欠片に縋る、濡れた夜休日が、大嫌いだ。
切ない孤独を噛み締める時間なんて。
今はもうない愛しい人を想って泣く時間なんて。
「はー、」
もううんざりだった。
とても寒くて、体を震わせた。
そっと、自分の体を両腕で抱き締めた。
生きているとは思えないほど酷く冷たいそれに少しの恐怖を覚えながら、襲い続ける、心臓を貫くような痛みに唇をかみしめて耐える。
どうせそれしかできないのだから。
恋人が、この世を去って、早2年。
一体幾つ夜を越えれば、忘れられるのだろう。
ぼぅっと視線を宙にやった。今日は本当になにもない日だった。
激しい雨音が鳴り響く外は、生憎の曇天である。
暫くしてふと視線をおろした。
そこにある小さなテーブルには、カクテルの入ったグラスがふたつ。
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