍さんも一緒だったんですか!?」
『というか、憂太くんが石流さんから離れてくれなくて……ちゃんと後でお礼言って下さいね』
マネージャーにそう言われ、背中にだらだら汗を掻きながらも「はい……」と乙骨は頷いた。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。以前投稿したものと同設定の話。
しれっと石流がバツイチ子持ち(別居)なのでご注意下さい。
あと地味に続きます。
芸能パロ石乙「お疲れさまでした、かんぱーい!!!」
そんな号令と共に、カチャカチャとグラスの当たる音が響く。その日はとある刑事ドラマの打ち上げが、とあるホテルのワンフロアで行われていた。出演者だけでなく、脚本家や演出家、プロデューサーやその他、スタッフ一同が集まり、酒とビュッフェ形式の食事に舌鼓を打っていた。
出演者の一人である石流は歓談しながら関係者に挨拶して回り、その度に「よかったよ~~」と肩を叩かれた。
「まさか石流くんのあの役にあんな出番があるとはね」
「最初は乙骨くんの役のメイン回一回のみの予定だったんでしたっけ?」
「むしろあの回が急遽作った回なんだから、想定外も想定外ですよ」
演出家の確認に脚本家が笑ってそういう。
3930そんな号令と共に、カチャカチャとグラスの当たる音が響く。その日はとある刑事ドラマの打ち上げが、とあるホテルのワンフロアで行われていた。出演者だけでなく、脚本家や演出家、プロデューサーやその他、スタッフ一同が集まり、酒とビュッフェ形式の食事に舌鼓を打っていた。
出演者の一人である石流は歓談しながら関係者に挨拶して回り、その度に「よかったよ~~」と肩を叩かれた。
「まさか石流くんのあの役にあんな出番があるとはね」
「最初は乙骨くんの役のメイン回一回のみの予定だったんでしたっけ?」
「むしろあの回が急遽作った回なんだから、想定外も想定外ですよ」
演出家の確認に脚本家が笑ってそういう。
さなか
MEMO時代劇俳優×若手俳優の芸能パロ石乙。前に書いた話と同設定の話で、時間軸は少し前。
芸能パロ石乙「乙骨くん」
声を掛けられて振り返れば、顔見知りのスタッフだった。「お疲れさま」と言われて「お疲れさまです」と返した。
「今から休憩入るの?だったらこれ」
そう言ってそのスタッフが渡してきたのだ仕出し弁当だった。しかもふたつ。
「えっと、僕はひとつで充分ですけど、もう一つは…?」
乙骨が不思議そうにそう問えば、そのスタッフは「ああ」と頷いた。
「石流さんの分」
「えっ」
「休憩一緒に入ったよね?渡しといてくれない?」
ニコニコ笑みを浮かべながらそう言ってくるスタッフは、乙骨の心情なんて丸わかりなのだろう。乙骨は「分かりました」と言って、ふたり分の弁当を抱えた。
「あの」
「うん?」
「ありがとうございます」
乙骨がそのスタッフにそう言えば、相手はニコニコ笑って「気にしないで~」と言いながらこちらに背を向けた。
2820声を掛けられて振り返れば、顔見知りのスタッフだった。「お疲れさま」と言われて「お疲れさまです」と返した。
「今から休憩入るの?だったらこれ」
そう言ってそのスタッフが渡してきたのだ仕出し弁当だった。しかもふたつ。
「えっと、僕はひとつで充分ですけど、もう一つは…?」
乙骨が不思議そうにそう問えば、そのスタッフは「ああ」と頷いた。
「石流さんの分」
「えっ」
「休憩一緒に入ったよね?渡しといてくれない?」
ニコニコ笑みを浮かべながらそう言ってくるスタッフは、乙骨の心情なんて丸わかりなのだろう。乙骨は「分かりました」と言って、ふたり分の弁当を抱えた。
「あの」
「うん?」
「ありがとうございます」
乙骨がそのスタッフにそう言えば、相手はニコニコ笑って「気にしないで~」と言いながらこちらに背を向けた。
さなか
REHABILI石←乙がだだ漏れてる前提の石乙を書こうとしたらなんか薄暗くなってしまった。石乙散文 普段の乙骨は、正直あまり感情を表に出さない。特に呪術師として任務をこなしている時は無感情で淡々としている。その顔から感情は読みにくかった。
「……石流さん」
だが、寮の部屋に戻ってふたりきりになると、乙骨の感情は驚くほどダダ漏れだ。今も名前を呼ばれて顔を向ければこちらを見つめてくるほんのりと頬を染めたその顔は、明らかに「キスしたい」と言っている。そんな顔されたらしないなんて選択肢もなく、そのまま口付けを落とした。
好きだと最初に言ったのは自分の方だったし、乙骨はむしろこちらの好意に戸惑ってすらいた。だが、乙骨からも同じ気持ちを返された時は、信じられない気持ちと同時に、乙骨があまりにこちらを好きだという気持ちを隠さないものだから、これは遠慮する必要なんてないよなと思って、その日のうちに身体ごといただいてしまった。
1348「……石流さん」
だが、寮の部屋に戻ってふたりきりになると、乙骨の感情は驚くほどダダ漏れだ。今も名前を呼ばれて顔を向ければこちらを見つめてくるほんのりと頬を染めたその顔は、明らかに「キスしたい」と言っている。そんな顔されたらしないなんて選択肢もなく、そのまま口付けを落とした。
好きだと最初に言ったのは自分の方だったし、乙骨はむしろこちらの好意に戸惑ってすらいた。だが、乙骨からも同じ気持ちを返された時は、信じられない気持ちと同時に、乙骨があまりにこちらを好きだという気持ちを隠さないものだから、これは遠慮する必要なんてないよなと思って、その日のうちに身体ごといただいてしまった。