re-birth②「もしかして僕を救おうとしてます?」
あれから数週間経った。その間俺はサギョウに口付けた、抱きしめた、好きだと言った、だがそれだけだった。
サギョウは何度か俺を誘った。そのたび俺はしないと断った。
そして、聞かれたのが、今だ。
「こないだ僕がぶっちゃけたからかな? いいんですよ気にしなくて、むしろ好きにしてもらった方がこっちとしてはありがたいから」
サギョウは今日もけらけらと笑う。
「それとも雰囲気が良くない? しおらしいほうが盛り上がりますか?」
瞳にすうっと憂いに似た恥じらいが帯びる、控えめに袖を引く手を握って、抱き寄せて、好きだと告げた。
「それは分かってますよぉ」
頭の斜め後ろから聞こえた声は呆れを含んでいる。
「だからセックスしましょって……ねぇ……?」
囁きに変わる音、耳を撫ぜる濡れた舌の熱を、やんわりと避けた。
「……もう〜!」
不機嫌をあからさまにする、サギョウの名を、呼んだ。
「なんですかぁ?」
睨みつけてくる目尻に親指で触れて、それから、
「救おうなどと思い上がってはいない」
俺は、懇願した。
「お前に俺を、救ってほしいだけだ」
と。