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    haru0551

    @haru0551

    土銀でたまにお話書いてます。
    応援絵文字ありがとうございます✨

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    haru0551

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    オセロの続きです
    ヒジカタくん大学生活編に

    #土銀八
    ##オセロ

    オセロゲーム④ 銀魂高校を卒業して、近藤と一緒に地元の大学へ進学して、二年目の春を迎えた。銀八に振られた後の記憶は曖昧だ。さすがに数日は外にも出ず、部屋に籠りっぱなしだったから、義兄を随分心配させた。だが、人として学生として、生活が大きく切り替わる節目の時節に、ゆっくりと落ち込んでいる暇は与えてもらえない。
     入学の準備に加え、春休みの間に自動車免許を取得すると義兄との約束もあった。忙しさに流されながら新生活がスタートし、いつの間にか日々は過ぎていった。
     近藤が剣道部に入部するというから、一緒に入った。1年間浪人していた沖田も同じ大学に入ってくると、当然とばかりに剣道部に所属する。結局、高校時代と変わらず、3人で一緒にいることが多かった。
     
     あの頃の事を冷静に振り返ると、銀八は最初から脈などなかったのだ。生徒が精神的に落ち込み、学業の妨げにならないよう、教師として告白を躱す事で配慮していたのだろう。もし自分が同じ立場でも多分そうする。というか、そうせざる得ない。
     そんな事も気付けずに、銀八へ押しの一手だった当時の俺に喝を入れてえ。
     まあ、そんな風に振り返られるようになったのは、割と最近だ。やはり傷ついてはいたから、なるべく思い出さないようにしていた。あれから、銀八とは一度も会ってない。さすがにまだそこまで割りきれてはいなかった。もし望めるなら、何十年かたって同窓会ででも偶然顔を合わせ、『元気か?』と銀八に笑ってもらえたらと思っている。まあ、そんな事など一生来ないかもしれねェが……。再び気が滅入りそうになり、土方はそれ以上の思考を停止する。
     ずり落ちた眼鏡を鼻に掛け、咥えタバコで銀色の天パを揺らす銀八の笑った顔が脳裏に浮かぶ、
     全然、未練たらたらじゃねェか。
     自分の執着心にいら立ち大きく舌打ちしてしまい、そばを通りすぎた学生が何事かと土方に視線をやった。
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    Replies from the creator

    haru0551

    PROGRESSオセロ続きです。
    理由があって、ヒジカタくんと鉄子が映画に行くことに…。
    苦手な方は回避してください。
    ※捏造世界での土銀八ですので、何でも許せる方のみお願いします💦
    オセロゲーム⑥ 土方の提案は、一度だけ二人で映画に行って鉄子の口から村田に『思っていたのと違った』と伝えて貰うというものだった。さすがにそこまでして違ったとなれば、村田もこれ以上の世話を焼いてはこないだろう。
    「正直、あんたが村田先輩を説得できるとは思えないからな」
     少々、辛辣かもしれないが、土方は正直な気持ちを口にした。鉄子も同じことを思っていたのか、少し考えている様子だったが、土方の提案に頷いた。
     ならばと詳しい打ち合わせをするためにラインを交換し、鉄子とはその日は別れた。
     次の日、村田に鉄子と映画に行ってみる事を伝えた。やはり妹のことが大事なのか、「そうかっ!」と村田は嬉しそうに叫んだ。土方は少し良心が痛むが、それよりも早くこの件を解決して、またいつもの心穏やかな日々を取り戻したいという気持ちの方が優位だった。土方は心の中ですまねえと頭を下げながら、「ただ、どうなるかは分からねぇ。それまでは他言無用でお願いしたい」と肝心なことを村田に約束させる。
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