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    オサハタ

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    オサハタ

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    半サギョの概念

    #半サギョ

    隣り合わせ 手の、影。
     それがどうしようもなく、怖い。
     その影は僕の手が作り出したもの。

     必死に伸ばした、手は、何も掴めない。

     それが、怖くて──サイレンのように泣いたのは、いつだったか。



    「──サギョウ!」
    呼ばれて──
     色を取り戻す視界、映るのは眩しい金色、混濁する思考、その中で一番に理解したのは温もりで、それが伝わってくるのは、てのひら。
    「無事だな⁉︎」
    色を失っていたのは、僕の視界だけじゃない、この人の顔も、だ。
     すぐには声が出なくて、だけどその青白い素肌をこれ以上は見たくなくて、代わりに掴まれた──掴んでもらえた、手に、力を込めた。
    「──よし!」
    張り詰めた目尻が少し、だけだけど、ゆるんだ。
     ああ良かった、泣かせずに、済んだ。
     僕も笑った、と、思う。
     あまり覚えて、いないけれど。
    「……すみません」
    と僕はようやく言った。
    「……っ、お前の落ち度ではない、今回は相手が数枚上手だっただけで──」
    「違う」
    僕は、先輩の言葉を遮った。
    「あなたに、心配をかけた、ことを、謝りたい」
    遅れて、今更、身体中あちこち痛くなってきた、ってことは、まぁ、いいことなんだろうな、ある意味。
     周囲は事態の収束のために大童、僕のか細い声なんて聞こえていやしない。
     だから、告げた、今にも泣きそうな、恋人に。
    「──分かった、気にしなくていい」
    見えなくなった金色、だけどそれは僕の視界がどうにかなったからじゃない。
     その相貌を囲む瞼が細まったせいだ。
     ああ本当に、良かった、何もかもが。
     安堵の中いつまでも消えなかったのは繋いだ手の熱。

     
     僕がもう、あのときのように泣かずに済んでいるのは大人になったからか、それとも──

     伸ばした手を、掴んでくれる人が、いるからか。
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    オサハタ

    DOODLE半サギョSS、ピクブラからの移動、ドチャクソに酔っ払った半田くんとまだ正気が残ってるサギョくんの話が好きなんだけどさ、って話

    【以下経緯(こっちの方が本文より長い)】
    ヘロヘロになってる半田くんが
    「さぎょう、さわりたい、したい、すきだ、さぎょう」
    って呂律の回っていない口調でぺたぺたに甘えてきてソファに押し倒されて、サギョくんも悪い気はしないというかそれなりに酔っ払ってるから
    「んー、ぼくもすきー」
    みたいな感じでぎゅうっとするんだけど、半田くんはもう正体を無くしていると分かっていて、この状態で致しても合意とはならないし自分が受け入れる側であっても強制姦淫になるなぁ、それ以前にこの人具合悪くしそう悪酔い的な意味で、とか考えているので
    「じゅんびしてくるから〜まってて〜」
    みたいなこと言って半田くんを寝床に誘導し、やや暫く己を落ち着かせてからそおっと部屋に戻り、目論見通りあどけない寝顔で眠っている半田くんに安堵しながら
    「他の人にこんなとこ見せたらダメですよ」
    なんて微笑みながらほっぺたにちゅうして自分も眠るやつ見たいママ 

    翌日サギョくんが目を覚ましたら半田くんがぎゅーっと抱き着いてて
    「どうしたの?」
    って聞いたら
    「……寝てしまってごめん」
    て悲しそうな声が聞こえたから
    「僕が寝かせたの、心配だったから」
    って半田くんの腕の中に潜り込むんだねサギョくんはね。

    ママー!!!!!!!!ママーーーー!!!!!
    宝物酒に酔って眠っている状態を、正体をなくす、というらしい、が。
    正体って、なんだろう。
    その人そのもの、素の姿、だとすれば、酔って本性が出ている状態こそ正体なんじゃないのかな。
    それを無くす?酔って?どういうこと?
    そんなことをぼんやりと考えながら眺めた寝顔はあどけなくて、柔らかくて、微笑ましくて、普段と全然違う。 
    正体を、無くす。
    正体、とは──
    もしかして、その人がその人らしくあろうとする、これが正しいとその人本人が信じ、取り繕う姿、だろうか。
    だとすれば、説明がつく、気がする。
    それが取り払われた、今。
    目の前に開け広げられている、この愛おしい寝顔は、許しのしるしだろうか。
    そうであるなら──
    「……他の誰にも、見せないでね」
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