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    めてぃ

    結界師正良の妄想をほぼ壁打ちでただ垂れ流すだけのアカウント。
    あとは自作正良ぬいで色々と写真取ってます。
    メモとあるのはほぼ小説かほんとにメモだけです。
    なにかあればTwitterかマシュマロまでどうぞ。

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    めてぃ

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    以前、大型バイクに乗る正守が見たいと書き始めたものの、謎時空な話になってしまった・・・

    タンデム授業も終わり、教科書をリュックに詰めて帰ろうかと思っていると市ヶ谷が教室に駆け込んできた。
    「校門の外に、超絶イケメンな人がバイクで誰かを迎えに来てるんだって。女子たちが慌てて見に行ってる。お前も見に行かない?」
    「興味ない」
    どおりで先ほどから、みんなザワザワしながら教室を猛スピードで去っていったわけだ。
    高校2年にもなって相変わらず、情報屋として駆け回っている市ヶ谷が見逃すわけがなかった。
    「なんだつまんねぇな。お前ほんとそういうの興味ないよな?」
    「別に」
    「お前、彼女一生できなそう。そして童貞だろ?」
    「ど、童貞?」
    「そんなことで動揺してマジか?」
    「お前に関係ねぇだろ」
    「ま、いいけど。じゃあ俺はそのイケメンの顔を拝みに行くからまた明日」
    そういうと、脱兎のごとく去っていった。
    (童貞かと言われればそうかもしれないが、でも俺の場合もそうなんだろうか・・・)
    ふと自分の状況を顧みる。彼女はいないが、彼氏はいる。そして自分は抱かれる側だ。
    彼女が欲しいかと言われれば別にいらない。今の状況に満足している。周りに言えないことを除いては。
    とても大事にしてくれているのがわかるし、抱かれればそれは天にも昇るほど気持ちいいので、そこは不満には思わない。
    今日も帰りに待ち合わせをしてデートの予定だ。終わったら連絡をすることにしていたが、とりあえず学校を出てからでもいいかと、リュックを背負うと教室をあとにした。
    校舎を出て校門に向かうと、先ほど聞いた通り人だかりの山ができていた。
    どうやら校門の外側にいるらしい。
    校門をふさぐ形で人だかりができており、ただでさえ狭いので通るに通れない。
    (くそっ)
    人山をかき分けて進みたいのに、割り込まれると思っているのかガードが固く全然前に進まない。一進一退を繰り返しながらなんとか抜け出すと、そこは人だかりの中心だった。
    「「「「「きゃ~~」」」」」
    そのとたん、耳をつんざくほどの悲鳴に近い嬌声が上がる。
    訳も分からず張本人のほうを見た瞬間、あまりに見知った人がいて固まった。
    「は?」
    思わず声がこぼれてしまった良守の視線の先にいたのは、ライダースジャケットに革のパンツ、ブーツを身にまとい、大型のバイクに寄りかかって惜しげもなく長い脚を披露している自分の兄がサングラスを外したところだった。
    「兄貴??」
    嬌声に紛れて届かないほどの小さな声だったにもかかわらず本人の耳には届いてようだ。
    「よう!良守」
    軽く片手をあげる正守の視線の先にいた良守に、聴衆の視線が一気に集まる。
    誰だお前はと突き刺さる視線の数々に思わず身をすくめる。
    正守は気にした様子もなくこちらを見ている。
    いたたまれなくなった良守は仕方なく、聴衆の前に歩み出ていった。さきほど突き刺さった視線が外れることはなく追いかけてきていて、無意識に体が縮こまる。
    「なんでこんな格好でここにいるんだよ?」
    「たまにはいいだろ?」
    「よくねぇよ。どうすんだよ、この人だかり」
    「別によくない?ほっとけば」
    「は?」
    この周りに無頓着な兄貴が心底ムカついた。
    「おいおい、墨村。こちらは?」
    そんな中、市ヶ谷が人山をかき分けてこちらに来ると、正守と良守の顔を行ったり来たりして見ている。
    「兄貴だよ」
    「え?こちらが?まさかあの伝説の?」
    「伝説ってなんだよ!」
    「初めまして。墨村君の友達の市ヶ谷と言います」
    良守の質問には答えず、勝手に正守に自己紹介を始めている。
    「いつも良守がお世話になってます」
    「いえいえとんでもないです。まさか墨村君のお兄様だったとは。お噂はかねがね・・・」
    会話が盛り上がる二人に良守は置いてけぼりになる。
    「だから噂ってなんだよ」
    「お前知らないの?」
    「コイツ周りに興味ないからさ、なあ良守」
    「お前が言うな!」
    周りに興味ないのは正守お前だろと思う良守だったが、ふと周りの視線を思い出す。いまだ輪の中心になっており、三人の会話に皆くぎ付けになっている。ヒソヒソと話す声も聞こえ、一刻も早くこの場から立ち去りたくなった。
    「もういいや、早く帰ろう」
    少し上に顔がある正守に訴えるとどうしても上目遣いになってしまう。高校生になって背が伸びたとはいえ、いまだこの兄には追いつけない。同じ遺伝子のはずなのに悔しくもある。
    だが、正守はそんな良守の無意識の上目遣いにいつもキュンと胸を撃ち抜かれた。
    「じゃあ、行くか、ほら」
    そういうとヘルメットを渡されるが、良守はかぶったことがない。ましてや兄がこんな大型バイクに乗ってることすら初めて見たというのに。
    ヘルメットをとりあえず被る。フルヘルメットということもあり少し窮屈だが、刺さっていた視線からは少し守られているような気がした。
    正守もヘルメットを被ると足を大きく後ろに蹴り上げてバイクに跨る。その姿にぼーっと見とれてしまう。
    いつまでもそばで立っている良守に業を煮やすと、良守に早く乗るように言った。我に返った良守は慌てて足をかけてバイクに乗る。初めてバイクに乗ったため、後部座席でどうしてていいのかわからない。それを聞こうを正守の肩越しにひょこっと問いかけると、無言で良守の両手を手に取ると正守の腹の前で組まされた。正守に抱き着いている形だ。
    その姿にまたもや悲鳴のような歓声があがる。そんな仕草を間近でみていた市ヶ谷もぽーっとなっている。良守は明日学校に来た時に面倒になるなという予感はあるものの、もうどうにでもなれと開き直った。
    「じゃ、いくぞ」
    そう言ってエンジンをかけると、大勢が見守る中二人はバイクで走り去っていった。

    続かない。

    きっと夜景の見えるデートからのホテルとかじゃないかなぁ・・・
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