Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    オサハタ

    長い文章はpixiv↓
    http://pixiv.net/users/35609325
    カプものR18はピクブラにだったり↓
    https://pictbland.net/beak_of_crow
    マシュマロ
    https://marshmallow-qa.com/alcohol_20over?utm_medium=url_text&utm_source=promotion
    Wavebox(匿名メッセージ)
    https://wavebox.me/wave/70id223vl3d3m29o/
    お差し入れ(giftee欲しいものリスト)
    https://giftee.com/u/osahata
    雑談お喋り(にじみす)(osa_hataまたはオサハタで検索すると出ると思います)
    https://nijimiss.moe

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍑 🌱 📱 🐐
    POIPOI 891

    オサハタ

    ☆quiet follow

    半サギョ。付き合ってるふたり。サギョウくんの髪色の話。

    #半サギョ

    運命の特異点「先輩は、僕がこういう髪の色じゃなかったら、好きになってなかった?」
    と、何となく聞いたら、先輩はきゅっと目を丸くした後、俯いて考え込んだ。
     僕としては、多分、『そんなことはない』って、即答して欲しかったんだと思う。
     『思う』、だなんて他人事みたいだけど、考え込まれている今、少し──どころじゃなくかなり不安になっているから、まぁそういうことなんだろうなと、遅れて気付いた。
     待つ、というより、聞かなければよかったかな、とか、聞いてどうするつもりなんだろうか、とか、後悔と自問に忙しく結果として黙りこくった僕に、先輩は、俯いたまま呟いた。
    「特異点、では、あったと思う」
    特異点──。
     その意味の在り処ろを僕が探している間に、先輩はゆっくり、だけど確実に言葉を重ねた。
    「お前が俺の下についていなければ、その前に今の隊に配属になっていなければ、もっと言えばお前か俺かどちらかが吸隊に入っていなければ、俺たちは出会ってすらいない」
    遡られるのは各々の道程。
    「何かひとつでも違えていたら、今のようにはなっていなかっただろうな」
    そこで、先輩は顔を上げて、僕を見た。
    「髪──」
    そおっと伸ばされた指先は、僕の髪に、触れた。
    だけどまっすぐな視線は、僕の目から、少しもずれていない。
    「……そうだな、お前に興味を持つ、切っ掛けのひとつであったことは、否定しない」
    触れているのは毛先。毛髪に神経はない、それなのに、
    「だが──」
    その指が、先の先まで温かいと感じて、嬉しくなって、しまうのは、
    「例えお前の髪が今とは違う色であったとしても、お前とこうなりたいと、俺は、望んだ筈だ」
    言葉と、声と、それから、
    「お前には、この髪以外に、俺を惹きつけて止まないものが山程ある。お前自身が理解しているいないに拘らず、な……。だから──」
    僕を見つめて、しっかりと、だけど少しだけ照れ臭そうに笑いながら、
    「お前と出会えてさえいれば、俺は必ずお前を──サギョウを、好きになる」
    僕自身も自覚していなかった不安を、望んだ以上の言葉で取り払ってくれる先輩が、僕も──大好きだからだ。
    「っ、えへへ」
    心配を掛けたくなくて、嬉しさで滲んだ涙を隠したくて、大袈裟に笑ってみたけど、
    「……何か、不安にさせることをしてしまったか?」
    と聞いてきながら先輩が僕の目尻をなぞったから。

     何となくの思いつきで聞いただけなのに結果として泣いてしまって、却って気を使わせてしまったのが申し訳なくなった僕が慌てふためくのはまた別の話、として、いいだろうか?
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖👏👏👏💕💕😭🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    other8e

    MOURNING幸せであれ
    ※しじみ食べたことないので食感は検索してみたけど実際のところ知りません
    「嶺二」
    ぼくの名前を呼ぶ声にゆっくり目を開けると、ベッドの端に腰をかけたランランの姿があった。
    「おはよう、嶺二。やっと起きたな」
    ランランはぼくの頬をそっと撫でてふわりと微笑む。少しくすぐったい。カーテンの隙間から射し込む陽の光が、ランランのまだセットしていないふわふわの髪の毛を明るく照らしてきらきらと輝いている。
    「いまなんじ?」
    身を起こしながら聞くと、7時だと教えてくれた。ちょうどいい時間だ。
    体を起こしたものの疲労の残る体はまだ少しだるくて、ベッドの上でぼうっとしてしまう。ランランの小さく笑うような声が聞こえたかと思うと、ぎしりとベッドの軋む音と唇に優しく触れる感触。それにうっとりとする間もなくランランはぼくから離れて、物足りなさを感じて見上げるぼくの髪を大きな手でくしゃくしゃとかき乱した。
    「ちょっとー!」
    「目ぇ覚めただろ?朝飯作ってあるから早く顔洗ってこい」
    「うん」


    着替えは後回しにして、顔を洗って歯を磨いてリビングに向かうと、美味しそうな匂いがぼくを待っていた。
    「わー!すっごい!和食だ…!」
    テーブルには、お味噌汁に焼き鮭に卵焼きが並んでいて、どれもまだ白い 2846