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    めてぃ

    結界師正良の妄想をほぼ壁打ちでただ垂れ流すだけのアカウント。
    あとは自作正良ぬいで色々と写真取ってます。
    メモとあるのはほぼ小説かほんとにメモだけです。
    なにかあればTwitterかマシュマロまでどうぞ。

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    めてぃ

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    遅刻したけど、書きたかったチビ正良のクリスマス。

    クリスマスの日にTwitterで呟いた内容で書いてみました。
    CP要素いつも通りゼロの仲良し兄弟です。

    学校から帰ると、父さんが神妙な面持ちで茶の間で考え込んでいた。
    「父さん、どうしたの?」
    「あ、正守おかえり。おやつあるよ」
    「ありがとう。手洗ってくる」
    ひとまず手を洗い、こたつに入りながら先ほどの続きを聞く。
    「それがね、良守がサンタさんなんていないって言うんだよ」
    「え?良守が?なんで?」
    正守はとっくに正体を知っていたが、良守は昨年までは信じていたし、まだ疑うには早いような気がする。
    「今日、公園でお友達と遊んでいるときにそんな話題になったみたいでね。サンタさんはいなくてお父さんだったんでしょって言うんだよ。僕がサンタの格好をしてサンタだよなってやったってそれこそだし、どうしよう正守~」
    それを自分に相談されてもと思ったが、まだサンタさんを信じさせてやりたい兄心もある。
    「ちょっと考えてみるよ」

    こたつで寝転がって本を読んでいると、良守がやってきた。
    「兄ちゃん、サンタさんなんていないって知ってる?あれはお父さんなんだって。僕、騙されてたの?」
    そんな話をしながら隣に入って来た。聞いていた話は本当だった。騙されてたの?と聞いてくるあたり、まだ半信半疑で信じたい気持ちが強いのだろう。
    「兄ちゃんは、サンタさんいると思うけどな」
    「あれはお父さんなんだってよ」
    「え~兄ちゃんはお父さんじゃないサンタさんに会ったことあるけどなぁ」
    「え?!会ったことあるの?」
    あまりの驚き方に微笑ましくなる。
    「あるある。あれは父さんじゃなかったなぁ」
    「すげえ~」
    兄の言うことを素直に信じてくれるならまだ勝算はありそうだ。
    「ちゃんといい子にしてたら、良守のところにも来るんじゃないの?」
    「わかった!僕いい子にしてる!」
    これで、あとは当日に計画していることを実行すれば良守も信じざるをえないだろう。心の中で成功を確信した。

    数日後、部屋にいると外に遊びに行ったはずの良守が大泣きしながら帰って来た。
    部屋からひょこっと顔を出すと、それに気づいた良守が走り寄って来た。
    「兄ちゃんの嘘つき!バカ!」
    顔を真っ赤にして怒りながらポカポカ叩いてくる。そこまで怒られる何かをしただろうか?
    「なんだよいきなり。なにが嘘つきなんだよ」
    余りの言われように腹が立って、どうしても怒った口調になってしまう。
    「だって~、兄ちゃんが嘘教えたからまた僕バカにされたんだもん」
    それだけ言うとまた大声で泣き始める。嘘とはなんのことだろうかと首をひねる。
    「兄ちゃんが嘘を教えるわけないだろ」
    「だって、兄ちゃんがサンタさん見たって言ってけど、そんなのいないって。兄ちゃんがおかしいんだって、嘘ついてるって言われたんだもん」
    あの話の続きだった。まあ、たしかに嘘は教えたが、そこまで怒られなければいけないほどなのだろうか。そこまでサンタを否定してくる良守の友達に腹が立ってきた。
    「ふーん、良守は兄ちゃんの言うことのほうが信じられないんだ?そっか。じゃあそのお友達の言うこと信じたら?」
    突き放すように言う。
    「え?」
    「だって、俺が嘘ついてるって思ってるんだろ?」
    「違う!兄ちゃん信じてるから!」
    双方からそれぞれ言われて内心混乱しているのだろう。
    「こないだ言ったろ。いい子にしてたら来るって」
    「うん…」
    「信じてないなら本当に来ないかもな~」
    「やだ!サンタさんにおねがいするんだもん」
    「だったらいい子にしてなよ」
    「うん…」
    まだ納得いかない様子だったが、ひとまずこの話は終わりにした。

    当日に向けて正守は色々と準備を進めた。
    まずは、一番話を聞いてくれなそうな斑尾を説得する。
    「なんで、私があのちんちくりんのためにそんなことしなくちゃいけないのよ~あ~もう!」
    「鹿は無理だけど、今度生のお肉持ってくるから」
    実際に生肉など食べないのは分かっているが、いつも冗談でも言われるので先にこちらから申し出る。
    「わかったわよ。あんたの弟思いの気持ちにちょっと手伝ってやるだけだからね。私、そんなことするためにいるわけじゃないのよ」
    「ありがとう!斑尾!」
    お礼を言うと、踵を返して次の準備へと向かう。
    「あら?私早まったかしら?」
    正守の後姿を見送りながら、斑尾はため息をついた。

    クリスマスイブの深夜。
    正守はいつも通り、烏森へ出かける。クリスマスだからと妖が休んでくれるわけではない。
    良守が寝る前にちゃんと寝ていないと来ないかもよと念を押したので、夜更かしをしてサンタを待ち構えるということはないだろう。夜に寝てもらうためにあえて昼寝もさせずに一緒に遊んでいたのでそんな心配はなさそうだが。
    一通りの仕事を終えて家に帰ると、そのまま良守が寝ている部屋へ向かう。まだ一人では寝れないので当然、父さんも一緒なのだがそのほうが都合がよい。
    「良守、起きろ!今そこでサンタさんとすれ違った!」
    「えっ?」
    眠り目をこすりながら起き上がる。言われた意味を考えているのか、しばらくぼーっと動きが止まる。
    「え?えー!?」
    やっと理解できたのか、一気に目が覚めると枕もとを慌てて確認する。
    「プレゼントがある!」
    プレゼントを確認すると同時に、父さん、そして正守の顔を順番に見る。
    プレゼントは手元にある、父と兄も普段と変わらない格好でいる。それでも、寝てる間に枕元において起こしだだけかもしれないと、疑いの目を向ける。
    「今、兄ちゃんそこで会ったから追いかけたら間に合うかもよ!」
    正守の演技に騙された良守は、急いで上着を羽織ると玄関から飛び出る。
    「兄ちゃん、やっぱりいないよ…僕のことだましたの?」
    あとから出てきた正守を見上げる。
    「何言ってるんだよ?ほら!あそこ見てごらん」
    指さした先には、空を飛ぶサンタとトナカイの姿があった。目をこすって何度も確かめる良守だったが、間違いのない姿に満面の笑みを浮かべる。
    「サンタさんいた!!嘘じゃなかった!!」
    「だろ?兄ちゃん嘘なんてつかないよ。でも、これはいい子にしてないと見えないから、お友達には内緒だよ?約束できる?」
    「うん!」
    「じゃ、寒いからそろそろ入ってもう寝ようか」
    「うん。兄ちゃん一緒に寝よう」
    満足した顔をして玄関を入っていく。
    正守は、一瞬空を見上げると小さくつぶやく。
    「解」
    それと同時にサンタとソリは消え、トナカイの角をつけた斑尾が空から降りてきた。
    「斑尾、ありがとう」
    「まったく、あの子には甘いんだから。もう私は寝るわよ」
    そう言いながら、すーっと小屋に消えていった。




    みたいなチビ時代なかったですかね??って思い付きで書いてみました。
    いちお、皆さんに見えていたか分からないですが、トナカイを斑尾、ソリを結界、サンタを正守の式神でやりました。そんなんできるんですかね?
    ショタ正良って需要あるのかなと思いつつ、書きやすいのでつい書いてしまいます。
    兄ちゃん大好きっこ良守と、弟可愛くて甘やかしたい正守が大好きです!
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