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    りーな

    @daryunaru
    好きなように二次創作物
    女体化好き

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    りーな

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    デーズ臼井先輩お誕生日おめでとうございます。深く考えないで読んでください

    #デーズ
    #臼井雄太
    usuiYuta

    聖蹟メロンパン感謝デー「そうだ、明日はメロンパン感謝デーだからお前ら飯持ってくるなよ」
    「あー、でもなんかしょっぱいもんあるといいかもな」
     練習の後、三年の速瀬と国母が一年と二年に声を掛けた。
    「メロンパン感謝デーって何すか」
    そう問いかける来須に、メロンパンが山ほど食える日だと灰原が答える。全くもって意味がわからない様子の一年とは対照的に二年はどこか諦めの入った、なんだか遠い目をしていた。

     翌日。サッカー部は朝練のために早朝に登校しているため、あまり他の生徒と出会うことはない。しかし何故かこの日は校門前に女生徒がごった返していた。
    「な、なんだあ?」
    新戸部は白鳥、来須と顔を見合わせる。校門に屯している女生徒達は三人に気づくや否や歓声を上げて三人を取り囲んだ。
    「サッカー部でしょ! これ、臼井先輩に渡して!」
    「あ、あたしのも! よろしくー!」
    「これもこれも!」
    我先に臼井への貢物を押し付けようとするパワーに三人がたじたじとしていると、うるせえぞ、とドスの効いた声が響いた。その声に気圧されたように女生徒の興奮は落ち着いた。
    「き、君下先輩……! 助かったっす!」
    女生徒の壁越しに声の主を見つけた来須は感謝を述べる。君下はちっと舌打ちし、情けねえと吐き捨てた。君下の隣には大柴、佐藤、鈴木がいる。
    「臼井先輩へのプレゼントは俺達が預かりますので並んでください」
    淡々と鈴木が場を執り仕切り始めた。佐藤がお前らも協力しろと一年三人組に目配せした。
    「臼井先輩へのプレゼントって……」
    新戸部が恐る恐る聞くと、サッカー部の先輩より先に女生徒から答えを叩きつけられた。
    「今日は臼井先輩の誕生日でしょうが! 後輩なら知っときなさいよ!」
    出会って二週間程度なんすけど、と口答えする勇気は新戸部にはなかった。

     運良く校門のひと騒動に巻き込まれなかった風間と柄本は来須達の話を聞き、一人はゲラゲラ笑い転げ、一人は大変だったねと労った。部室は甘い匂いがする紙袋で溢れかえっている。校門にいたのは恐らく二十人弱、寮の前で陣取っていたのが十数人だという。嘘だろ、と白鳥は冷や汗をかいた。
    「むしろ何で部室には来ねえんだ、女子ども」
    「他の部員に迷惑にならないよう、部室には押しかけるなと臼井が言ったからだ」
    来須の疑問にたまたま近くにいた猪原が答えた。来須達が慌てた頭を下げる。猪原は相変わらずの仏頂面だが、その後ろにいる今帰仁はげっそりした顔をしている。二人ともやはり紙袋を抱えていた。

     朝練後。
    「臼井ー! 仕分けできたか?」
    「うん。あっちの分は折角だけど今日は食べられない。みんなで分けてくれ」
    「俺らの昼飯は?」
    「こっち。まだ行ったことのないパン屋が多くて驚いてるよ」
    「店の入れ替わり激しいもんな」
    灰原、臼井、国母が話している。何のことだと一年が思っていると、速瀬が腹減った奴手ぇ挙げろと声を張り上げた。
    「はい」
    部長の水樹が誰よりも早く、勢いよく、真っ直ぐに手を挙げた。

     昨年突如として発症した聖磧サッカー部メロンパン感謝デー。臼井雄太の誕生日。来年には恐らく開催されないだろう。

    「食べきれない量のメロンパンが贈られるからって、臼井先輩が食べたことのあるパンは俺らに横流しされるって訳だ」
    「つーか君下先輩、明日の朝昼分くらい貰ってなかったか?」
    「どれも味一緒に思えてきた……ポテチ開けていいか?」
    昼休み。新戸部、来須、白鳥がメロンパンをもそもそと食べている。今この瞬間も臼井にはメロンパンが献上されており、放課後練後もメロンパンが下賜される。ちなみに臼井にプレゼントして良いのは市販品のみという厳格なルールが定められている。
    「中澤監督も押し付けられてたよな、軍曹本人に」

    『俺、今日誕生日なんですよ、お願い聞いてもらえますよね』
     果たしてそう言う臼井雄太のお願いを断ることが出来るだろうか。

    「選抜されたメロンパンだけどさ、それでも一人じゃ食べきれねーから切り分けて三年みんなで食うんだってさ」
    「三年の先輩達って本当に仲がいいね」
    「そーだなー」
    風間と柄本もメロンパンを食べている。まあ最後は水樹キャプテンが全部食うだろ、と風間は笑った。

    「監督にまで食わせるか?」
    呆れたように言う速瀬に、臼井はにこやかに答える。
    「もちろん監督には高い店ばかりにしたさ」
    その隣で水樹は十個目のコンビニのメロンパンを開封していた。
    「そんで今回はどんな感じよ?」
    「そうだな、こことここは特に美味しかった。あ、これは一人で食べたいな」
     部活の後に食べよう、そう言う本日の主役は、亀の形のメロンパンを大事そうに紙袋へ入れ直した。
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    りーな

    DOODLEとどちワンドロワンライ 9回 【媚薬を飲んだ受け】【マフラー】【「俺のせいじゃない」】
    藤←千 高二公式戦前。片想いを勝手に封じ込める千早が好き。マフラーはバイクのマフラーになった
     藤堂君が好きだ。もはや認めるしかなかった。綺麗な女性に憧れたり男女交際を夢見たりAV女優の淫らな姿に興奮したりしていたはずの俺だったのに。気づけば隣の席で爆睡している金髪ロン毛の元ヤン球児に恋をしていた。やってられない。藤堂君といえば意外とデリカシーがあって、野球に真面目で、イップスを克服するくらい根性があって、家族思いで、友情に厚くて、いい奴なくらいで……惚れた欲目という言葉を脳から追い出しておく。
     藤堂君とどうこうなりたいかといえば、正直なりたい。恋人に。恋人になるには……無理無理無理! 告白してオッケーしてもらう必要がある。絶対に無理だ。まず告白できる気がしない。なんで胸の内を他人に晒さねばならないんだ。相手に自分の心の生殺与奪の権を与えるなんて、俺にはできない。しかも告白できたとして、藤堂君がオッケーするはずもない。藤堂君のタイプはどうやら清楚系の女子っぽいし。仮に藤堂君が男子に好意を抱くとしても山田君や要君みたいなタイプの方に惹かれるだろうし。
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    りーな

    DOODLE6回 とどちワンドロワンライ【ハンバーグ】【プロ野球】【約束したろ】
    社会人とどち。前半藤堂、後半千早視点と思って置くと読みやすいかも

    書けなかったけど藤堂のマンションは球団ホームエリアにあり、部屋が余っていて、千早の現在住む家に置いてあるけど寮には持っていけず、といって実家に置いておくほどでもない私物を置く部屋になります
    『 前略 藤堂葵様

     このように手紙を書くのは初めてのことですね。別に手紙を書かずともSNSでやりとりできますし、それなりに会って話す機会もあります。年賀状すら送っていないというのに、わざわざ便箋を買ってまで筆を執ることになるとは……筆とか言ってボールペンじゃねーかとか言わないでくださいね、慣用句ですから。慣用句って分かりますか?笑
     さて、藤堂君との思い出でも語りましょうか。高校三年生で進路志望の提出用紙が配られた時、俺はてっきり藤堂君は清峰君と同じようにプロ野球選手と書くのかと思っていました。しかし違いましたね。君はスポーツ推薦での進学を志望しました。プロになりたいという気持ちはある。ただ、小手指のみんなやシニアの先輩達とやる野球が楽しいのであって、果たしてプロ選手として自分がやっていけるのか、このような心持ちではプロなど務まらないのではないか、もうちょっと自分を鍛えたいのだ、というようなことを君は言っていました。それも本音でしょう。君は気持ちに左右されるところがありますし。でも、ご家族のためもあったのでしょうね。同じ寮暮らしでも地方の球団よりは都内の大学の方が融通が利きます。
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    りーな

    DONE4回 とどちワンドロワンライ 【チキン】【ちっとも思ってないくせに】【ペアルック】
    高校生。千早がぐるぐる頭を悩ませている
     本当の意味で誰かと恋人のなりたいと思ったことはなかった。それはまあ、性的接触に興味がないかといえば大いにある。健全な男子高校生なのだ。でも、例えば誰かとペアルックで手を繋いでデートとかいうカップルになることは自分には無理だと思っていた。そんな恥ずかしい真似ができるか? だって(1)告白→承認 (2)ペアルック依頼→承認 (3)手を繋ぎたい→承認 と、ステップが多すぎる。千早瞬平という人間は自分で言うのもなんだが、他人に相談しない、人に胸襟を開かない。そんな人間が誰かと恋人同士!? なれるわけがないだろう。当然(4)性的なことがしたい→承認 も夢のまた夢である。誰かと何かがしたい、しかも割となんというか恥ずかしいことをしたい、そんなこと言えるか! 拒否されたら恥ずかし死にしてしまうかもしれない。臆病者、チキン野郎と言われようと無理なものは無理だ。仮に相手から言ってくれたら、しょうがないですね〜って承認パートだけならいけるかもしれない。本気で嫌なことは嫌って言って、ほとんどのアクションは相手任せで……それって本当に付き合ってると言えるのか? 相手にとって俺と付き合うメリットがなくないか? 恋人ってなんだ? 後輩の瀧はよく七人もの彼女とこんなことをやっていられるな。わざわざ言葉にしなくてもムードで分かるタイプの人もいるらしいが、それは信頼関係あってのものだろう。心を開かない千早に果たして空気を読めるのか。そもそも、千早には潔癖なところがある。これも誰かと恋人関係になることに積極的になれない事情だ。千早と他人の接触不快ライン。その線引きを恋人であろうと超えて欲しくないのか、恋人にはむしろその線を超えて欲しいのか。千早自身でも分からない。恋人ができたことがないから当然なのだが。小手指野球部員、特に同学年には随分緩くなっている自覚はある。藤堂君ならおにぎりだって食べられる。
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    りーな

    DONEデーズ、きす芸の水臼ルート。※恋愛感情を伴わない犬と水、犬と臼のキス描写あり。前半は犬臼ルートと同じ
    恋人になるまで後一悶着 臼井が高二の頃。次期レギュラーと目されていたメンバーのみで近くの高校へ練習試合に行った。その帰り道、同じように練習試合終わりの桜高と出くわした。
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     なんかいけそうだったから、と尻餅をついた犬童はカラカラ笑った。桜高面子は馬鹿やってんなよと悪ふざけのノリで犬童の行為を流そうとしているが、水樹は怒り心頭だった。それは臼井も同じだった。今現在の臼井にとって聖蹟は何より大事なもので、その柱の水樹も当然大切な相手だった。その水樹に……桜高のメンバーに囲まれて笑われたり嗜められたりしている犬童が憎らしい。臼井が犬童を睨んでいると、その視線に気づいた犬童が臼井の方へ向かってきた。文句の一つも言ってやろうと臼井は犬童と対峙した。しかし、犬童の方が手が早かった。
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