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    オサハタ

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    オサハタ

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    続き

    #半サギョ

    Unknown⑥「……そんなことを、考えていたのか」
    話の途中から、ほんの少し首を回して片目だけ覗かせていた先輩が、今は完全に身体を起こして僕を見ている。
     まんまるになっている両目に向かって僕は頷きがわりに笑ったけど、申し訳なさからそれは少し歪んでいただろうな。
     何も言わなくてすみません、と、今更だとは分かっていつつ謝った僕に、先輩もいびつな笑みでかぶりを振った。
    「有り難かった。変わらず傍にいてくれたことが。俺は──」
    言いかけながら一度唇を閉じて、また開きかけて、それから僅かに首を傾げた先輩に、僕はどうぞ、と視線で続きを促した。
    「あのとき……雑踏に紛れて聞こえていなかったか、それとも意味が通じていなかったか──どちらにしろ伝わらずに済んで、それまでと同じ距離に居られるのならそれで良かったと、安堵してしまっていた」
    苦味を滲ませた撓んだ目元は、前にも見たことがある。
    「だから、何も知らずに安穏とお前の誠実さに胡座をかいていたのを、俺の方が謝りたい」
    それを聞いて、今度は僕が首を横に振った。いいえ、と、そして、あれは単なる僕の我儘だから、気に病んでほしくないと声にして。
     誠実さがいつも正しい結果になるなんていうつもりはない、それでも僕は先輩に対して、少しでも後ろめたさを感じる行動はしたくない。
     そんな、半ば意地で、我を貫き通しただけなのだとも、伝えながら。

     淀みのない言葉たち。
     だけどその合間に先輩の両手が時折動く。組み合わせた指先を握って、離して、擦り合わせて。
     話の内容が内容だ、落ち着かないんだろう、僕だってそうだ、どうしたって無駄な動きが増える。
     だけど構わない、こういうとき、この人はそうなるんだな、というのを堂々と知られるのは、知っていていいんだと思えるのは、嬉しい。
     それは先輩にとっても多分同じだ。さっきから足を組んでは伸ばしてを繰り返してそわそわしている僕に気付いているだろうに、何も言わずただ目を細めていて──

     そして僕も、もう今は、かつてのように無意識を装った気を張っては、いないのだから。
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    オサハタ

    DOODLE半サギョSS、ピクブラからの移動、ドチャクソに酔っ払った半田くんとまだ正気が残ってるサギョくんの話が好きなんだけどさ、って話

    【以下経緯(こっちの方が本文より長い)】
    ヘロヘロになってる半田くんが
    「さぎょう、さわりたい、したい、すきだ、さぎょう」
    って呂律の回っていない口調でぺたぺたに甘えてきてソファに押し倒されて、サギョくんも悪い気はしないというかそれなりに酔っ払ってるから
    「んー、ぼくもすきー」
    みたいな感じでぎゅうっとするんだけど、半田くんはもう正体を無くしていると分かっていて、この状態で致しても合意とはならないし自分が受け入れる側であっても強制姦淫になるなぁ、それ以前にこの人具合悪くしそう悪酔い的な意味で、とか考えているので
    「じゅんびしてくるから〜まってて〜」
    みたいなこと言って半田くんを寝床に誘導し、やや暫く己を落ち着かせてからそおっと部屋に戻り、目論見通りあどけない寝顔で眠っている半田くんに安堵しながら
    「他の人にこんなとこ見せたらダメですよ」
    なんて微笑みながらほっぺたにちゅうして自分も眠るやつ見たいママ 

    翌日サギョくんが目を覚ましたら半田くんがぎゅーっと抱き着いてて
    「どうしたの?」
    って聞いたら
    「……寝てしまってごめん」
    て悲しそうな声が聞こえたから
    「僕が寝かせたの、心配だったから」
    って半田くんの腕の中に潜り込むんだねサギョくんはね。

    ママー!!!!!!!!ママーーーー!!!!!
    宝物酒に酔って眠っている状態を、正体をなくす、というらしい、が。
    正体って、なんだろう。
    その人そのもの、素の姿、だとすれば、酔って本性が出ている状態こそ正体なんじゃないのかな。
    それを無くす?酔って?どういうこと?
    そんなことをぼんやりと考えながら眺めた寝顔はあどけなくて、柔らかくて、微笑ましくて、普段と全然違う。 
    正体を、無くす。
    正体、とは──
    もしかして、その人がその人らしくあろうとする、これが正しいとその人本人が信じ、取り繕う姿、だろうか。
    だとすれば、説明がつく、気がする。
    それが取り払われた、今。
    目の前に開け広げられている、この愛おしい寝顔は、許しのしるしだろうか。
    そうであるなら──
    「……他の誰にも、見せないでね」
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